「私たちのCHALLENGE STORY」を担当しているライターの上原亜希子です。8月号では「#MeTooが女と日本の未来を変える」というタイトル。私は一般社団法人痴漢抑止活動センターの代表理事を務めている松永弥生さんを取材させていただきました。
2015年から開催されている「痴漢抑止バッジデザインコンテスト」。今年も8月から募集が始まりました。昨年度は全国42都道府県+ニューヨーク、ソウルから237校もの学生の参加があったそう。「このプロジェクトは17歳の少女の切実な思いから誕生しました。電車内痴漢犯罪の被害者は15~19歳が49.7%、20代が36.8%を占めるというデータが警視庁から発表されています。被害者の大半は学生なのです。当コンテストを学生を対象としているのは、被害当事者に近い視点と感性で社会の課題である痴漢被害を抑止するデザインを考案してほしいという思いからなのです」と松永さんは語ります。コンテスト開始以来、多くのバッジが誕生してきました。ここでバッジをひとつ、デザイナーの思いと併せてご紹介します。
「このバッジを見て、女子高生も強い心を持っている、熊のように強いとわかれば痴漢犯罪者も思い留まると考え作成しました。このバッジを見て痴漢することを思い留まり、痴漢犯罪が減り、痴漢という言葉が聞きなれないような社会になってくれればいいと思います」。
8月号「私たちのCHALLENGE STORY」に記事が掲載された後、松永さんからこんなメッセージが……。「記事が出た後、公式サイトにオーダーが続きました。読者の方がご購入くださったのだと思います。ファッション誌で性犯罪に関する記事をあのように大きく取り上げていただくのは異例のことで、他団体の方々も驚いていました。今回は企画に取り上げていただき本当に有難うございました」。こんな言葉をいただくと涙が出るほど嬉しいです!
今年のコンテストでは、OsakaMetro日本橋管区駅の協力もあり、当初の予定より拡大し、170枚のポスターが大阪の日本橋駅となんば駅に9月10日まで掲示されています。学生たちがデザインした“バッジ”が電車内痴漢犯罪を撲滅する! そんな日がきっと来ることを心から願っています。