こんにちは、Ritaと申します。昨年6月からスペインに滞在しあっという間に8ヶ月。最初の数か月はどの日も緊張し一瞬で過ぎ去りました。カフェに入れず立ち往生したり、会話が全く成り立たず半泣きで帰ったり、引越し珍道中など……想定外のことも多くありましたが、どの瞬間も今ここでチャレンジ出来ていることに後悔は無く、日本では感じることの無い環境がまだまだ新鮮な毎日です。今回は少し時間がたったからこそ感じる「大人留学して良かった」と思うことを纏めてみました。
日本出国前「海外留学」とネット検索しても若い人の情報が多く、果たして自分もその一員になれるのか不安で、自分の学生生活も全く想像出来ていませんでした。実際入学してみても、やはり中心は10〜30代で、40代以上のクラスメイトは時々出会う程度です。ただ、年齢の差はあれど授業は和やかの雰囲気の中で進められ、私の留学前の心配も無くなりました。お互い言葉は片言だけれど、雰囲気で性格が読み取れるので、「何となく気が合いそう……!」と感じる人同士で仲良くなる傾向にあります。私は姉後肌タイプの女性と仲良くなることが多いです。
好きな国に住めて良かった!
留学当初はスペイン語が全く分からず、常に気が張りとても疲れました。そんな中、何よりも救われたのは街と人々の明るさです。毎日のように晴天が続き、海を眺めるだけ、空を見上げるだけでも気持ちが楽になりました。外国人慣れしていない私は、最初は話しかける事すら怖さがありましたが、私がひと言スペイン語で挨拶するだけでも、現地の人達はとても喜んで私に興味を持って話しかけてくれました。街の明るさ、人懐っこさ、ゆったりした時間の過ぎ方……この国に長く住みたいからしっかり勉強しよう!と思える毎日です。
世界が近くになって良かった!
クラスメイトは世界中から。授業では各国の話題が多く、何を食べているのか、どんなスポーツが人気なのか、持っている文具にすらお互いに興味津々。日本製品の良さに気づかされたり、日本がどのように思われているかを知ったり、新たな視点を得られて大変勉強になります。勤勉な学生も多く、様々なバックグラウンドを持つ世界各国からのクラスメイトと肩を並べて勉強出来ることも、とても嬉しいです。先日は既に帰国したクラスメイトから母国の冬景色写真が届き、世界がとても近く感じます。
自分を見直せて良かった!
日本では当たり前に大人の世代。どこにいても年齢は上の方で、何でも知っていて当たり前、出来て当たり前、ある意味その立場も守られていました。でもここでは全てがゼロ。誰も日本の大人だった私を知らず、話せない、知らない、見たこともない、子供のような存在。世界に出ると無力で、工夫をしないと生きていくことすら出来ず、小さすぎる自分が身に染みます。日本の自分とは全く違う行動が必要で、まさに人間を入れ替えている最中。勿論日本の大人だった自分も大切ですが、今は新人生を一歩一歩自分で作り上げている実感があります。
もしも今、日本にいたら。恐らく以前と同じように勤務し、仲間と集い、時に買物、時に旅行、一般的ですが決して不自由ではない生活を送っていたと思います。今の毎日は不自由だらけですが、新しい目標が作れること、新しい自分になれる可能性、不安が多くてもその新しい何かに向かっている自分が嬉しくてたまりません。想像以上に言語が伸びず交流も乏しく、悩む事も多くありますが、日本ではそんな感情の浮き沈みすら忘れた日々を送っていました。言葉や交流の広がりは勿論のこと、もう一度感情を取り戻させてくれる、もう一度自分を作り直させてくれる……その「もう一度」を楽しめることが、大人留学をして良かったと思える一番の理由です。
この記事では月2回の連載を通して、楽しい50代を過ごす為の挑戦を、読者の皆様と共有していきたいと思っております。無鉄砲な新たな人生を、一緒に楽しんでいただけたら嬉しいです!
撮影・文/Rita
Ritaさんの日常がリアルタイムでわかるTwitterはこちら