「中学受験は人生で一度きり」――。心と体が揺らぐ思春期に、数年間勉強に励み挑む中学受験は、それを見守る親も子どもも共に大きな試練。残り1カ月、運命の日を乗り切るための〝親の心得〟に迫ります。今回はつるの剛士さんに伺いました。
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「リビング学習」で家族一丸となり、自然といいムードが できました
つるの剛士さん
5人の子どもの父。バラエティ番組などで見せる「おバカタレント」としてのイメージが先行しがちですが、忙しい仕事の傍ら2年間短大に通い幼稚園教諭の免許を取得するなど「育児」分野での新たな活躍も話題。
昨春、三女が中学受験をしました。僕自身「おバカタレント」でお馴染みですし、実際勉強を全然やってこなかったので、娘が努力して希望する中学校に合格できたのがとにかく嬉しくて……。本気で泣きましたね。
実は、僕自身、今年2年間通った短大を卒業し、幼稚園教諭の免許を取ったんですが、40歳を過ぎて勉強に目覚めたのは長男が小6の頃。付属の中学校に進学するため必要に迫られ、「勉強しなさい」なんてこれまで親にも言われたこともなければ、僕も口にしたことがない言葉を散々浴びせていました。反抗期の息子が途中で投げ出してしまった塾に僕が代わりに通ってみたんですが、これが思いのほか楽しくて。以後リビングで勉強するようになったんです。
すると、子どもたちも各々の部屋じゃなく自然とリビングに集まって勉強するようになって。「勉強しなさい」と口うるさく言っていた頃よりも、今の方がはるかに子どもたちも進んで勉強していますね。その陰では、妻が「パパすごいね! 頑張ってるよね!」と子どもたちに話してくれていたようで、家族一丸、チームのように勉強していました。そんなムードを作ってくれた妻には感謝しています。
受験直前期って家庭内はもちろん、周りもピリピリムード。だからこそ、僕は家のリビングが家族みんなにとっての「安全地帯」であるよう心掛けていました。思春期の子どもたちって、親が思っている以上に色々なことを理解しているし葛藤しているんですよね。
だから、家にいる時間だけでも安らいだ気持ちでいてほしいと思うんです。たとえ受験直前期であっても親が特別なことはせず、子どもを信じて見守ってあげること。親からの「大丈夫だよ」の一言で子どもって安心できる。子どもが大好きなおやつを用意してたっぷり話を聞いてあげてほしいです。
撮影/平井敬治 取材/奥村千草、松葉恵里 ※情報は2023年2月号掲載時のものです。