40代は、心にも体にも「揺らぎ」を感じ始める時期。そのうえ、コロナだ、円安だ、と世の中までぐらぐら揺らぎ、不安を抱える方も多いのでは? そこで、アネフォー、アラフォーのみなさんに、乗り越え方を語り合っていただきました。今回は、中村仁美さん×馬場典子さんです!
profile
<右>アネフォー/馬場典子さん(48)
日本テレビにて、局を代表する数々の番組を担当し、’14年よりフリーアナウンサーに。テレビ・ラジオ・インターネット番組・執筆・イベント司会・ナレーション・大学教授など、幅広く活動中。
<左>アラフォー/中村仁美さん(43)
フジテレビの局アナを経て、’17年フリーに転身。テレビ・ラジオ・イベント出演など広く活動中。夫は「さまぁ~ず」の大竹一樹さん。3児の母で、家族の様子を語った本誌連載『妻脳vs.夫脳』も大人気。
【中村仁美さん×馬場典子さん】40代の揺らぎ...仕事について
◇ 40代になって、 “等身大の自分”と“仕事の時の自分”がようやく重なってゆく
馬場さん(以下敬称略)
アナウンサーも30代後半から、現場を続けるか管理職か、となってくるけど、私は組織に向いていないなと思って、悩んだ末、40歳で会社を辞めたのね。で、ストレスは軽減されるはずなのに、なんだか、だるいなあ、と思う日が増えて。
中村さん(以下敬称略)
いや、私もいつも朝起きるとだるいですよ。でも、子どもは待ってくれないので、バタバタしてるうちにまぎれちゃう。
馬場
会社辞めて、精神的に糸の切れた凧みたいになったのかなあ。
中村
それ、大きいかも。私は37歳で第二子を出産したあと、退社したんですけど、四肢がかゆくなるとか、体にいろいろな不調が出ました。それに、やたらに派手な服が着たくなった。かなり自由にさせてもらっていたのに、“アナウンサーとはこうあるべき”と自分で思いこんでいたのかなと、辞めてから気づいたんです。
馬場
なるほど。私はようやく、40歳を超えてから、昔に比べると力が抜けてきたって感じるの。
中村
20代のころ、仕事でご一緒させていただいたとき、「私は、仕事と結婚を両立させる自信がないから、仕事に全力投球する」とおっしゃっていて、仕事への向き合い方がすごいと思いました。
馬場
人としてもアナウンサーとしても半人前だし不器用だから、仕事だけはきちんとやらなきゃって思ってたんだよね。そしたら、本物の自分よりもずっとお堅くて優等生っぽいキャラに見られちゃった。仁美ちゃんは、ゆるーくやりながらもしっかりツボは押さえている。すごいよね。
中村
いや私、ゆるーくないんです(笑)。根はまじめで緊張しいなんだけれど、どうも力が抜けて見えるみたい。
馬場
それ、才能だよ。でも、意外とすごく悩んだりもするんだよね。
中村
そうなんです。だけど、すぐ、人に話しちゃう。話していると、だんだんと自分の考えがまとまってくるんです。
馬場
私も友達には何でも話せるんだけど、大切な人に言えないんだよね。
中村
大切な人にこそ言わなきゃ! 私はすぐ言うから夫と喧嘩になるけど。
馬場
彼氏でも上司でも、ストレスの元となっている人に向けて、明るく言えるようになったらいいんだけど。
中村
いや、明るくなくてもいいんですよ。とにかくちゃんと言わないと。
馬場
仁美ちゃんは、結婚して安心感が生まれたって言ってたじゃない?
中村
結婚前は、連絡が来ないとか、いろいろ気を揉んだりしたけど、婚姻届という紙切れ一枚出しただけで、「これからは、この人と2人で幸せになることだけを考えればいい」と思えるようになったんです。今は、夫婦でタッグを組んで子どもを守っていくという共通の方向性があるので、言うべきことは遠慮なく言って、喧嘩になっても、翌日は普通に、というふうになりましたね。
馬場
素敵。「幸せにしてほしい」じゃなく、自分が幸せになろうって、主語が“自分”というのがいいと思う。
中村
いや、毎日揺れているし、迷うことも多いんですよ。でも、最近は、会社のためとか、誰かのためでなく、まず自分の心が辛くならないことを選択しようと思うようになりましたね。
馬場
わかるなあ。私は、30歳になったとき「健康で好きな仕事できてるだけで有難い」と初めて思えたのね。それからだんだん思うようにはできない等身大の自分を受け入れられるようになって、素の自分をアナウンサーとして発する言葉に載せられるようになってきた。自分と仕事が一致したというのかな。
中村
43歳、この年月、日々成長してるのに、気づかずに過ぎてきてる。頑張ってきたねって、自分で自分を褒めてあげられるのがいちばんですよね。
撮影/水野美隆(zecca) モデル/高垣麗子 スタイリスト/入江未悠 ヘア・メーク/森野友香子撮影/平井敬冶 ヘア・メーク/谷口あゆみ(馬場さん)、千葉万理子(中村さん) スタイリスト/山崎由佳(馬場さん)、河野素子(中村さん) 取材/秋元恵美 ※情報は2023年2月号掲載時のものです。