1997年から「石田さんチ」の愛称で親しまれてきたドキュメンタリー番組『7男2女11人の大家族石田さんチ』。リアルな家族ドラマに心を掴まれた人も多いはず。
11月15日(水)よる7時から3時間放送日本テレビ「大家族 石田さんチ〜密着26年! 新たな命も誕生SP〜」を前に「石田さんチ」の大ファンであるライター小出が、前回の千惠子さん取材で載せきれていなかったエピソードをまとめました。そもそもお父ちゃんとお母ちゃんの出会いのきっかけは?大家族のお金のやりくりってどうしていた?etc.
1974 年 美容師資格取得後、美容師として活躍。
1979 年 同級生の晃さんと結婚。
1979 年 11 月長女を出産。
その後、7男 2女のお母ちゃんとして 1997年日本テレビ『大家族の石田さんチ』で紹介され、日本一有名な大家族のお母さんに!
結婚44年のお2人の出会いは?
日本一有名な大家族として人気となったお母さんの千惠子さんとお父さんの晃さん。誕生日がたった5日しか変わらないお2人は専門学校時代の同級生。よく学校の廊下で声をかけたりする仲だったと言います。学園祭のときに晃さんの出番で「晃、いってこーい」と喝を入れたのもお母さんだったとのことで、一緒に学生生活を送っていたお2人だったそう。
「すごい好きだー!愛してる!」と言われたら結婚してなかったかも
お父さんはすごく愛をアピールしてきたわけでもなく、結婚の決め手は次男坊で結婚してくれって言われたから「いいですよ」って結婚したことです(笑)。逆に「すごい好きだー!愛してる!」と言われたら私は結婚してなかったと思います。そして結婚後に「こんなに愛を伝えたのにー」とお父さんに言われかねないから、愛を伝えすぎないことがちょうどよかったんだと思います。
でもね、夫婦喧嘩なんかしたときには「俺はお金持ちのお嬢さまと結婚する予定だったんだ」なんて怒鳴り散らしてましたけどね。男の人って憧れが願望になるから面白いわよね。これがあなたの現実ですって言ってましたよ(笑)。
家事は適当で頑張りすぎなくていいけど、子どもにはとにかく向き合い続けた
最初の子(長女)が産まれた時はお父さんも今と違って優しくて子煩悩でね。私が母乳をあげてたら俺も子どもにあげたいって言い出して服を脱いで自分のおっぱいをあげてみようとして、噛みつかれてましたよ(笑)。
子どもがたくさん産まれて、お父さんは「俺が稼がないと!」っていう責任感が強くなっていって、当時は家にも帰らずがむしゃらに働いてましたね。私がパートで働きに行く提案もしたんですが、そうすると家のことが回らなくなるので、働きに出ることは断念して家のことに専念してました。大家族だから、汚いお洋服なんだって子どもたちが誰かに言われるのは避けたくて、洗濯は1日に何度も回してしてましたね。だから放送でもいつも洗濯物映ってましたよね(笑)。
家事は頑張りすぎず適当でいいと思うんです。ただ、子どもたちのことは私がやってあげないとという気持ちがあったので、とにかく一緒に考えて行動してました。どれだけ忙しくても9人の子どもの習い事の送迎や、学校の進路決め、思春期の子の対応、ひとりひとり考えや想いが違うので、とにかく真っ直ぐ向き合いました。これが子育てというものだったと振り返ると思いますね。私は生まれ変わったら独身でいたいと思うほど、子どもに一所懸命になった人生だと思います…やりきりましたね(笑)。
9人育てていくためのお金のやりくりは正直ギリギリでした
うちはお父さんが働いてきた給料をまず全部見えるように、お父さんの今月分、これは子どもの教育費…って分けて床に置いていくんです。お父さんには10万円は常に入れてあげるようにしていました。あとは子どもの入学金や授業料などいついくら要るのかをカレンダーに全部書いているので、今月分の出費を引き出しに入れておくんです。そして全部振り分けて残った分を家のお金としてやりくりしてましたね。
物を買うかどうかの判断は「それを買わなくても死なないかどうか」が基準。いらないものを買ってしまわないようにいつも自問自答してました。正直お金のやりくりはギリギリでした。でもお金が足りないなんて一回も夫に言ったことはないです。いただいた中でやりくりするだけ、そう思ってやってました。
お父さんにもらった指輪は今でも身に付けていますよ
今ネックレスにしているこの指輪はお父さんがパリで買ってきた結婚指輪で、一応身につけていることで結婚してる印としてしています(笑)。最初のころはどこか出張にいくとお土産だとか言って、ネックレスや指輪や買ってきてたんですよ、最初のころは優しかったからね(笑)。
それがある時から買ってこなくなったんです。振り返るとね、私も必死でやりくりしてたからお金がないからちょうだいとは自分から言えないし、何か買ってきても「これいくらかかったの?」と言いたいけど言えない…そんな時に「次のお土産は何が欲しい?」と言われたら、思わず「現金」と言ってしまってね、そしたらもう何も買ってこなくなったのよね(笑)。
撮影/西あかり 取材・文/小出真梨子