シングルマザーで3人の子育てをしながら、タレントとしても第一線で活躍中の小倉優子さんが、一念発起し、今年、白百合女子大学に見事合格。現役大学生として大学にも通う超多忙なゆうこりんが、Junior STORYでも数々のリアルな子育て悩みに寄り添ってきた尾木ママに、今、ぶつかっている子育ての様々な“壁”を相談しました。(全4回の1回目)
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「自主性を伸ばしたい。でもつい心配で過干渉気味になってしまいます」
小倉 ブローチ、可愛いですね♡
尾木 ありがとう~!たくさん持ってるのよ。今から14年くらい前かな、明石家さんまさんに“尾木ママ”ってニックネームをつけてもらってから、尾木ママのキャラクターに合わせて、ブローチをつけたり、派手な色の服を着たりするようになったの。
小倉 尾木ママ先生が誕生してまだそのくらいなんですね!自分が小さい頃からもう“尾木ママ”っていたような気がしていました(笑)。
尾木 さんまさんの番組で私のコメントだけ、スーパーの文字がピンク色で最後に赤い♡マークがついたりして、尾木ママというキャラクターを打ち出してくださってから、がらりと人生が変わったの。面白いわよね、人生って(笑)。
小倉 男性女性、両方の心理に寄り添ってくださるから、相談しやすいのかもしれませんね。そんな尾木ママ先生に、今日は相談があるんです。日頃から子ども自身の「やりたい」という気持ちを大切にしたいとは思っているんです。長男はサッカーが好きで、もっとサッカーをしている時間を長くしたいという思いを尊重してあげたいのですが、1日1時間と勉強時間を決めています。勉強も本人がやりたいと思った時にやるのが一番だと思うのですが、そうできなくて、いつも私が決めてしまうんです。そうやって親に言われてやるような状況だと自主性って伸びないですよね。
尾木 勉強を自主的にできる子なんて、なかなかいないですよ。年齢にもよるけれど、夕方決まった時間に家庭学習をさせると机に向かうという習慣がつきますから、親が時間を設定するというのでも少しも悪いことではないですよ。
小倉 それが強制的にでもですか?
尾木 強制って椅子に縛り付けているわけではないでしょ(笑)。僕は親から「勉強しなさい」と言われたことがなかったんです。その代わり「直樹、今日の予定はどうなってるの?」と聞かれていました。どこの時間にやるのか、本人に決めさせるというのは自主性を育む上で大切です。サッカーが好きなのであれば、何時までサッカーをして何時から勉強をスタートするか。学校や習い事の大枠のスケジュールは決まっているでしょうから、 その日の細かい時間設定を自分で決めさせてみてはどうかしら?
小倉 なるほど!
尾木 家庭学習のコツとしては得意な科目から始めること。よく、お母さん達は苦手科目を先に片付けさせようとしますが、それだとなかなかエンジンがかからない。でも好きな教科から始めると自然とエンジンがかかるから捗りますよ。
小倉 もし自分が決めた時間になってもテレビとか見ていてなかなか始めそうになかったら声をかければいいですか?
尾木 声はかけなくていいですよ。
小倉 えー!「もう6時だよ!!」って言いたくなっちゃう。
尾木 子どもって「今やろうと思ってたのに!」ってよく言いますよね?実際にやろうとしていたことを親や先生に先回りして促されるとやる気がなくなってしまうというのが子どもの心理でもあるんです。自分の意思で動きたいですから。それに見ていた動画が、ちょうどクライマックスで、勉強をするより、その結末を知る方が子どもにとっては大切だということもあります。そうなった時は「予定変更なんだね」って言えばいいんです。子どもが「予定変更はしたけど、ご飯まで頑張る」って弁解したら、「自分で決められてえらいね」って褒めてあげる。
小倉 寝るまではやることがたくさんある限られた時間なので、間に合わなくなるのではないかと心配になって、つい口出ししたくなります…。
尾木 もし、その予定変更が完全に失敗に終わったら、「何が失敗の原因だったんだろう、明日からどうすればいいかな?」と、それも本人に考えさせるんです。「そもそもテレビのスイッチ入れたのが失敗のもとだったかも」などと気づくかもしれません。大切なのは失敗したことを客観的に自己分析できること。昔から「失敗は成功の元」といいますよね。僕が大好きだった野球チームの監督の言葉に「失敗と書いて成長と読む」というのがあります。だから簡単に修正できる失敗を小さい時にたくさんやっておいた方が大成するんです。
小倉 そっか。「今、失敗しておいて良かったね」って思えればいいのか。私、小さい頃からたくさん失敗してきたから、子どもにはなるべく失敗してほしくないって思っちゃうんです。私のように失敗してほしくないと敏感になってしまう親って多いのかな。
尾木 それは当然、親心だもの。「転ばぬ先の杖」という諺があるくらいだから。ゆうこりんがこんなにも活躍されて成功されているのも小さな失敗を経験したからこそだと思いますよ。子どもの失敗を恐れて先回りして準備をしすぎるというのはいいことはないんです。例えば天気予報が雨でも傘を持っていくかどうかは、自分で決める。結果的に土砂降りになったら「ママの言ったとおりにすれば良かった」と失敗の原因分析をします。晴れて傘がいらなくなれば、「持たなくて良かった」と自分の決定に自信が持てる。結果がどうであれ、自己決定をすることが自己肯定感の強化につながるんです。
小倉 自分で決めたということが経験上の学びにもなり、自分に自信が持てるようになるんですね。三男に「傘いらない」って言われると、「自己主張できるようになったなぁ。少しくらい濡れてもいっか」って大らかに構えられるんですけど、長男だとそう思えないんですよね…。
尾木 兄弟で育て方が違っても当然ですよ。では今度は兄弟の育児についてお話ししましょうか。
小倉優子さん衣装シャツ ¥10.000 (バナナ・リパブリック)ノースリトップス ¥14.850スカート ¥19.800 (ともにガリャルダガランテ/ガリャルダガランテ 青山店)パンプス ¥19.250 (ダイアナ/ダイアナ 銀座本店)イヤリング ¥28.600チャーム ¥20.900 (ともにアガット)
商品問合せ先/アガット0800-500-5000 ガリャルダガランテ 青山店 03-6427-2126 ダイアナ 銀座本店03-3573-4005 バナナ・リパブリックbr-info@bananarepublic.jp
撮影/河内 彩 ヘア・メーク/松本由美子(尾木さん)、奥戸彩子(小倉さん) スタイリスト/奈良則子(尾木さん)、鷺岡奏(小倉さん) 取材/小仲志帆