世界屈指の文化都市・京都を舞台に開催される、日本でも数少ない国際的な写真祭「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭」が今年も開幕。2013年スタート時からこの写真祭に参加し、展覧会を巡回してきたシャネル・ネクサス・ホールは、20周年を迎える今年、KYOTOGRAPHIEと新たな取り組みを展開。
KYOTOGRAPHIEの注目展として、今年のシャネル・ネクサス・ホールでは、飛躍的な躍進を続けながら、これまで紹介される機会が少なかったアジアにおける新しい表現にフォーカス。シャネルのグローバル・アドバイザーでユーレンス現代美術センター(UCCA)のディレクター、フィリップ ティナリをキュレーターに迎え、上海で結成されたソン タオ(宋涛/1979年生)とジ ウェイユィ(季炜煜/1980年生)の2人によるアートユニット、「Birdhead(バードヘッド/鳥頭)」を紹介します。
上海の都市変容を記録したクロニクルで一躍注目を集めた「バードヘッド」は、中国の経済と社会が世界に門戸を開こうとしていた時期に注目を集めたアートユニット。20年にも及ぶ活動を通して、自分たちを取り巻く世界に声を上げ、称賛し、また批評するために写真の技術的・ナラティブ的限界に挑戦し続け、様々な展示空間や環境の中で「バードヘッド ワールド」を実現してきました。
近年は、KYOTOGRAPHIE 2024のテーマにも共鳴する、写真というメディウムの「源」、とりわけ光と時間の関係に立ち返って創作。今回の展覧会でも伝統的な写真技法やその実践の限界を試すことで、表現と抽象の微妙なバランスを追求しています。
KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭は、個性あふれる会場も見どころのひとつ。「バードヘッド」初の京都での展覧会となる本展は、280年の歴史をもつ帯問屋・誉田屋源兵衛の建築的特徴や歴史的背景を活かした2部構成。
明治期から大正期にかけて建てられた“竹院の間”では、彼らの代名詞ともいえる作品で、 昨年京都と東京で撮影された124点のイメージからなる「Matrix」の新作を展示。入念に組み合わされた写真画像を木材に直接シルクスクリーン印刷し、特殊なラッカー技術で定着させた「Bigger Photo」シリーズの最近の作品5点も展示されます。
現代建築が融合する“黒蔵”では、写真の神秘的な力を崇める空想の宗教「Phototheism」 という彼らの冷笑的な概念を提示。
今年の本展では、写真界のみならず、中国、ひいては世界の現代アートに存在感を放ってきた「バードヘッド」の独特な世界をぜひ堪能してください。
展覧会名:Welcome to Birdhead World Again, Kyoto 2024
会期:2024年4月13日(土)〜5月12日(日)
開館時間:10:00〜18:00(最終入場17:30)
休館:4月18日(木)、4月25日(木) 、5月2日(木) 、5月9日(木)
料金:入場無料
会場: 誉田屋源兵衛 竹院の間、黒蔵
京都府京都市中京区室町通三条下ル西側
主催:シャネル・ネクサス・ホール