「冬のソナタ」が大ヒットし、初めて日本で韓流ブームが訪れてから早20年、今は第4次韓流ブームと言われています。ドラマや映画、KーPOPなどのエンターテイメント以外にも、コスメ、ファッション、美容、料理など、今や日本人の生活になくてはならないものになっています。
元々韓国は「近くて遠い国」と呼ばれ、日本人にはあまりなじみがなかった頃に韓国へ渡り、芸能活動を始めた笛木優子さん。第1回目は、どのようにして韓国行きを決めたのか、韓国での活動などをお聞きしました。
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★ 日韓の交流があまりなかった時代でしたが、不安はありませんでした
★ ドラマや映画の現場は、日韓で全然違いました
★ 顔は似ていても、性格は全然違う
★ 「郷にいれば郷に従え」
韓国が好きすぎて、21歳の時に単身で韓国へ
とにかく韓国の映画や音楽、ドラマが好きだったんです。当時はまだ第1次韓流ブームの前で、自分の周りに韓国にハマっている人なんていなくて、「なんで韓国なの?」と不思議がられていました。
その当時私が日本で所属していた芸能事務所に「S.E.S(エス イー エス)」という韓国の女性アイドルがいたことで、韓国が身近になり、新大久保で韓国ドラマのビデオやK-POPのCDを買ったり、韓国料理を食べたりと、完全にハマっていました。そのうち、「自分も韓国の映画に出てみたい」と思うようになり、両親には「3ヶ月韓国で語学の勉強をする」と伝えて21歳の時に渡韓。語学学校に通いながら韓国の芸能事務所に所属し、オーディションを受けたら幸いすぐにドラマ出演が決まりました。そこから気づけば4年間駆け抜けるように韓国で活動をしました。
日韓の交流があまりなかった時代でしたが、不安はありませんでした
私が21歳と若かったのもあり、「韓国が好き」という気持ちだけで飛び込んだので、あまり不安はありませんでした。私が韓国に行った時は、韓国で活躍している日本人がほとんどいなかった時代。対応してくれる事務所も少なかったし、事務所に入ってからも最初は分からないことだらけたっだんですが、日本人のライバルがいなかったのはラッキーでした。周りの韓国人は、それまで日本人と直接話したことがなかった方も多く、韓国のことを好きだと言っている日本人がいて嬉しかったみたいです。仕事中も、皆さん私を快く受け入れてくれ良くしてくださり、嫌な思いなども特にありませんでした。韓国で初めていただいたお仕事は、言葉が喋れない外国人の役だったのですが、そこで沢山の韓国人に知っていただけて、仕事のオファーも次々いただけるようになりました。
ドラマや映画の現場は、日韓で全然違いました
日本でほとんど芸能活動をしないまま韓国へ行ったので、はじめは「こういうものか」と思っていたのですが、実際日本と韓国の現場は全然違いました。ドラマでは、前回の放送後に視聴者の意見を聞いてから、大幅に内容を変更することもザラで、撮影する日になってもまだ台本が上がって来ず、台本待ちをすることもありました。いつも直前に必死になってセリフを覚え、まさに「火事場の馬鹿力」状態でした(笑)。本当にできるの? って思っていても、なんとかなっていたので不思議ですね。
また、韓国は食事を大切にする文化があり、収録中どんなに忙しい時でも、みんながちゃんと食事をする時間が確保されていたんです。しかも、ロケ弁などではなく、食堂に行って温かいご飯を食べるのが基本。毎回しっかり食事できたのは良かったのですが、こんなに食事に時間を割かなければ、もうちょっと収録がスムーズに終わるのになぁと思ったりもしました。
これはもう20年以上前の話で、最近の韓国エンタメ業界はほぼ日本と変わらず、環境も随分良くなったと聞いています。台本も事前にちゃんと出るみたいです(笑)。
顔は似ていても、性格は全然違う
韓国人は日本人と顔も似ているから、つい同じ感覚で接してしまっていたのですが、性格は本当に違うんです。
まず、全体的に韓国人は時間に自由なところがあって、遅刻は当たり前だし、ドタキャンもよくありました。最初はその度にイライラしていたのですが、そのうち、遅刻やドタキャンも想定内になっていて、ドタキャンになったら何をしようかなと考える余裕もできました(笑)。
また、韓国人はなんでもはっきりと言う人が多く、日本人だと直接本人に言わないようなことも言ってきたりします。例えば、私も知り合いから真顔で「その服似合ってないよね」と言われたことがあって、今まで他人からそんなことを言われたことがなかったので、結構傷つきました。でも、裏表がない分、自分も本音でぶつかることができて、だんだん韓国人と話すのが楽になっていきました。
あとは、韓国人はとにかく写真が大好き。ドラマでもよく見ると思いますが、家の中にはものすごく大きい家族写真が飾られていたり、自分だけの写真を飾っています。スマホが普及し始めてからは、どこに行ってもみんな自撮りをするんです。みんな自分が大好きで、スマホの待受画面も自分の写真にしている人が多いです。韓国には「남는 건 사진밖에 없다(残るのは写真しかない)」という言葉があり、記憶を写真で残す文化があります。その分、セルフプロデュースがとても上手いなと感じます。
「郷にいれば郷に従え」
韓国では何人かで食事に行っても「割り勘」という文化がなく、年配者や立場が上の人がおごることが多いんです。私もそのことは知っていたのですが、韓国に行って間もない頃、仕事中に1人でコンビニに行くことが何回かあり、ある時マネージャーから「ユミンはなんでコンビニに行ってもいつも自分の分しか買ってこないの?」と怒られたんです。日本では個々が買いたいものを買うことが普通なので、怒られたことに驚きと「日本で普通なことが、韓国では普通じゃない」ことに気付かされました。韓国では、1人で買い物に行った時も、自分以外の人のためにも何か買ってくるのが普通だったんです。それを知った時、今まで何も買ってこなかった自分が恥ずかしくなりました。「郷にいれば郷に従え」という言葉があるように、今までのやり方が正解なわけではなく、やはりその土地に合ったやり方を見て学ぶのが大切だなと感じました。
衣装協力:シャツ¥55,000(オーバーコート/大丸製作所3)パンツ¥19,800(ローラス/ジャック・オブ・オール・トレーズ プレスルーム)ピアス[片耳販売]各¥105,600ネックレス¥1,112,100ブレスレット¥214,280リング(人差し指)¥569,800~(中指)¥264,000(すべてシハラ/シハラ トウキョウ)サンダル¥129,800(セルジオ ロッシ/セルジオ ロッシ カスタマーサービス)
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撮影/古水良(cheek one)ヘア・メイク/榎田茉季(ROI)スタイリスト/山本有紀 取材/沢亜希子