奈良と聞いて、皆さんは何を思い浮かべますか?多くの国宝や世界遺産が存在し、京都にも負けない歴史と文化を誇る奈良。とはいえ、「京都には行くけれど、奈良は修学旅行以来…」という方も意外と多いのではないでしょうか。
実は私もその一人。高校2年生の修学旅行で奈良を訪れましたが、当時は歴史にあまり興味がなく、法隆寺や東大寺を巡る時間よりも、友人とお土産店でわいわい過ごす方が楽しかった記憶があります。歴史の授業で聞きかじった知識で見る奈良は、正座の我慢比べのほうが印象的だったほどです…。
ところが、40代になって再び訪れた奈良は、まるで別世界でした。感性が変わった今だからこそ、古都の情緒や文化遺産の美しさに心が動かされます。京都のような華やかさはないものの、静かでゆったりとした時間が流れ、自然と文化が溶け合う奈良は、大人にこそふさわしい癒しの旅先。「大人の修学旅行」という言葉がぴったりです。
最近ではインバウンド需要も京都に次いで奈良に波及し、外資系の高級ホテルが初進出するなど、新たな観光地として注目を集めています。「日帰りで立ち寄る奈良」ではなく、「奈良を拠点に旅を楽しむ」──そんな過ごし方が広がりを見せているのです。
奈良を訪れる理由は、ただの観光では物足りない。心を満たす景色、そして“特別”を感じられる空間が欲しい。そんな大人の女性にぴったりなホテル「ノボテル奈良」が、2024年9月に開業したとのことで、早速行ってみることに。
ノボテルは、日本ではまだ知名度が高くないかもしれませんが、フランス発のホテルブランドで、海外ではよく見かける存在。スタイリッシュでありながら、気取らず過ごせる快適さが魅力です。奈良の歴史や文化を味わう旅に、洗練されたホテルでの滞在を加えることで、より特別な時間を過ごせるはず。奈良の街を歩きながら、古都の風情と現代的な心地よさが絶妙に調和する、今回はそんな旅を楽しみに出発しました。
和モダンの贅沢。扉を開けた瞬間に圧倒されるこだわりの内装
館内は、奈良の伝統と現代の洗練が見事に融合した空間。照明は「行燈(あんどん)」をモチーフにした柔らかな光で、東大寺の大仏殿を思わせる柱が佇みます。特に目を引くのは、館内の至るところで目にする「七宝柄」。これは豊かさや幸福を象徴するデザインで、訪れる人に心地よい気を運んでくれるような感じがします。
自分らしい旅を叶える14タイプの客室で、心地よく過ごす
ホテルで贅沢な時間を過ごしたい人は、ぜひエグゼクティブフロアを指定して!
若草山、吉野山を一望。心を奪われる「ルーフトップテラス」
自転車で巡る、奈良の特別な過ごし方
ホテルからは興福寺や奈良公園などの名所が徒歩圏内にあり、気軽に観光できるのがノボテル奈良の魅力です。今回はお天気も良かったので、初めてレンタルサイクルで回ってみました。市内至る所にサイクルスポットがあるので、停める場所も困りません。タクシーやバスで渋滞を気にしながら動くよりも、奈良の穏やかな風を感じながら自転車で走るのも気持ちの良いものです。歴史観光はもちろんですが、その合間にぜひ立ち寄って欲しいオススメスポットをご紹介します。
創業地に佇む奈良の老舗「中川政七商店 奈良本店」で大人の買い物時間
築130年の町家でお茶時間。「茶論(さろん)」で味わう静寂のひととき
旧興福寺子院を改装した茶寮 「世世」で、四季を愛でながらホッと一息
奈良の味をたっぷり堪能。「トラットリア・ポンテ 奈良」で贅沢ディナー
旅の疲れは大浴場でゆっくり癒したい
観光はたくさん歩いて疲れます。ノボテル奈良は、お部屋のお風呂もゆったりサイズではありますが、「大浴場」もあるので疲れた体を大きなお風呂でゆっくりほぐすことができます。湯上がりには、無料のマッサージチェアもあるのでさらにリラックスできる至福のひととき。
混雑を避け、朝の清々しい時間帯に観光をするのも◎
公式HP:https://www.novotelnara.com/
取材/笹 利恵子