仲直りをしたと思ったら、舌の根の乾かぬうちにまたどちらかが喧嘩の原因を作る……。 夫婦喧嘩は負のスパイラルに入ったらエンドレス。そんな夫婦が一体どうやって対話していったのかでしょうか?
薫里奈さん(仮名)/41歳
’77年兵庫県生まれ。京都の大学を卒業後、 損害保険会社に入社。30歳で円満退社し結婚。 35歳で長女、38歳で長男をもうける。真面目でやると 決めたことはとことんやりぬく性格。 香里奈似のスタイル抜群の美女。
夫
’67年兵庫県生まれ。大学卒業後は 大手電機メーカーに技術職で就職。38歳で転職、40歳で再転職。現在はIT企業に勤務し、単身赴任中。優しくて思いやりがあり、誰からも信頼される人柄。
第3話 妻はうつ状態と診断され、夫は2か月で退職するも⁉
軽いうつ状態と診断されました
夫から、離婚より、精神の受診を勧められ、認めたくなかったけど受診すると、軽いうつ状態。しばらく抗うつ剤を飲みました。夫は家族関係が悪くなるなら本意じゃないと2カ月で退職。しばらく無職でしたが、私はほっとしたんで すよね。夫の仕事探しを見ていると、夫に頼ってばかりいてはだめだな、私も家計を助けなければいけないけど、余裕もないしと漫然と考えるようになってうじうじしていたときに、夫から「子育ての世界から抜け出して、自分の世界を作れ」と言われたんです。この一言が胸に突き刺さり、はっとしました。私はずっと育児の世界でおろおろしていた。自分の世界って何だろうって考え始めたんです。会社員時代の仕事も中途半端 に終わっていたし、アロマコーデ ィネーターなどの資格も取ったけ ど生かせないまま。そう思うと、一度は自分の人生悔いのないことをやり遂げようと意欲が湧いてきました。
新しい一歩と私の問題
会社勤めはまた魂を吸い取られそうでしんどい。そう思うと……しばらく私から笑顔が消えていました。何か楽しめることをしたい。笑顔で楽しんでいる私を見ているほうが夫も子供たちも幸せだろうとやっと気づいたのです。そんな強い思いを胸に起業コーチに指示を仰ぎ、起業における実務的なコーチングを受けることで、昔から大好きだったファッションの仕事をしようと決意。同じような悩みを持つ女性のファッションやメークのコンサルティング をはじめました。これがほんとに楽しくてやりがいのある仕事と今なっているんです。だから現在、夫は単身赴任中でほぼ1人子育てで以前より忙しいけど充実している。あー私の問題だったとつくづく思いました。
変わったのは私でした
夫は今も昔も変わっていません。私が変わったんです。誰からも言われてないのに、家事も子育ても完璧にやらなきゃいけないと人で走って独り相撲状態。今はようやく取っ払いましたけど、もともとガチガチで真面目だった私。あのままでは自爆して、本当の夫に気づかないまま、きっと離婚していたことでしょう。頑張らなくていい、楽しく生きることが夫婦再生に繫がりました。
単身赴任の夫が帰ってきたときは、あえて子供の話をしないようにしています。そうすると、どうしても母の部分が大きくなってしまうから。紆余曲折を経てわかったことは、夫婦である以上、男と女でいたいということ。そう意識することが夫婦円満の秘訣なんです。
終わり