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話題作!映画『ラストマイル』の魅力とは? 監督&脚本家が教える「アンナチュラル」「MIU404」ファンが見逃せない秘密も!

ドラマ好きの間では「今最も間違いないコンビ」と言われる監督・塚原あゆ子さん&脚本家・野木亜紀子さんがタッグを組んだ映画『ラストマイル』が8月23日に全国公開予定。TBSドラマ「アンナチュラル」「MIU404」の世界線と交差するノンストップサスペンスエンタテインメントを作り上げた、アネフォー世代の〝最高のバディ〟な2人が語る映画の魅力とは? 本誌に載せきれなかった、こぼれ話も盛りだくさんでお届けします!

左・塚原あゆ子さん:ジレ¥62,700(エッフェ ビームス/ビームス ハウス 丸の内) Tシャツ¥9,680(スローン/デミルクス ビームス 新宿) ホワイトパンツ¥23,980(Nave/ネイヴ) その他/本人私物  手前右・野木亜紀子さん:シャツワンピース¥22,000(バナナ・リパブリック) シアーカーディガン¥26,400(アンスリード/アンスリード青山店)

監督・塚原あゆ子さん&脚本家・野木亜紀子さんprofile 塚原あゆ子さん
1998年より主にTBS系のドラマを演出・監督。代表作としてドラマ「Nのために」「アンナチュラル」「MIU404」「最愛」など多数。映画『グランメゾン・パリ』も今冬公開予定。

野木亜紀子さん
ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ(海野つなみ原作)」「アンナチュラル」「MIU404」などが次々大ヒットした今信頼度No.1の脚本家。他にギャラクシー賞大賞作「フェンス」など。
【INDEX】 『ラストマイル』は、見れば見るほど発見があって楽しい映画
お互いの作品は結構厳しい目で見ちゃうことも・・・。半分嫉妬かも(笑)
女だから、女性同士だから。作品作りでは、そんな枠決めはもう無意味かも
映画『ラストマイル』は8月23日(金)全国東宝系にて公開予定!

『ラストマイル』は、見れば見るほど発見があって楽しい映画

野木さん(以下、敬称略) 『ラストマイル』はもともと映画を一緒に作りたいよね、というのが出発点ですよね。でも漠然と映画作りたい、じゃ企画が通らないので、「アンナチュラル」「MIU404」の続きの世界なら通る可能性があるかも、ということで、複数の作品の世界線が交差する“シェアード・ユニバース”となりました。

塚原さん(以下、敬称略) “シェアード・ユニバース”って、あんまり知らなかったよね。

野木 “ユニバース”はMCUでもお馴染みだけど、“シェアード”は私も初めて聞いたかも。そんな流れで、映画を作るならどういう話がいい?と塚原さんに聞いたら「宅配荷物が爆発する話は?」と言われて。面白そうだねと、そのワンアイデアで書きました。

——広大な物流センターや爆破シーン。映像化困難?な脚本をリアルに再現

塚原 舞台になっている物流センターは、色々な倉庫を組み合わせてその世界を作ったよね。

野木 ほんと、出来上がりを見たらすごかった。

塚原 実現できるのは、スタッフが優秀なんです。

野木 長くやってきたスタッフたちですもんね。

塚原 ドラマ「アンナチュラル」「MIU404」を作ったチームが今回『ラストマイル』も作ってるからね。それこそ、同窓会みたいな感じでした。

野木 自分の休みの日に、お手伝いに来た人もいっぱいいたらしいね。

塚原 「とにかく参加したい感」みたいな思いで参加してくれました。

野木 お祭りだね。作中にもドラマにゲストで出てくれた俳優さんがほんのちょっとだけ出ていたりするし。

塚原 そう、“隠れキャラ”もいるんですよ。1回観ただけでは気づかないようなキャラが・・・。

野木 何度か観ると発見があって楽しいかも。でも、ドラマを観てなくても大丈夫です。

塚原 さらにドラマを観てたら、もっと楽しめるとは思う。

お互いの作品は結構厳しい目で見ちゃうことも・・・。半分嫉妬かも(笑)

塚原 脚本家は“ゼロイチ”を生み出す人だから、本当に大変!アイデアが出てこない時はどうしてるの?

