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時任三郎さん、映画「グッドモーニングショー」を語る!

「あんまり貪欲じゃないんです。今の自分を役の中で自然に表現できればと思って」
今回『グッドモーニングショー』では、バリバリのワイドショーのプロデューサー役。劇中では黒髪だった髪は、そんな言葉を象徴するようにナチュラルなグレー。188cmのスラリとした肢体とシルバーグレーの髪にスタイリッシュなスーツが映える。

「ワイドショーは、普段でもよく見るんです。ちょっとした家事をしながら。そう、料理もしますよ。妻が肉類を食べないので、シーフード餃子を作ったり。それはすこぶる家族に評判がいい(笑)」
そして、今回映画の中で時任さんの同期、ワイドショーの看板キャスターとして登場するのが、旧知の仲の中井貴一さん。私達世代が仰ぎ見た「ふぞろいの林檎たち」コンビだ。

「18年ぶりの共演と言われて、えっ、そんなに? と。自分自身は、ブランクを感じず、まるで同級生に会ったかのようにスッと演じられたから。実際の人間関係って案外画面の中に出てしまうものだけれど、そういった意味で今回の僕たちの役はピッタリだったと思う。やっぱり、若い時に同じ作品で過ごした濃厚な時間は大きいから。それにしても、あいつはキャスター役にピッタリだね。頭が良くて機転も利くし、リアルに明日からワイドショーの席に座っていてもおかしくない(笑)」

現在58歳、順風満帆に年齢を重ねているように見える時任さんですが、40代に入った頃、奥様の体調不良もあり、3人目のお子さんができたのを機に家族でニュージーランドへ。男としては一番脂の乗った時期、仕事を休み4年間を家族の時間に。
「貴一にも、サボっていると仕事がなくなるぞ、と言われましたね(笑)。でも、自分はこういう生き方しかできない、寄り道してもいいやと思ったんです。それに、その頃仕事に対しても自信を喪失していたところがあって……。ちょっと離れたほうがいいな、と」

そして、帰国——。再び役者としての仕事と向き合った後は、不思議と父親役のオファーが多かったといいます。
「それまでは、父親役なんて全くなかったんですよ。でも、子供達とじっくり過ごした時間が自分の中に蓄積されているから、演じる中でそれが頭によぎる。少しでもそんな気持ちが観る人に伝わればいいな、と。
さあ、今度は、オジイちゃん役に切り替えるためにもう一回休まないと(笑)」

ときとうさぶろう
1958年2月4日東京生まれ。1980年舞台『HAIR』で俳優デビュー。1983年「ふぞろいの林檎たち」で注目を集める。1984年映画『海燕ジョー』で日本アカデミー賞優秀主演男優賞を受賞。ニュージーランドより帰国後は「Dr.コトー診療所」シリーズや、映画『海猿』シリーズなど精力的に活動。

グッドモーニングショー

監督:君塚良一
出演: 中井貴一、長澤まさみ、
時任三郎ほか
TOHOシネマズ六本木ヒルズ、
新宿ピカデリーほか全国公開中

「踊る大捜査線」の君塚良一氏が、監督・脚本を手掛けた、朝のワイドショーを舞台にする映画。中井貴一氏演じるメインキャスターが陥る災難だらけの一日を追った物語。「概して報道よりワイドショーが下と見られていたりと、番組の裏を知ることができるのが面白い。それに、テレビのことを映画で客観的に描いているのが、君塚監督らしいよね」と時任さん。
©2016 フジテレビジョン 東宝

STORY11月号「Catch a Culture Wave!」より転載

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