編集Iの「A Fragrant Life」*私の好きな香り*5
好きな香りのアーカイブ5回目は、パルファムソムリエールの診断を受けて選んでもらった香りです。香水をまったく嗅ぐことなく、「お休みの日は何をしていますか?」「好きなファッションスタイルは何ですか?」「旅行で行きたい場所はどこですか?」など、かなり多くの質問を受けました。自分の中では好きなものに整合性があるから、自身に対する質疑応答による「へえー」という驚きはなかったのですが、同行していたライターさんの答えを同時に聞いて、“あ、こんな方だったんだ”という新鮮な発見がありました。きっと彼女も私の答えを聞いてそう感じていたと思います。その時ライターさんのために選ばれた香りが、私が持っている彼女のイメージと違っていて、しかもそれを彼女がとても気に入っていたのも興味深かったですね。
その時、私に選ばれたのはクリードのオードパルファム アクア アジアン グリーンティーです。王室御用達の歴史あるブランドの中の一つ、クリードは1760年ロンドンに創設され、1854年にパリに移転しました。私はそれまでまったくクリードというブランドに目がいきませんでした。あまりの歴史の長さやボトルのビジュアルなどクラシックな印象が強かったからです。でも、この香りには斬新でありながら軽さだけではない独特の魅力があり、とても気に入っています。調香師オリビエ・クリードによって作られ2014年に発売されたこのフレグランスは、トップ・ミドル・ラストノートと単純に3つに分けられず、ベルガモット、ミカン、レモン→ヴァイオレット、ローズ、ブラックカラント、グリーンティー→アンバー、サンダルウッド→ムスク、というように香りがいくつにも重なっていくようです。お茶のフレグランスはトップのシトラスが早めに消えていくものも多いのですが、アジアン グリーンティーは最初の爽やかさもそのまま残って香ります。そして、その持続具合がですね、朝つけて夜まで持つというすばらしさ。シトラス ウォーターの香調で、ここまで長続きするフレグランスはそうないと思います。
フレグランスはそれこそ星の数ほどあり、新しい香りに挑戦しようにも何を選んだらわからない、という時には、こんなシステムもお勧めです。今まで知らなかった香水に出合うことができます。
*編集Iの「A Fragrant Life」
ビューティ担当25年の間に出合った好きな香りと、毎日を「香しくする楽しみ(主に韓国話など)」をご紹介します。