年代問わず、幅広い世代に人気のある久本雅美さん(65歳)。今のところ“おひとりさま”ですが、過去には何人かとお付き合いをされていたそうです。いったい久本さんはどんな恋愛をしてきたのでしょうか。また独身として今思うこととは…語っていただきました。
実は私、乙女のような恋愛をしてきたんです(笑)
もともと若い頃から「可愛い」って言われるより「面白い」って言われる方が嬉しいと思う人だったんです。女性だったら可愛いって思われるためにお化粧したり可愛くしますよね、私はどう笑ってもらおうかなって考えていたタイプでした。
20代30代のころ、普通は恋愛が盛んなころですよね。私は恋愛より仕事が第一だったんです。でもその頃にもお付き合いをしてた方はいたんです。若い時は、才能があって憧れる人を好きになっていました。自分もエネルギーとパワーがあって仕事に対して向上心があったので、男性もそういうイケイケ(古い?)の人が良かったんだと思います。でも才能がある人って自分を一番大事にするんですよ(笑)。その人がよっぽど大人な人ではないと、自分の時間を優先に考えちゃって私のことはほったらかしでね…。私はそれが寂しくて「なんで私の時間をとってくれないの?」ってなっちゃったりして(笑)。乙女のような恋愛をしてきたんで、結果うまくいかなかったんですよね。それに私自身「もっと面白くなりたい!」っていう思いが強くて、仕事と恋愛を両立するのが難しかったです。
今65歳だけど、50代の頭くらいから彼氏いないんですよね。もう10年程いない(笑)。ドラマ見てキュンってして自分の時間を楽しむっていうので十分幸せになってしまってるんですよ。何年も1人で生きてきて同棲もしたことがないので、今誰か良い方ができて一緒に住むことになって家に誰かがいる状況になったら、私は耐えられるのかなって思っちゃいます…そこはまだ未知の世界なんですよね。
どうでもいい会話ができる相手がいたらなと思うんです
辛い時は彼氏が欲しいって思わないんですけど、楽しいときや嬉しい時にこそ一緒に喜べる人がいてほしいなって思うんです。例えば髪型を変えたときとか、だーれも気づいてくれなくて…。そういうとき「誰かいたらな」と思いますね。あとは、どうでもいい会話をしたいです(笑)。「聞いて聞いて、今日こんなのあってさ…」「このドラマがさ~」って私が言ってて「そんなのどうでもいいわ!」とか言いながらね(笑)。
でも60歳をすぎると、寂しくて会えなくてドキドキしたり恋愛はもう面倒だし、恋愛をするんじゃなくて最後一緒にいられるパートナー探しですよね。いまの男性に求める条件は、①ノンストレス②穏やか③首が座っていればいい、この3つです(笑)。一緒にいてノンストレスで過ごせる人っていちばん難しい条件だと思うんですよね。疲れたなっていう感覚を分かってくれて一緒に暮らしてストレスを感じない人。もうこの年になると、同年代は嫌で年下がいいの(笑)。わがままだけど介護してもらいたいし、見た目も若い方が元気でるじゃない?若いっていっても20代や30代だと話が合わなくて疲れちゃうから、40代50代がいいかなぁ。贅沢なこというな!って感じですよね(笑)。でも人生にちょっとしたスパイスはほしいんですよー!
マッチングアプリでの出会いも気になっているんです。周りの人が結構それで出会っていて、実際に結婚してたりしてるんですよ。アプリでも自分に合う人ってやっぱりいるんだねって思って元気がでますね。まだまだ私も諦めてないからね、いろんな人の出会いを聞いてそういうのをたくさんストックして夢見てますよ(笑)
独身だからこそこれからに期待しています
過去に一度だけお見合いに行ったことがあるんです。私に母は結婚してほしかったらしく…お見合い写真を何枚も送ってきてね。会うだけでいいからどうしてもって言うので一回だけと思って行ってあげたんです。「結婚なんて絶対しないから!嫌われるようなことをしてやるから!」と、反抗的に挑んだお見合いでは、あえて変な行動をして、先方から断られるようにって考えていたんです…。例えば、食事のときは「おばちゃん!とりあえず冷えたビールあるかー!?」って言って、ビールを「ぷは〜」って飲んだりして、絶対嫌がるようなおやじキャラを出したりして(笑)。そしたら「竹を割ったような気持ちのいい性格だから、ぜひお願いします」と逆に好意を持たれてしまって。結局お断りしたんですけど、もしあの時にご縁があったらどうなっていたのかなとも振り返って思いますよ。でもかっこいいことを言いますけど、タイミングではなかったんですよね(笑)。
既婚者の方はもうお相手が決まっているでしょ?それはそれですごく幸せなことで羨ましい!でも私たち独身チームはまだ決まっていない…だからそこを嘆くのではなくて、これからに希望がある!って思うようにしてるんです。すべて考え方次第だと思っていて、考え方一つで物事って変わって見えてきますよね。薔薇の花ひとつみても「綺麗な薔薇の花なのになんで棘があるんだろう」ってマイナスに思う人もいれば「こんなトゲトゲなのになんて綺麗な花が咲くんだろう」ってプラスに思える人もいますよね。それと同じで何事も楽しむ努力をしていくことって生きていくうえですごく大切なことのように思うんです。私自身もできるだけ気をつけているんですよ。
撮影/平井敬治 ヘア・メーク/梅原麻衣子 スタイリスト/前田みのる 取材・文/小出真梨子