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わが家では、産んだ覚えのない長男がいちばんの問題児――それは夫。〈担当ライターの振り返り対談〉

STORY本誌10月号(P.220~)では、「カンベンして! 夫が『わが家の長男化』」について取り上げました。

「子どもはいいの。夫がいちばんの問題児…」

読者から出てきた言葉をキッカケにアンケートを集めたところ、多く聞かれたのが“困った旦那さん”のエピソード。
夫の長男化を改善したいけど、小言オバさんにはなりたくないし、険悪な関係になりたいわけでもない…この問題は、どうすれば解決できるの?
本企画を担当したライター2名が対談し、自身の家庭と重ね合わせたり、取材を通して感じたことを振り返りました。

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佐藤 今回の企画は、「どうしてウチの夫は、こんなに子どもっぽいんだろう…」というところから立ち上がった企画だったよね。

小出 そうそう。ママ友との会話で出た「産んだ覚えのない長男がいちばんの問題児」というフレーズがキッカケ。読者アンケートでも、さまざまなエピソードが出てきて、こういう話題は世の中に多いんだなと思って。

佐藤 アンケートにあった〈服の脱ぎっぱなしの話〉は、ものすごく頷けた。

小出 他にも、自分の趣味に没頭しちゃうと他が見えなくなったり、美味しい食べ物を1人で全部食べちゃったり…。思わず「子どもか!」と言いそうになる話もあった。

佐藤 結婚したり、父親になったり、男性も環境の変化があれば、その都度変わっていくものだと思っていたけど、それは幻想だったのかな?

小出 そう思っちゃうくらい、たくさんのエピソードがあったよね。

佐藤 読者エピソードを含め、妻としての言い分は私たち自身も痛いほど理解できるとして、逆に夫側の意見として「おじフェス」の皆さんのお話を聞けたのはとても興味深かったよね。

小出 そうだね。取材前から分かってはいたけど、いざお会いすると皆さんやっぱりカッコ良かったね!

佐藤 取材中も気さくに答えてくださるし、本当にステキだったね。最初は、そんな4人に「長男化」しているようなエピソードなんてあるのかと思ってたけど、それぞれの意外な一面や、夫婦で仲良く過ごすために意識していることが聞けて、自分を顧みるキッカケにもなった。
直樹さんは、多少だらしない一面のある旦那さんのほうが、夫婦仲は上手くいくんじゃないかと語っていたけど、どう思う?

小出 私は正直、その言葉に救われたような気持ちになった。逆に、もし細かく注意されたり、すべてを完璧にこなす旦那さんだったら…と想像すると、私とは合わないかもしれないと思ったから。

佐藤 私もそう。日々、自分なりに子育てや家事を頑張っている時に、細かくチクチクと言われると、きっとストレスが溜まると思う。
だからと言って、現状のままだと妻の負担は増えるばかりなわけで…放置できない問題だよね。

いま話題の「おじフェス」たち それぞれの夫婦の向き合い方

右から、章太郎さん、TAROさん、久保田裕之さん、直樹さん。撮影/平井敬治

小出 となると、長男化する夫に「もう、イヤ!」と思うことはあっても、上手く付き合っていく方法を見出して行く必要があるね。
でも、仲のいい夫婦でいるための工夫は、妻だけじゃなくて夫にも意識しておいてほしいな。

佐藤 「おじフェス」の皆さんも、それぞれ夫婦間で意識していることがあると言ってたよね。
久保田さんは、妻に子育てを丸投げして1人で遊びに行くような男性の感覚が分からないと言っていた。結婚前には奥様と「夫婦は他人同士が一緒になることであって、妻は母親じゃない」という話をしたことがあるとか。

小出 日頃から「ありがとう」を伝えているそうだけど、そういう認識の擦り合わせがあったからこそ、相手を思いやる関係を築けているんだろうね。ちゃんと2人だけの時間を作っているところも、夫婦仲の良さが伝わってきて〈奥様は幸せだろうなぁ〉と感じたよ。

佐藤 TAROさんはお互い納得がいかないことがあれば、夫婦でしっかりと話し合うと言っていた。そして、まだお子さんが小さいのが章太郎さん。女性は産後、ホルモンバランスが戻るまでに時間がかかるから、育児や家事をこなすだけでいっぱいいっぱいになることもあって…。そういうところを理解して、章太郎さんが奥様に歩み寄っている様子も伝わってきた。

小出 「おじフェス」の皆さんのお話をうかがって思ったのは、お互いを思いやることと、コミュニケーションを取ることはとても大切なことなんだってこと。その2つがしっかりとできていれば、相手の行動を細かく責めたり、関係が悪くなることはないのだと思う。

佐藤 そうだね。そして、どんな夫婦も最初からすべてが順調というわけじゃなく、課題がひとつ持ち上がる度に、夫婦で向き合って乗り越えているんだね。

自分がいない時でも自分のことを考えてくれているかどうか

心理学者・山脇由貴子先生。撮影/古水 良

小出 直樹さんは、出張の時には必ず奥様に、自宅の近所にあるお気に入りのケーキを買って帰るらしい。長い結婚生活を送ってきたなかで、地方のお土産よりも、そのお店のケーキのほうが奥様は喜んでくれると知っているからこそのエピソードだと思うんだけど、やっぱり、そうやって自分の好みを分かってくれているのは、女性として嬉しいよね。

