40代がいちばん気になるお金の問題と言えば、子育てに関わる費用です。一般的には、子ども一人につき、大学卒業までに3,000万円以上もかかると言われています。優木まおみさんインタビューの最終回は、教育資金をどうやって用意しているかをお話いただきました。また、お子さんのお金教育について、どのように考え、実践されているかもお聞きしました。

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優木まおみさん、好きなことで起業するにはどうしたらいいですか？

ーお子さんは今おいくつですか？

９歳と６歳で、これからどんどんお金がかかるようになってきます。私のモットーは、「教育費用をまかなうための投資は手堅く、自分のための投資は冒険する」なんです。

実は、私、学資保険で一度失敗しているんです。上の子が産まれたとき、この子のためにお金を増やそうと思って、まとまった金額をカナダドル建ての学資保険に入れたんですね。当時はそれがとても人気があって、値上がりしそうと言われていたんです。でも、コロナ禍にそれが急激に下落していて、慌てて解約し、損失を出してしまいました。

それで、教育資金は、絶対に使うお金だから、リスクの極力低いものにすべきだったと学んで、次は郵貯の学資保険を掛けることにしました。これは、子どもが15歳か18歳になるときが満期で、こちらが請求しなくても、郵貯の口座に自動的に振り込まれる形になっていて、安全安心なんです。子どものためにお金を用意することは、親のモチベーションにもなるし、コツコツ投資するにはぴったりですね。

ーお子さんにもお金の教育は必要だと思いますか？

はい、必要だと思います。お金をいただくとは？とかお金を払うとは？とか、お金を生み出すとは？　と考えることは、社会の仕組みを学ぶことにつながっているのでなおさらです。

ーでは、具体的にはどんなふうに教えていますか？

子どもたちが通う学童保育では、「子ども会社」のようなものがあって、例えば、今回は、メルカリで物を売ってみようといったことをみんなでやっているんです。値段はどうやってつけようか、とかこの値段なら売れるか？とか子どもたちなりに考えて実行しているようです。ロールプレイング形式になっていて、うちの子は「広報」だと言っていました。今は、小学生でも起業プレゼンのコンテストなどもあって、革新的なアイデアが出ていて、びっくりします。でも、こどものころから経験できるのは面白いですよね。

私は、さらに一歩進んで、会社が設立できる年齢になったら、自分でやってみてほしいなと思っているんです。実際、15歳になれば、会社を設立できますし、色々な条件がありますが、親子企業なら、15歳未満でも会社を作ることができるんですよ。

ー海外に比べて日本のお金教育は遅れているといいますものね。

そうです。人生の大半は仕事をしていくわけで、自分の仕事の対価はどうしてこうなるのかを考えることはとても大切ですよね。

でも、なんとなく、お金の話をするのは品がない、女性はお金に疎いほうがかわいい、といった風潮が日本ではまだあるような気がします。もっとフランクに話したり相談できるようになるといいなと思います。

子どもたちとも、お金についてなんでも話せる関係でいたいと思います。もし、子どもが、貯めていたお年玉を元手に何か仕事を始めたりしたら、それは、お金を生んだり分配したりする大変さを学べるとすごくいいチャンス。何かしら行動を起こすことで、はじめて人脈も構築することができるんですよね。一つ仕事をするとそれが実績となって次につながっていく。そういうことを子どもたちにも学んでほしいです。

撮影／河内 彩　ヘアメーク／陶山恵美（ROI）　取材／秋元恵美