気がつくと子どもも成長し、数年後には再び夫婦だけの生活が待っていると思うと、この先ちょっと不安…と思っている人も少なくないと思います。長年連れ添った夫婦がいつまでも仲良くいられる方法ってあるの?今回は、夫婦など身近な人間関係に役立つ話し方の本を数多く執筆している心理カウンセラーの五百田さんに、夫婦が恋愛を続けられるポイントを伺いました。
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教えてくれたのは…
五百田 達成(いおた たつなり)さん
作家、米国 CCE, Inc. 認定 GCDFキャリアカウンセラー。東京大学教養学部卒業後、角川書店・博報堂を経て独立。「コミュニケーション心理」「ことばと伝え方」などをテーマに執筆・講演。『不機嫌な妻 無関心な夫』『10歳までに身につけたい 自分の気持ちを上手に伝える ことばの魔法図鑑』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など著書多数。マンガ原作を担当したドラマ『●●ちゃん』がABCテレビにて放送中。
恋愛を続けている夫婦はここが違う!3つのポイント
①子どもとの関係
子どもがいると、どうしても親としての部分が大きくなってしまいますが、2人でいるときは、「父」「母」ではなく「夫」「妻」でいることを心がけている夫婦は恋愛状態が続いています。また、子どもを常にそばに置こうとするのではなく、自立させようとする夫婦も、「子ども」と「夫婦」の距離を保つことができ、恋愛が長続きしている印象です。
極端な例でもありますが、子どもと川の字で寝ていても、子どもを真ん中にするのではなく、夫婦2人が横並びで寝る…という友人は、ラブラブですね(笑)。
②実家・義実家との関係
自分の親や義実家と密になりすぎると、より「家族」という意識が強くなり、恋愛モードから遠ざかります。距離を適切に取ってあくまでも「夫婦ファースト」にしましょう。義実家とは直接やり取りをせず、担当窓口を夫にしてもらうとスムーズに行きます。自分の親よりも、今のパートナーを大事にする距離感が大切です。
③夫婦同士の呼び方、スキンシップ
ベタな話でもありますが、呼び方は重要です。子どもがいないところでも「父さん」「母さん」「パパ」「ママ」と呼び合っていると、恋愛モードは薄れていきます。名前で呼ばれると、1人の女性として見られている実感も湧きますよね。また、手をつないだりハグをしたりと、フィジカルなふれあいも自然にできているかどうかは、夫婦間の恋愛においても大きなポイントです。
夫婦間に恋愛を“復活”させるには?
①2人で出かけることを「デート」と言う
「パパ」「ママ」ではなく名前で呼び合うことも恋愛復活の“言霊”として有効ですが、一緒に買い物に行ったり、近くのカフェにお茶しに行ったりすることもあえて「デート」と呼んでみてください。夫婦で恋愛なんて気恥ずかしい、という人は恋愛へのハードルが上がっているのかもしれません。たまには子どもをどこかに預けて、二人で食事をするのもオススメですよ。
②記念日を大切にする
恋愛はやはりカタチから入るもの。付き合いたての頃は、きっと記念日を一緒に過ごして気持ちを盛り上がらせていたと思います。今は、記念日だからと必要以上に頑張る必要はありません。例えば2人が付き合い始めた日に一緒にケーキを食べたりするだけでも、2人の会話は増えていくと思います。
③スキンシップをする
生活リズムのズレや疲労などから、スキンシップの機会が減っている夫婦は多いと思います。でも、肌と肌が触れ合うことで、「愛情ホルモン」や「幸せホルモン」などが巡り、心の安定や絆を深める効果があるんです。たまには出かける時に冗談めかして手を繋いでみたり、腕を組んでみたりしてみてはいかがでしょうか。労いを込めて肩をさすったりするだけでも変わってくるはずです。
④距離をとってそれぞれの時間をつくる
いつも一緒にいると、お互いの嫌な部分なども見えてきてストレスも溜まりがち。たまには2~3泊、家をほったらかして、夫との距離を見直すのもおすすめです。例えば子どもを夫に預けて女友達と旅行をすると、家に帰ってから夫にも優しくできませんか?夫婦2人で旅行するのもいいですが、別々で楽しむのもアリです。
ハードルを下げて、夫婦恋愛を楽しもう
老後の長期的な人生を考えると、やはり夫婦は仲がいい方がいい。燃え上がるような破滅的な恋は難しくても、労わったり褒め合ったり、優しい恋愛はできます。恋愛に対するハードルを下げて、子ども達が巣立った後の話を2人でできるのであれば、それだけで立派な夫婦だと思います。ですが、夫婦円満の秘訣はみんな違うし、恋愛のカタチも正解はないんです。
日ごろから「夫婦ファースト」を心がけ、「一緒にいてラク」から、「この人といるとちょっと楽しい」と思えたら素敵ですよね。
取材/沢 亜希子 イラスト/itabamoe