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Lifestyle「更年期」のクスリ

女優・櫻井淳子さん「更年期は誰にでも訪れるから、当たり前と受け入れました」

年齢を重ねるごとに大切になってくるのが人との関わりと話す、女優・櫻井淳子さん。良好な人間関係があってこそ自身の体調管理ができ、体も心も不安定な更年期を乗り越えられるのかもしれません。

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櫻井淳子さん PROFILE 1973年1月5日、埼玉県生まれ。1991年にドラマデビュー。1998年から2003年まで放送されたドラマ「ショムニ」で一躍人気女優に。その後もドラマや映画・舞台で幅広く活躍中。最近ではドラマ「肝臓を奪われた妻」(日本テレビ系)での好演が話題に。2025年春に公開の映画「春の香り」に出演予定。
目次 ★ 家族や友達と悩みをシェア。そんな環境があれば更年期も気が楽に
★ 更年期は誰にも訪れる
★ 娘からSOSをきっかけに


家族や友達と悩みをシェア。そんな環境があれば更年期も気が楽に

ホットフラッシュ症状(*1)を感じたのは40代後半でした。時間や場所、シチュエーションに関係なく、全身がカーッと熱くなり、汗が止まらなくなる時がありました。でも、基本は汗っかきだし、50歳近くなると更年期に入って、いろんな不調があらわれてくるものだと思っていたので、あまり気にしていませんでしたね。冷え症状も感じてはいましたが、もともと指先や足先などが冷たい末端冷え性だったので特に対策はしませんでした。

母にも更年期の時期がありましたし、周りにいる同世代のママ友たちも体調の変化を感じつつも、それを受け入れていたので「誰もが通る道だもの」「みんなも特別な対策取ってないみたいだからいいかなあ」とのんびり構えていました(笑)。気づくとだんだん症状はおさまって、50代に入ってからは、ホットフラッシュの症状もなくなってきています。

【*1・ホットフラッシュ】 女性ホルモンの急激な減少によって自律神経が乱れ、血管調整機能障害が起こります。それに伴って一時的に顔の火照りやのぼせ、頻繁に大量の汗をかいたりすることも。気になるようなら一度婦人科でホルモンチェックを。

更年期は誰にも訪れる

— 今年51歳を迎えられた櫻井淳子さんはドラマ「ショムニ」や「おみやさん」シリーズで活躍。確かな演技力とキュートな美貌で、数多くの映像作品や舞台に出演していらっしゃいます。そんな櫻井さんが、40代後半で感じた不調をこじらせずに済んだ理由は?

誰にでもあることだから、受け入れる。それがいちばんの緩和剤だと思っています。毎年、健康診断は欠かさず受けていますが、婦人科でホルモン検査などは行っていません。「あらがわず、受け入れる」、ただそれだけを心がけています。更年期は45歳くらいから55歳くらいまでの時期。閉経前後の10年間ほどはホルモンバランスが不安定になるから、心身に不調を感じやすくなる。でもそれは女性なら誰でも通る道で、時が経てば過ぎてしまうもの。

もちろん、ホットフラッシュ以外に、少しイライラすることも増えました。そんな時は主人や娘に助けられました。家族とはなんでも話し合います。たとえばちょっとしたことで主人と喧嘩になってイライラしている時も「私は今、イラッとしてるのよ」と正直に言って発散します。「昨夜はあなたの寝言がうるさくて眠れなかったわ」というようなレベルですが、小さなストレスでも言葉にして伝えます。受け手側の気分はあまりよくないかもしれませんが。「私くらいの年代は体調の変化とかいろいろあるのよ」と言っても家族はなんとなく受け流してくれています(笑)。

でも、それはお互い様で、更年期症状が出る男性もいるから主人もいつそうならないとも限らないし、思春期の娘だって同じ。誰がどんな時に、どんな心身の不調を抱えるか分かりません。何かあったら、みんなが遠慮なく打ち明けられるような、風通しのいいコミュニケーションを普段からとっていけるように努力しているつもり。

それは友人関係も同様で、娘が赤ちゃんの頃からお付き合いさせていただいているママ友、幼稚園時代、小学校で一緒だったママ友など、娘の成長とともにママ友も増えていきました。皆さん、とても愛情豊かでポジティブ、アクティブな方ばかり。お互いに子育てで行き詰まった時は悩みを相談しあって、その都度乗り越えてきました。何家族も一緒に旅行に行ったりもしますし、ダイビングのインストラクターをしているママ友がいたので、子育てで一時中断していたスキューバダイビングを復活させたり。子どもが大きくなって、自分たちがおばあちゃんになっても、一緒に出かけられるような仲でいようね、と話し合っています。

