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上原さくらさん(47)うつの経験を伝えたい「誰にも抱えているものはある。私もみんなも同じ」

〝うつ〟を発症して引き起こされる不安や恐怖を伴う様々な症状。しかし、どんな症状よりも苦しいのは「理解されない」こと。正しく理解されていない実情に対し、苦しみの体験をもって、病いに関する知識や意識を高めたい。そう願う女性たちが、自身のSTORYを語ります。

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上原さくらさん 47歳・東京都在住
タレント

誰にも抱えているものはある。私もそう
みんなも同じだよって伝えたい

歌手として’94 年にデビュー後、華やかな容姿と飾らないキャラでバラエティ、ドラマなどでも広く活躍した上原さん。でも、その姿とは裏腹に、落ち込みやすい性格で、激務と睡眠不足が重なったこともあり、メンタルの不調を感じ始めたのは、23歳ごろのことでした。

「現場で涙が止まらなくなったり、朝起きると体が鉛のように重く、何もかも嫌だという気持ちが払拭できなかったり。心療内科にかかっていましたが、当時のタレントですから、ひた隠しにしていて、誰にも相談できませんでした」。

30代になると、うつが悪化し、精神病棟に8カ月入院したことも。「退院後は仕事を休んでいましたが、1年ほどたち、自分は何をしたかったのかと考えたときに、思い出したのが高校時代に通学の電車で見かけた、東海大学の学生さんたちの楽しそうな姿でした。私も東海大の学生になりたいと思ったんです」。

そこから準備を始め、受験勉強をして、大学に合格したのが37歳のとき。「大学生活は本当に楽しかった。自分で学費を出したので、子どものころとは真剣みも違いますよね」。

それでも、体調を崩し、通学できないこともあったのだそう。「そんなときに、カナダ人の先生が『海外では、カウンセラーは美容院に行くぐらい身近なものだから、受けてみては?』と勧めてくれたんです」。それが自分にはとても合っていたという上原さん。

「1年間くらいかけて、認知行動療法を学びました。自分がどんな状態になると、うつ状態に陥りやすくなるのかを理解し、事前に回避する方法です。例えば、お風呂に入る気力がなくなるのが私のひとつのサイン。3日続いたら、カウンセリングを受けるとか、病院に行くとかして早めに対処するようになりました」。

そうして、大学を無事卒業し、20年に一般男性と再婚。今は、一児の母として、SNSやブログの発信などを中心に芸能活動を再開しています。

「輝いている人、幸せそうな人を見ると、うらやましい、どうしてそうなれないのか、と思った時期もありました。でも、人間は、幸せ成分だけで構成されるようにはできていない。辛さを抱える人に、みんなそうだよと伝えられたらいいなと思いますね」。

片頭痛持ちでもあり、更年期で悪化。昨年は救急車で運ばれて入院しました。「特効薬のエムガルディが効いて、劇的によくなりました」

<編集後記>ご自身の体験をシェアしたいと、夢を語ってくれました 気さくで明るいお人柄でしたが、うつだけでなく片頭痛もひどく入院するほどだったそう。「誰にでも効くわけではないけれど」と前置きし、ご自身によかった新薬「エムガルディ」も紹介してくださいました。「いつか片頭痛や、更年期、うつなど不調がある方と集まって、情報交換できるイベントをするのが夢です」と。叶いますように!(ライター 秋元恵美)

撮影/BOCO 取材/秋元恵美 ※情報は2024年7月号掲載時のものです。

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