大人になってわかる味があります。筍もそのひとつ。
嚙みしめると、そのほろ苦く甘い香りに春の訪れを感じます。
筍、鮑、鮎など、フレンチでは珍しい食材を昔から積極的に取り入れてきた「ギンザ トトキ」の十時亨シェフ。今年の筍のバリエーションも楽しみです。
四川のスパイスや、発酵食品を駆使した料理が美味しい「梅香」。女性シェフらしい繊細さと、食材に対する誠実さを感じるお店です。
「オステリア ヒヅメ」は、イタリアでの修業時代に店のグランマザーから教わった手打ちパスタが名物。旬の食材を使った具材とソース、モチモチ食感の生パスタとの一体感が絶妙です。
大阪・京町堀の割烹「京町堀 莉玖」では、幽庵地に浸してほっくりと焼いた筍に、山菜を添える趣向。まさに春の山の美味・オールスターのような贅沢さに、心が弾みます。
〈東京分〉撮影/田村浩章 取材・文/伊藤由起 〈名古屋分〉撮影・取材・文/永谷正樹
〈大阪分〉撮影/前田博史 取材・文/寺下光彦
MAP/地図屋もりそん デザイン/豊田セツデザイン事務所
Tokyo
ギンザ トトキ
これからどんどん甘みが
増していく新筍に
藁の香りをまとわせて
春の香気を放つ新筍を、藁と岩塩を混ぜ合わせたペーストで包み、蒸し焼きに。さらに炭火で炙り、コンソメベースのソースを添えています。バニラにも似た藁の香りが、新筍の繊細な風味を引き立て、実に贅沢な味わい。¥4,300(または¥10,000、¥13,000のコースの一品として)
ギンザ トトキ
東京都中央区銀座5-5-13
坂口ビル7F
☎03-5568-3511
(営)11:30~13:30、18:00~21:00(ともにL.O.)
(休)月曜(祝日の場合は営業、翌火曜休。ほか月1回の不定休あり)
東京都中央区銀座5-5-13 坂口ビル7F
Tokyo
梅香(メイシャン)
四川の漬け物「芽菜(ヤーツァイ)」の
熟成した旨みが
筍の芳しさを引き立てる
筍は、まず油通しすることで適度にアクを抜き、コリコリとした絶妙な歯応えに。芽菜と、肉味噌を合わせてザッザッとあおり、何とも香ばしい一品が完成します。ほろ苦さを含んだ筍の旨み、芽菜の熟成した旨み、肉の旨みのバランスも、お見事!¥1,300
梅香(メイシャン)
東京都新宿区横寺町37-39
中嶋第一ビル1F
☎03-3260-2658
(営)12:00~13:30、17:30~21:00、
土日祝~20:30(すべてL.O.)
(休)月曜、第2火曜、火曜ランチ
東京都新宿区横寺町37-39 中嶋第一ビル1F
Nagoya
オステリア ヒヅメ
ボイル、フリット、
ピューレと、筍
が堪能できる一皿
地元愛知県三河産の朝採り筍がたっぷり入る「生ハムと竹の子のタリオリーニ ゴルゴンゾーラ風味 竹の子のフリット添え」¥1,650。生ハムの塩けとゴルゴンゾーラの風味が筍の味を引き立てます。筍はボイルとフリットのほか、ピューレも加えてクリーミーな口当たりに。
オステリア ヒヅメ
名古屋市中区栄4-9-10
愛信プラザビル1F
☎052-242-3636
(営)12:00~13:30L.O.
(日祝は~14:00L.O.)、 18:00~21:30L.O.
(日祝は~20:30L.O.)
(休)木曜
名古屋市中区栄4-9-10 愛信プラザビル1F
Osaka
京町堀 莉玖(りきゅう)
筍と山菜。
響き合う、
春の山の香りに感動
心斎橋の神話的割烹出身の山口吏さんが昨年独立した正統割烹です。筍料理は仕上げにウルイ、タラの芽など6種の山菜のお浸しと、フキノトウの薄揚げをのせる手間をかけた逸品。山城など名産地の筍の気品ある甘みと山菜の香りで、嚙むごとに口の中に春風が吹き抜けます。¥1,800。おまかせは夜¥5,000~。
京町堀 莉玖(りきゅう)
大阪市西区京町堀1-7-12
☎06-6450-8301
(営)12:00~13:30(L.O.)、
17:00~22:30(L.O.)
(休)月曜 ※昼は要前日予約
大阪市西区京町堀1-7-12