そんな友人関係が私の心の安定剤。更年期特有の不調は、どんなサプリより、治療より、誰かに話を聞いてもらい、悩みをシェアすることがいちばんの解決策じゃないかなと思います。

娘からSOSをきっかけに

— 「誰かに話すと気が楽になる。それがもっとも気持ちのモヤモヤや体調不良に効く」と話す櫻井さんですが、仲良しでオープンな家族関係も、実は以前はまったく意思疎通が図れてなかったギクシャク時代があったそう。

今でこそ家族3人、ずっとリビングで過ごしていて、娘には「たまには自分の部屋に戻ったら?」と言うほどですが、こんなふうに仲良くなれたのは、実は小学生の時に娘からSOSが発せられたのがキッカケ。それまでの私は、子どものためだからと思って、娘には厳しく接していました。小学校受験のための勉強や習い事などにも熱心でしたが、それらは全部、親のつとめだと信じていました。

今でも覚えているのは、小学校受験を控えた前日のこと。幼稚園の帰りに娘が公園に行きたいと言ったんです。私は内心、公園で怪我でもしたら困るなと思いつつ、ストレスを溜めるのも良くない、明日頑張ってもらうためには息抜きも必要かなという考えから、渋々公園に寄ることにしました。でも「滑り台で遊びたい」と言った娘に対して「明日お受験なのに」「滑り台? ブランコ? 怪我するからやめなさい」と全面禁止。

しゅんとしている娘を見た他のお母さんから「これ、子どもは楽しくないよ。もう帰ろうよ」という声が聞こえてきましたが、私は受験のことで頭がいっぱいで、子どもの気持ちなんて考えられない状態。なんとか受験はクリアして小学校に入りましたが、小学校高学年の時に娘から、いろんなことが負担だという気持ちを打ち明けられました。

そこまで娘を追い詰めていたのかと反省した私は、主人と共に親子関係を見直すことに。あれから数年。今では娘とガールズグループのライブやイベントに行ったり、スイーツ巡りのデートをしたりするような関係に。ここまで来る道のりは平坦ではなく、夫婦でもいろいろ話し合いましたし、悩みも尽きませんでしたが、葛藤した分だけ、親として少しは視野が広くなった気がします。今は私がガミガミと言っても仕方ないと思い、娘のことを多少は放っておいて待てるようになりました。

— 30代半ばで出産すれば、更年期が子どもの思春期に重なることもあるはず。自分も子どもも不安定なホルモンバランスに翻弄され、人知れず苦しんだり、お互いを傷つけることもあるかもしれません。それでも心を開いて気持ちを理解するように努力できれば、櫻井さんが言うように「それが自分自身の成長に繫がることもあるかもしれない」のです。

体にいいことなんてほぼしていなくて(笑)、ルーティンといえばお風呂上がりのストレッチくらいで、逆に家族からやめた方がいいと言われる「夕飯後にお菓子を食べちゃう」のが習慣。

ですが、ストレスを感じることならやらない方がいいし、やりたいことを無理にやめなくていい、と思っています。これからも言いたいことは溜め込まずに、ちっちゃなことで家族と喧嘩しながら、何かあったらママ友に話してデトックスして、風通しのいい心持ちで過ごしていけたら、きっといい50代が過ごせる気がします。

テレビで観た「青い海の伝説」からハマった、韓国ドラマの没入感に今も夢中。 恋愛もの、硬派な社会もの、サスペンス、ホラーまでジャンル問わず観ています。

撮影/田頭拓人 へア・メーク/佐藤トモコ スタイリスト/斎藤真喜子 取材/柏崎恵理 撮影協力/リストランテ アクアパッツァ ※情報は2024年8月号掲載時のものです。

〈TOP写真〉トップス¥36,300ワークワイドパンツ¥39,600(ともにグレースコンチネンタル/グレースコンチネンタル 代官山本店)ネックレス〈ローズクォーツ〉¥88,000ピアス〈ローズクォーツ〉¥110,000ブレスレット〈イエローゴールド〉¥93,500(すべてマリハ)サンダル¥22,000(GAIMO/ダニュウ)〈末尾写真〉ワンピース¥41,800(VERMEIL par iéna)ピアス〈ムーンストーン〉¥159,500(マリハ)

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