11月号「富士山登頂への“旅”」MAKING OF

Editor's Private

Voyager40　四十路女子の富士山への道＜前篇＞

STORY11月号P.50掲載の、モデル稲沢朋子さんが富士山登頂を果たした企画、
その道のりは長く険しい珍道中でした。その舞台裏を記録しておきたいと筆を取りました。
四十路で富士登山を考えている方の参考になればと思います。

３月某日
編集長「君にしかできない企画がある！」
編集R「!?」
聞けば我らがSTORY表紙モデル稲沢朋子さん（以下、イナトモさん）が
富士山に登りたいと言ってるから一緒に行ってページにして、と……。
えええ、富士山ですか。気が進むような進まないような……。
ライターTを道連れに企画がスタートしました。

7月某日
富士登山決行日まであとひと月ちょっと。ライターTに登山ガイド会社の手配をお願いし、
それが完了して早数か月が経過。さすがにそろそろ準備しないと……。
四十路女子３人、連れ立って登山用品専門店MAMMUTへ。

“エア登山”ではしゃぐ四十路女子たち。
当時のLINEには、
イナトモさん「ワクワクしてきたよ。楽しもう」「私はもう登頂した気分よ」
という絵文字＆スタンプ満載のやり取りが。
この後、待ち受ける試練など知る由もなく……。

８月某日
さすがにぶっつけ本番で富士山はないだろうということで、三ツ峠に練習登山へ。

MAMMUTの若いイケメンスタッフお２人＆美人PRさまが連れて行ってくれました～。
何とありがたい……。早朝出発、しかも車まで出していただくなんて……。
この後も登山のプロフェッショナルのこの３人に、私たちは鬱陶しいほどすがりつくことになるのでした。

ちょうどお昼くらいに山頂に到着。
イケメンUさん「あっちが富士山ですね」
残念ながら濃い霧で景色はなーんにも見えず。富士山行きのテンションがアガらない……。
空腹のあまり無心におむすびやサンドウィッチを頬張る四十路女子に、
イケメン２人はさっとお湯を沸かし、あたたかいおみおつけを出してくれたり、
美味しい浅漬けを出してくれたり。
食後はカットフルーツにコーヒーを淹れてくれるという至れり尽くせりぶり！！！
四十路女子一同「山男は絶対モテる！！！」

登りはベラベラと舌も滑らかだった四十路女子、下山が始まると口数がだんだん減り……。
イケメンＭさんの趣味に倣い、きのこ探しに血眼になっていた私は
さほど疲れを感じなかったのですが、四十路女子約２名は
「何で下山してるのに、また登り坂なの!?」
とキレる始末。いやいや、山ってそんなもんでしょ。

挙句の果てに、イナトモさんはステッキを両脚の間に突き始め、
ライターＴはまるで舟を漕ぐかのようなステッキ使い。
そこで私は下から猛然と追い上げ、
編集R「ラストスパートぉぉぉーーー！！！歩けーーー！！！」
牧羊犬が老いた羊を追い立てるように喝を入れたのでした。
※下山後に聞けば、美人PRさんは「本気でゴールが危うい、どうしよう！」と心中、気が気でなかったとのことです。

17時半くらいに無事下山。
その後、温泉に浸かり、熱々の山梨名物ほうとうで胃袋を満たし、
ビールを飲んで（あ、ワインもでした。お酒が好きなのに運転するために飲めなかった
イケメンＵさん、本当にごめんなさい！）、一路東京へ。
この日のインスタグラムに、
「つ…つかれた＿｜￣｜〇。『すいません、おんぶして下さい』って心で何度も叫びました」
と書いたライターT。
私たちは本当に無事、富士山の頂上に立つことができるのか――。

[今日の結びのカード]
Seeker