家で被災したことを想定して防災グッズなどを準備しているけれど、もし家以外で家族がバラバラなときに被災したら…。「それぞれがきちんと安全に行動できるかしら」と心配になることもあるはず。そこで今回は、家族がバラバラな時間帯に災害が起きたときはどういう行動を取り、どういうことに注意したらいいのかを学びましょう!
★ もし…!家族とお互いに安否確認ができていなくて、自宅が倒壊していたら・・・
★ 外出時は、もし自分が帰宅困難者になったら... というのを想像して準備を!
教えてもらったのは・・・
家族がバラバラなときに被災したら、大事になってくるのが「安否確認」と「集合」
災害時にもし大切な家族と連絡が取れない/会えない時間が続いたら不安ですよね。帰宅困難者などのニュースを見るたびに不安な気持ちになる人も多いでしょう。家族がバラバラなときに被災したら大事になってくるのは「安否確認」と「集合」です。
安否確認の取り方を事前に決めておきましょう
第一前提として、スマホの電源を切らさないことが大切です。スマホはいまや大切なライフラインです。普段からモバイルバッテリーは持つようにしましょう。家族の安否確認はいつも連絡をとっているLINEなどのSNSで行うと決めておくのがオススメです。災害時は通常よりパニックになりやすいので、いつも使っているものが安心です。また、たとえばLINEのアイコン横の一言欄に「無事です」と入れておくと、家族以外の人とも安否確認し合えるので良いでしょう。
電話で安否確認をするという方法もありますが、皆さんが一斉に電話を使用することで回線が混雑し、つながりにくい状態になることも予想されます。このような事態では、いくら電話をかけてもつながらず、さらに不安は募る一方。それに、携帯電話の貴重なバッテリーを無駄に消費してしまうことにもなりかねません。そして最大の弊害は、消防や救急への緊急連絡を必要とする人の妨げになることです。安否確認や家族との連絡で使えるようにしておくと心強いのが災害用伝言ダイヤル(171)です。日ごろから使えるように練習しておくことも備えの一つとして大事です。毎月1日、15日は練習できるようになっていますので、ぜひ家族でかけてみましょう。
とりあえず「自宅集合」を決めておく
人はどうしても自宅がある方向へ帰ろうという意識が働くもの。中間地点の行き慣れないところを集合場所として決めるより、慣れ親しんだ場所に帰るほうが難易度は 下がるので、基本は「自宅集合」がオススメです。ただ、自宅が倒壊している場合もあるので、次はここに集合という場所も設定しておく方がいいでしょう。自宅の次の候補としては、子どもや家族全員が共通で知っている場所であれば、公民館、学校、近所の誰かの家など全てOKです。被災する場所や時間帯などによって、どこに行くかは変わってきますので、自宅以外ならここにいる可能性があるという場所を、なるべく多く家族が共有し、優先順位も決めておくことが大事。それだけで、どこにいるか検討もつかないということが避けられます。会えない時間が長くなればなる程、子ども大人も不安になります。両親の職場が遠いなどで、被災後すぐに会えない可能性が高いご家庭であれば、確実に子どもが安心していられる避難先を設定しておきましょう。
もし…!家族とお互いに安否確認ができていなくて、自宅が倒壊していたら・・・
もし家族と連絡がつかないときは、一人ぼっちにならず、お友達の家や、親戚の家、ご近所さん…など、信頼のできる大人のいる場所が安心です。もし自宅に居られない場合は、そこに助けを求めるように伝えておきましょう。そして大切なのは、その相手のお宅も被災するわけですから、いざという時に助け合えるように、普段から連携をとっておくことです。
外出時は、もし自分が帰宅困難者になったら... というのを想像して準備を!
外出先で、災害などにあったらどうしよう?…ふと、そんなことを考えることってないですか?地震だけでなく、豪雨による川の決壊、交通機関の麻痺などで家に帰れない可能性も。そんな時、「0次の備え」としてオススメしたいのが、いつも携帯している「ポーチ」に災害時に役立つアイテムを忍ばせておくこと。ポーチならお財布と同様、バッグを替えてもいつも自分と一緒に移動する物だから「家に置いてきちゃった!」ということも少なく安心なのです。
防災を意識して備えることは大事ですが、あれもこれもと気負ってしまわなくても大丈夫。自分がもし、帰宅困難者になり、駅などで動けない状態 になってしまったら、何があれば最低限生きられそうかを考えてみてください。
撮影/草間智博、イラスト/村澤綾香、取材/笹 利恵子