佐藤 そうだね。「良いものだから」とか「地方限定だから」というのじゃなくて、「妻が好きなもの」という基準で選んでくれているところが、高ポイントだよね(笑)。〈ちゃんと自分のことを考えてくれているんだな〉って。

小出 今回は、心理学者の山脇由貴子先生にも取材したけど、同じことをおっしゃっていたね。
女性は「自分がいない時でも自分のことを考えてくれている」と実感できるのが嬉しいことだと。その喜びは、自分が“ママ”ではなく、“女性”になれる瞬間でもあるよね。そういうのって素直に嬉しい。

佐藤 それは、相手への「思いやり」があるからできる行動だよね。
あとは「ありがとう」と「ごめん」が言える夫婦は仲が良いとおっしゃっていたのも頷ける。
その一言があるかないかで、物事の受け取り方も変わるし、そこから態度が変わることもあると思う。たかが一言、されど一言だよ。

小出 言い方って重要だよね。毎日一緒にいるからこそ、それはとても大切。私もちゃんと「ありがとう」を言わなきゃいけないと思った。
山脇先生から「あなたは夫に対しても、子どもに言うような口調で怒ったり、小言を言ってないですか?」と聞かれた時にはドキッとした…。夫婦で過ごしていて〈楽しい〉と感じられる時間がないと関係が壊れちゃう、と釘を刺されたよね。気をつけないと。

佐藤 先生の「女性は結婚に対して“生まれ変わり願望”を持っているけど、男性はそうではない」という言葉がとても印象に残ってる。
私自身も、やっぱり結婚や妊娠など、人生のターニングポイントでは気持ちの面で切り替えがあったから。
対して、夫は独身時代の感覚のままだったり、息子のような振る舞いだと感じるところもあったりして、当時はそれでぶつかったこともあるよ。

小出 私も結婚した時は「奥さんになったんだ!」と張り切って家事をしたり、出産したら「母親として頑張らなきゃ!」と自分に言い聞かせてたことを思い出しちゃった。

佐藤 母親にしてもらってきたことは、これからは妻がやってくれるのが当然と思っている夫がまだまだ多いそう。
でも妻は、自分と同じように、環境の変化とともに「夫も変わってきてくれるはず」と思うから、そのズレにイライラしてしまうんだろうな。

小出 こうして取材を振り返ると、自分は気合い入れて頑張ってきたのに、相手はなんで変わらないのよ! って、それはちょっとこちらの勝手なのかもしれない…。夫たちが可哀想な気もしてきたよ(笑)。

佐藤 山脇先生曰く、子どもが複数いる場合は、特に2人目以降に仲が悪くなる夫婦が多いとか。
1人目の時は何とかなっていたことも、2人目になると回らない。けれど夫は気づかないから、妻も口うるさくなってしまう、と。
妻としては〈この状況を見て、言われなくても気付いて動いてよ!〉と思ってしまうところではあるけれど、やっぱり、妻が上手にハンドルを握ることがカギなのかな…。

小出 そうかもね。夫にやってほしいことがあるなら、丁寧に伝えていく必要があるのは勉強になった。ひとつひとつ分かりやすく伝えるのがポイントだと言ってたよね。責めすぎず、甘やかしすぎず、上手く操縦していこう(笑)。

共通の趣味があれば夫婦関係は持ち直すことができる

取材を担当したライター2名。小出真梨子(右)、佐藤奈保子(左)。

小出 友達と話していた時に、最近は夫婦間での会話が子どものことばかりだということが話題になったの。いずれ子どもが巣立った後は、どんな会話になるのか不安だって。

佐藤 確かに。言われてみると、話題のほとんどは子どものことかも。山脇先生は、この先も長く一緒に過ごすなら、老後も考えて夫婦共通の趣味を見つけたほうがいいと言っていたよね。

小出 うちの夫はキャンプが趣味。だから先生のお話を聞いて「今度キャンプでも行く?」って誘ったら、とても嬉しそうだった。早速「じゃあ、いつにしようか!」なんて言ってて…。そんな姿を見ていると、今まで私自身も夫の喜ぶことをしてあげられていなかったと反省したね。

佐藤 それは旦那さんも嬉しかっただろうね! キャンプは家族みんなで楽しめるからいいよね。そうやって一緒に楽しめるものがあれば、多少相手に対してイライラすることはあっても、趣味を通して気を持ち直すことができそう。同じ趣味かぁ…。うちも何か探してみようかな。

小出 山脇先生は、結婚生活が長くても、ちゃんと話し合うことができれば夫婦の関係性も変えられるとおっしゃってた。お互い、相手の喜ぶことを考えて行動すると、同じだけ自分にも返ってくる。諦めず、コミュニケーションを取ることが大切なんだね。

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STORY本誌10月号(P.220~)「カンベンして! 夫が『わが家の長男化』」のほうもぜひご覧ください。

STORYライター・佐藤奈保子 6歳と1歳の娘を持つ母。長女出産後5年間の専業主婦を経てライターに。だんだん口達者になってきた長女の言動に驚かされながらも、いずれ迎える思春期には、安心して何でも相談できる親子関係を目指した育児を模索中。
STORYライター・小出真梨子 航空会社、海外移住、小学校英語教員を経てライターに。今まで65カ国の世界を訪れ、世界一周中に出会った夫と結婚、8歳と4歳の2人の娘を持つママ。“やりたいことは全部やりたい!”タイプで、最近は美容企画にも挑戦中の2年目ライター。女性としていつまでも綺麗でいられる方法を模索中。
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