「私たちのCHALLENGE STORY」を担当しているライターの孫 理奈です。先月の7月号のテーマは「“脇役”だから誰よりも輝ける人生がある」。“主役でなくても、誰かを懸命支え応援していくうちにそれが生き甲斐となり、主役の夢を叶えることが自分の夢になる”。そんな方々を取材しました。
身近な人で考えると、“お母さん”はまさにそれ。子どもがいる方ならわかると思いますが、子どもの成長や健康のためを思って料理を作り、子どもの帰宅や塾や習い事のために早く帰って時間を作り、子どもにかかる教育費のために働くなどなど。“脇役になりきって子どものために必死になる”“そんな生き方をしている人がほとんどですよね。
私にはバスケットボール部だった息子がいたので、ミニバスの送迎に始まり、週末に行われる試合の応援――インターハイ、はたまた全国大会に出られたときは秋田や大分まで行きました。夏は汗だく、冬は凍りそうな体育館で応援していても全く嫌じゃなくて楽しい!それは息子達が頑張る姿を間近で見ることができたからです。そしてケガなどで試合に出られず悔しがる息子を見ては自分も苦しく、引退試合を終えたときは同じように泣いて、自分のこれからの生き甲斐をどう見つけたらいいかと思いました。
亡くした三男が入院していたときはずっと一緒に個室で過ごしました。夜に「ママ、おしっこ」と起こされて抱いてトイレに連れて行っても、もうそれが当たり前で、支えて生きていく人生を選んでいたから苦しい、辛いとは思いませんでした。
そして現在、長男は社会人になり家を出て行き、次男は留学中。お世話をする子どもがもう誰もいなくなってしまいました。支える人を失うとこんなにやることが失くなり、時間がたっぷりあるんだなと寂しさを感じています。
先月の母の日、留学中の息子が電話をくれました。「母さんの存在があるから安心できて、俺はこっちで頑張れるんだよ」と会話中に言ってくれるサプライズがあり、ウルウルしてしまいました(涙)。傍で世話ができなくても存在という脇役で、まだまだ活躍できるのかな? またこれからも頑張って楽しく生きなきゃなと思います。