野木 一旦寝ます。人間寝ないと何も思いつかない(笑)。若い時はできた気もするけど、今はもう無理。塚原さんの打開策とか対処法は?

塚原 特にはないかなあ。私は何も突き詰めて考えることなく、毎日が過ぎていっているだけだから。

野木 でも、ずっとダッシュしてるみたいな感じですよね?

塚原 私は脚本に書いてあることを毎日粛々と撮るだけよ。

野木 今回の映画『ラストマイル』も、書きながら「これ、どうやって撮るのかな」と思っていたんです。塚原さんが「とりあえず書いてみて」と言うから、とりあえず書きたいものを詰め込んだ。そしたらなんだかんだと撮ってくれちゃう(笑)。

塚原 野木さんの脚本を映像化するのは、いつも楽しいんですよ。

野木 本当に? 嬉しい! 私は書いたことを具現化する塚原さんの手腕にいつも驚きながら、出来上がりをワクワクして待ってます。今回、塚原さんから聞いてなるほどなーって思ったのが「物語は4日間のお話だけど、撮影はもっと長い。そのぶん役者さんはどんどん演技に入り込んで作り込みすぎちゃうから、やりすぎにならないところで止める」っておっしゃっていて、演出論として面白いなあと。

塚原 実はね、私、野木さんが書いたものを違う方が撮られた作品とかちょっと嫉妬します(笑)。「これは私の方がもっと良かったはず!」と思ったり、「私はこんなふうには撮れなかったな」とちょっと凹んだり。

野木 えっ、そうなんですか?

塚原 私が違う脚本家の台本で撮った作品についての、野木さんの感想はけっこう厳しめですよね。

野木 褒めてる時もたくさんあるでしょ!(笑)だけど確かに、「あそこはもうちょっと何とかならなかったの?」とか、ついオタク的に言っちゃうことはある。あんまり言われると人間って悲しくなるものだから、言いすぎないように気をつけよう。

塚原 いや、これからも遠慮なく言ってください。

女だから、女性同士だから。作品作りでは、そんな枠決めはもう無意味かも

塚原 映画を作るに至るまでは、2016年にドラマ「重版出来!(松田奈緒子原作)」でご一緒したのが最初で、そこから2本のドラマで組ませていただいて。

野木 特に「アンナチュラル」で、お互いにがっつり、たくさん話をしましたよね。話をしていく中で、好みとか近いなって。

塚原 感性が似ていたというか、嫌いなものが似ていて。

野木 そうそう。例えば、女から見たら「これ普通にイヤな男じゃない?」みたいな話で。そういう感覚がすんなり共有できたのは大きかったかもしれない。

塚原 そうかも。あと、女性ならではの感性云々を仕事で求められたりするとなんだかね、みたいな感覚とか。私たち、恋バナなんてものはしないしね。

野木 しないですね。ただ、女子の温度感を説明しなくても伝わる安心感は女性同士ならではかもしれない。女性同士の温度感みたいなものが、ベタベタしすぎないけど、離れすぎもしない、というような。

塚原 なんか、制作の過程で「女子的にはどうなの?」って回答を求められることもあって、そこは出せない人だから逆にしょんぼりしちゃう。「そこ、性別言う?」ってこともありますし。女性とか男性とか言われるカテゴリーが理解できるほどそんなに経験してないよな、と思って自分が残念になっちゃう。でもそのうち、そういうこともなくなるよ、って思ってる。

野木 いろんな作品があって良いから、女が作ろうが男が作ろうが、誰だって何だって、色々あって良いんじゃない?って思いますね。

映画『ラストマイル』は8月23日(金)全国東宝系にて公開予定!

©️2024 映画『ラストマイル』製作委員会

映画『ラストマイル』
配送された荷物に爆弾が紛れ込んでいたら? ドラマ「アンナチュラル」「MIU404」の世界線と交差する極上サスペンス映画には満島ひかり×岡田将生という豪華メインキャストに加え、ディーン・フジオカ、火野正平、阿部サダヲ、そして石原さとみ、綾野剛、星野源も!

撮影/西崎博哉(MOUSTACHE)ヘア・メーク/コンイルミ、久保フユミ(ROI)スタイリスト/乾千恵 取材・文/柏崎恵理

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