子供って、敏感に母親のことをよく見ているものだと気づかされます。ここで紹介するエピソードは、思わず自分と重ね合わせて共感できる内容があるかもしれません。みんなそうなんだ…わが子はかけがえのない存在だと改めて気づかされます。読み終わったらギュッと抱きしめて愛情を伝えてください。
ハッとさせられたことば
“ 無理しなくていいよ、たまにはコンビニ弁当でいいんだよ ”
結婚してからずっと専業主婦で、完璧主義の私は「良き母」「良き妻」でいようと家族が最優先で自分を抑えてばかり。その結果、ヒステリックになり、子供達にあたったり、イライラして引きこもったり。そんな自分が許せず泣いている私を夫は見て見ぬふり。精神不安定な状態が続いていました。長男が中学受験を控えて塾通いを始めた時も、彼が頑張っているからお弁当作りを完璧にしなくては…と手作りにこだわっていた私。見兼ねた長男が「お母さん、無理しなくていいよ」と。その言葉を聞いた時、ハッと我に返りました。(A・Tさん 40歳/主婦)
励まされたことば
“ お母さんが仕事と家事を両方頑張るなら、僕も受験と野球をどっちも頑張る ”
小6の息子が中学受験の真っただ中という大事な時期に、自分の新店をオープンするか悩んでいました。息子に悩んでいる姿を見せてしまったのか、受験と野球をどっちも頑張るから、私にも諦めずに仕事を頑張ってほしいと背中を押してくれたんです。結果、野球は決勝でサヨナラ負け。負けて悔しいはずなのに、「お父さんとお母さんが忙しいなか応援に来てくれたから、喜ばせたくていつも以上の力で頑張れた。負けたから、中学でもっと野球の練習をしようという気持ちになれた」と言ってくれました。いつの間にか大人になったんだなと頼もしく感じた瞬間でした。(福貴田純子さん 43歳/ビューティアドバイザー)
成長を感じたことば
“ 家族の笑顔 ”
長男が小4の頃、上の学年の子供からイジメられていた時期があり、2年くらい耐えていました。そしてとうとう嗚咽しながら「もう嫌だ!」と言ってきたので、スクールカウンセラーの先生に相談しに行ったんです。最初、カウンセラーの先生と私の二人で話し、後ほど息子が合流。先生から息子に「苦しい時、何が一番ほっとする? 安心する?」と聞かれて、息子は「家族の笑顔!」と満面の笑みを浮かべて即答したんです。そんな息子を見て私は号泣してしまいました。ピュアに育っている息子を感じ、“私、子育てを間違ってないな”と勇気をもらいました。(Y・Y 46歳/主婦)
ほっこりしたことば
“ あ、こころのなかにはいったね ”
冬の北海道、雪が積もる温泉の露天風呂に当時4歳の息子と浸かっていた時のエピソードです。お湯に浸かり、息子が手を伸ばして雪を搔き集めて小さな雪だるまを作り、手にのせて「ゆきだるまさん、おふろにはいろうね」と湯船に入れました。雪だるまは息子の胸の辺りでスーッと溶けてなくなりました。その時息子が言った一言は、大切な人を亡くした時に必ず思い出します。昨年天国に逝ってしまった祖母や愛犬も、心の中でいつも生き続けてくれているのだな…と思うと心が満たされました。“消えてなくなる”──大人はつい避けたくなる言葉ですが、純真な子供の感性がその先の美しい世界までを私に教えてくれました。(北山朝美さん 41歳/フルート奏者)