これからの自分のキャリア形成、学び直し、親側のより柔軟な姿勢が必要になってくる思春期の子育てと、40代はあらゆる面において「新たなマインドセット」が必要な時。だからこそ、世界の動きが今の私たちの生活に大きな影響を与えていることや世界の様々な価値観に触れ、柔軟に自分軸で物事をとらえていくことは、とても大切。NHKニュース「キャッチ!」をきっかけに新しいリスキリングを!
きっかけになる!
Profile モデル 蛯原友里さん
夫の家族がフィンランド人のため、フィンランドへは頻繁に行き来し、両国の子育て事情や様々な価値観の違いを実感。日本以外の国との考えの違いを受け入れながら、自分自身や子どもたちの未来について考えている。
Profile 「キャッチ!」キャスター 望月麻美さん
STORY世代。NHK「キャッチ!世界のトップニュース」のメインキャスター。報道記者として活躍。国際部・NHKWorldの記者、アメリカ·ロサンゼルス支局とワシントン支局の特派員を経験。
国内でも感じる、
ウクライナ情勢の影響
安全保障をめぐる問題と向き合わなければならないことは私たちにとって重いことです。意見が分かれる問題でもあるため、番組では多角的な視点を伝えるようにしています。たとえばウクライナ情勢では、欧米やウクライナの放送局だけでなく、国営ロシアテレビの放送内容も伝えます。「ロシアによるプロパガンダをなぜ見させられるのか」と受け止めるのではなく、ロシアではこのようなものの見方をしている、そして、それを見て成長していく子どもたちがいる、そのような世界の中で私たちは生きている、という事実をリアルに感じてほしいと思っています。
リアル目線での日本との違い
SNSの負の側面が前面に出たとても痛ましい出来事。皆さんも、子どもがどのSNSを使い、どのような情報に接しているのか、心配になりますよね。自死の原因を徹底的に調査する姿勢や、議会での法案の審議など、イギリス国内の取り組みから日本は学ぶものが多いと感じます。また、アメリカ企業が開発したオンラインゲームに、子どもの個人情報を保護者の同意なしに収集したり、ユーザーが意図していないのに課金されるような仕組みがあったりした問題が、各国のニュースで報じられるなど、ネット社会の負の側面に苦心している様子が日々見受けられます。
「アグレッシブ」より
「アサーティブ」な女性像
インターネットで検索すれば知りたいことが見つかることはいつしか当たり前になりましたが、「ChatGPT」がすでに身近にある若い世代や子どもたちにとっては、私たちとはまた違う当たり前が生まれるのだと実感させるニュースでした。「ChatGPT」を開発したベンチャー企業には、アメリカのIT大手、マイクロソフトも投資。また、グーグルも新たな対話ソフトを開発するなど、開発競争が加速。AIの進歩は目覚ましく、新たなツールに乗り遅れることへの危機感を抱くとともに、どのように利用していけば良いのか、それぞれの意識が問われていると感じます。皆さんは、子どもに「ChatGPT」を使わせますか、それとも、使わせませんか? かく言う私も、回答のあまりの正確性に、当日のスタジオでは「キャスター解説の原稿を書かせたい」とコメントしてしまったのですが……。
これからの自分の
ミライを切り拓いていく力に
女性への尊厳が踏みにじられる行為で、こうした慣習がいまも世界の一部で行われていることに愕然とします。ユニセフ(国連児童基金)などは、根絶のための活動を行っています。私たちはこうした機関への寄付などを通じて、活動を支援することもできますね。日本にはない慣習で遠い国の出来事のように感じるかもしれませんが、被害にあっているのは私たちと同じ、人間の女性です。そして、性別にかかわらず、世界には、悪しき慣習や古い価値観の中で苦しむ人たちが大勢います。私たちが関心を持ち、小さくても行動をすることで、救われる人たちがいるかもしれない、世界を変える力になれるかもしれないということを、ニュースを通じて感じてほしいと、切に願っています。
世界の「今」をリアルに伝えるため、夜から早朝にかけて続々と飛び込んでくる世界中のニュースをダイナミックに選定して放送。 そのチームワーク&プロフェッショナルな姿勢は圧巻!
ここがすごい!
通訳スタート
夜から明け方にかけて続々と入ってくるアジアやヨーロッパなどの現地のニュース番組を担当デスクがチェックしてピックアップ。通訳者が日本語に訳しながらニュースをリストアップしていきます。
デスクと当日のラインナップを打合せ
放送するラインナップを議論して方針を決定。とはいえ、リアルタイムで重要なニュースが入ってくると、どんどん差し替えられていきます。その後、望月さんが毎日担当する「解説コーナー」 でどのニュースを深掘りするかを決定。まずは、理解が難しい海外ニュースの歴史や背景を改めて整理。視聴者は何を疑問に思い、何を知りたいのか……。悶絶しながら原稿を作成していきます。
コメント仕上げ
数日前から準備してきた特集企画の内容を最終チェック。さらに、海外メディアや現地の動きなど、スピーディに情報収集しながら、解説コーナーのコメントを仕上げていきます。国際記者歴が長いからこそなせる業。限られた時間の中で、同時並行でさまざまな作業を進めます。
同時に編集作業
通訳者本人が映像に合わせアフレコを。同時に別室で編集作業が行われます。英語やフランス語、そしてロシア語・アラビア語も。経験豊富な通訳者に支えられています。
流れを最終チェック
放送30分前、ギリギリまで練った「解説コーナー」のリハーサルを行います。ここは尺との闘い。放送数分前まで調整が。見ているSTORYスタッフはハラハラ!
あっという間に放送がスタート。深夜から早朝までの数時間で作られた番組が即日放送されます。朝になるとアメリカのニュースも入ってくるため、バックヤードも白熱!
「キャッチ! 世界のトップニュース」
※新年度のタイムスケジュール
https://nhk.jp/catchsekai
撮影/[対談]川﨑一貴(MOUSTACHE)、[潜入取材]イ・ガンヒョン
モデル/蛯原友里 ヘア・メーク/桑野泰成(ilumini.) スタイリスト/石毛のりえ
取材/石川 恵 イラスト/loosedrawing.com