「SMAP×SMAP」などの数々のヒット番組を手がけ、放送作家として32年間第一線で活躍をされながら、今年3月末で引退をした鈴木おさむさん(52歳)。今年1月から放送された大人気ドラマ「離婚しない男ーサレ夫と悪嫁の騙し愛ー」の脚本や、先日Netflixで配信がスタートした現在人気ランキング1位のドラマ「極悪女王」の企画・脚本・プロデュースも手がけていて、放送作家を引退をされた今でも話題沸騰中です。
現在はベンチャーファンドを立ち上げ、若者を支援する活動に取り組み、新たなスタートを切った鈴木おさむさん。
今回は、50代になった鈴木さんが振り返る、40代にとって大切なことを伺いました。(第3回/全3回)
1972年生まれ。19歳で放送作家デビューし、多数の人気番組・企画・構成・演出を手がける。そのほか、エッセイ・小説の執筆、映画・ドラマの脚本や舞台の作・演出などさまざまなジャンルで活躍し、2024年3月に放送作家業に終止符を打った。現在は、TO C向けファンド「スタートアップファクトリー」を立ち上げ、その代表を務める。
2002年に「交際期間0日」で森三中の大島美幸さんとの結婚が話題に。現在小学校4年生の息子さん笑福(えふ)君と3人暮らし。
人脈は資産
僕は、人の縁を増やしたおかげで、50代になった今、周りからも応援されているなと感じるんです。ひとつひとつ、偶然の出会いの積み重ねでご縁は広がっていきます。例えば、僕がたまたま入ったバーで仲良くなった方が着物のデザイナーで、その方がきっかけで結婚10年目で初めての披露宴をすることができたし、その方が作った着物も着ることができました。また、ある番組の収録後、疲れていて早く家に帰りたかったけど、知り合いの編集者がわざわざ会いにきてくれたのでご飯を食べにいくことにしたら、その編集者が面白い社長を連れてきてくれて、また新たな繋がりをつくってくれました。もしあのとき僕が誘いを断っていたら、ご縁は広がっていなかったし、人生はそういうことの連続だと思います。せっかく会いにきてくれたという気持ちと、何か変わるかもしれないという気持ちで本当に人生って変わって来ます。
一番の資産はやっぱり人脈。人脈を資産価値にするデータベースがあったらいいのにと本気で思っているんですよ(笑)。
転機は50代。そのために40代をどう生きるかが大切
人生のうちで、一番の転機って50代だと思うんです。僕の周りでも、50代で離婚する人も多いし、子育てしていた女性も子どもの手が離れて、これからのことをいろいろ考える時期で、次のステップを踏む方も多いです。40代をどう生きるかによって50代は決まってくるので、40代は子育てに追われたりと忙しいかもしれないけど、趣味を見つけたり、資格を取ったり、いろんな人に会ったりと、できることをやってみるのがいいと思います。とにかく自分の中の武器を増やしていくこと。40代のときの努力が50代で必ず活きてきます。時間がない時でも、ちょっとづつお金を貯めるとかでもいいと思います。時間がないことを理由にしないで、1日1時間でもできることをやってみる。資格を取ることで人生が変わるかもしれないですよ。
とにかく自分が生き生きとしていたい
放送作家を辞めると決めてからは、きちんとやることをやって終わらそうと思って、本を3冊出し、ドラマもつくり、配信でも記録だそうと思ってやれるものをやり切ったから全く後悔はありません。
また、48歳の時に企画が通ったのが、先月からNetflixで配信がスタートした『極悪王女』。おかげさまでとても好評です。僕はこの作品で北米1位を取りたいと思っています。そして、今新しいことにチャレンジしているので、そこで結果を出すことがこれからの目標です。自分で会社を起こし、自分の人生を賭けて働く若者たちが、目を輝かせながら話をする姿に僕もいつも刺激をもらっています。
まずは、自分が生き生きしていること。楽しそうに生きること。楽しそうに見えることが大事だなって思います。友人から『おさむさんがやってることは道なき道を進んでること』と言われたんです。今まで番組を作るときも前例がないことやってきたけど、やっぱり前例がないことができるのって幸せだなと思います。自分の背中が輝いていることが大事で、輝くためには全力でやることが大事。人ってサボるから(笑)。もちろん疲れも出るけど、興味あることをやることでこれからも生き生きとしていたいなって思います。
撮影/沼尾翔平 取材/沢亜希子