この冬、私たちの舌を愉しませてくれた牡蠣も、いよいよラストスパート。
生、フライだけじゃない料理で食べ納めです。

牡蠣好きの聖地「東京オイスターバー」は、各地の牡蠣を取り揃え、5～8種類の生牡蠣のほか、アヒージョやグラタンなど多彩な牡蠣料理が楽しめます。

牡蠣の名産地、広島の老舗「かなわ」の銀座店では、名物の土手鍋を。塩分濃度が高い牡蠣に合わせた味噌は、やや甘めでコクがあり、牡蠣の美味しさを引き立てます。

浜松市辺りでは鰻の蒲焼きのタレで味付けした浜名湖産の牡蠣を丼にのせた「牡蠣カバ丼」が人気。大ぶりで濃厚な味わいの牡蠣と鰻の旨みが溶け込んだタレとの相性は抜群です。

「パセミヤ」は庶民的な店構えのお好み焼き店ですが、素材は高級店顔負け。フランスの有名ワイン生産者が来日の度に訪れるなど、人気は世界に拡大中。

〈東京分〉撮影／田村浩章 取材・文／伊藤由起 〈浜松分〉撮影・取材・文／永谷正樹 〈大阪分〉撮影／福森クニヒロ 取材・文／寺下光彦 MAP／地図屋もりそん デザイン／鈴木 徹（豊田セツデザイン事務所）

Tokyo
東京オイスターバー 本店

牡蠣の旨みと香りが
ガーリックオイルに
ジワジワ溶け出す

牡蠣のアヒージョ

東京の元祖オイスターバーといえば、こちら。全国、世界の産地から直送される新鮮な牡蠣は、〈生〉〈焼き〉〈蒸し〉 のほか、さまざまなスタイルで楽しめます。「牡蠣のアヒージョ」（￥1,400）は、プリッとした大粒の牡蠣を、サッとオイルで煮たもの。ガーリックバターのコク、唐辛子、パセリの風味も相まって、冷えたワインがグイグイ進みます。

Tokyo
銀座 かなわ

広島・大黒神島沖の
フレッシュな牡蠣と
甘い味噌味が好相性

かきの土手鍋

広島で140年余の歴史を誇る老舗の銀座店。瀬戸内海で最もきれいな海域といわれる大黒神島沖で育つ牡蠣は、清らかかつ濃厚な味わいです。その牡蠣がたっぷり入る名物の土手鍋は、甘めの味噌が、塩分濃度の高い牡蠣に絶妙にマッチ。牡蠣のエキスが溶け出したスープで作る雑炊も格別です。1人前￥3,000。

Hamamatsu
浜菜坊

浜名湖の冬の味覚、
牡蠣と鰻のタレの
美味しい融合

牡蠣カバ丼

「牡蠣カバ丼」￥1,300。浜名湖産の牡蠣は出荷量が少なく、地元でもほとんど流通しなかった幻のブランド食材。大粒で甘みが強いのが特徴です。丼には浜名湖産の海苔や遠州産（時季によっては国産）の玉ネギも。仕上げに白ネギとみかんの皮をプラス。鰻蒲焼きのタレの甘辛さとともに広がる清涼感が後を引きます。提供は3月中旬まで。

Osaka
パセミヤ

プレミアム牡蠣の
澄み切った滋味に
心が震える

サロマ湖カキの焼きそば

力強く甘みがスパークする北海道産有機野菜、木噂熟成ソースなど、徹底した素材へのこだわりで知られるお好み焼き店の冬のキラー・ディッシュです。淡水と海水が混ざる北海道の湖、サロマ湖産の牡蠣は、牡蠣各特有の雑味や苦みが一切ない、目覚ましくクリアな味わい。そのピュアなミネラル感が、麺とからんで生まれる至福、絶対に見逃せません。￥1,680。