登録者数27万人(2023年12月現在)のYouTube「LiaLico Channel」を運営する美穂さん。イギリス人の夫と結婚し、6人の子どもを育てる様子を、日々公開しています。50代を迎えた現在も末っ子で双子のりあとりこはまだ11歳で、バルセロナで絶賛子育て中。国際結婚をした夫婦の、子育てについて伺います。
我が家には長男・ともや25歳、次男・じゅん23歳、三男・かい18歳、四男・かづ17歳、双子のりあとりこ11歳の6人の子どもがいます。長男次男と三男四男、双子の間が少し離れているので、5歳くらいになってようやく手が離れたと思うと、また子育てで忙しくなる日々でした。でも上の子たちが手伝って助けてくれたことも、多くあって助かりましたね。
文化の違いで戸惑った「いつまでも女性でいて欲しい」夫の心
国際結婚による文化の違いは、子育てにも影響しました。日本人は子どもができると夫婦ってパパとママになると思うのですが、イギリスはそうではないんです。夫婦はいつまでたっても夫と妻で、夫は妻には母ではなく女性でいてほしい。寝室も子どもといっしょではなく、夫婦の寝室と子どもの寝室はいつまでも別なんです。
でも私としては子育てしていると大変でそれどころではなく、その考え方を理解するのが最初は難しかったですね。完全に母になってましたから。そのため以前はよく喧嘩もしていました。でも文化の違いを変えることって無理だから、自分は簡単に変われなくても、相手を理解しようと。相手は変わらないけれど、それを受け入れるようにしたら、夫婦も子育てもうまくやっていけるようになりました。結婚26年でやっとね。理解する、受け入れることは遅すぎるということはないです。
夫も私も、少しずつ「相手を受け入れる」ことで良い関係へ
そうは言ってもお互いすべてをそのまま受け入れたわけではなく、変わるところは変わったと思います。例えば夫は日本語や日本の文化を子どもに学ばせることは、理解してくれました。英語圏の国で日本語を学ぶのは非常に難しいので、我が家の子どもたちは小学校は日本人小学校へ通わせると決めました。英語は後からでも学びやすいのですが、日本語を後から学ぶのは大変なんですよ。
ただりあとりこは小さい頃、夫が単身赴任をしていたので、家で日本語が飛び交うという環境に。そのためりあとりこは英語はあまり話せない時期があり、夫と会話ができないということで小学校をイギリスの学校に入れました。
子どもの味方になる=信用することなんです
私の子育てに影響を与えたのは母です。私の母は中学校の先生だったのですが、不良のいる地域によく赴任していました。母はたくさんの不良たちを改心させていて、その秘訣を聞くと“信用してあげること”と。不良は優しく繊細な子が多く、家庭内で起きたトラブルなどが人一倍精神的なストレスとなり反抗してしまうとのことでそこを理解し話を聞いてあげることで優しさを取り戻すんだそうです。
大切なのはそういう子たちのことをとにかく信用して、話を聞いてあげること。理解して味方になってあげれば、悪いことに走らずに反対に勉強も頑張ると言っていました。母は悪いことをすれば怒っていましたが私の話もよく聞いてくれて、いつも「やれば絶対できるけん(広島弁)」と。私たち子供の味方になってくれて、信頼して育ててくれたと思います。
だから私も自分の子育てでは、子どもを信頼することを大切にしてきました。もちろん忙しくてつい怒鳴ってしまうこともありますが、そういうときは「怒鳴らないほうがいいよ」と逆に子どもに言われることもありますがそういう時は親でも「ごめんね、ちょっとイライラしてた」とちゃんと謝ります。
この先、子どもに家族ができても、ずっとみんなで集まれるような仲良し家族で入れればいいなと思います。
写真/みほさん 取材/酒井明子