結婚していれば、いつかは必ず訪れる夫側の家族の死。「縁起でもない」と思うかもしれませんが、いざその時がきたら、嫁として何をすべきか把握していますか? 誰も教えてくれない、誰にも聞けない……ならばSTORYが。大事な時に家族を支えるために、こっそりしっかり読んでみてください。備えあれば憂いなしです。
教えてくれたのは… 一般社団法人終活カウンセラー協会代表理事 武藤頼胡さん
終活カウンセラーの生みの親。『終活』という考えを普及すべく、メディアへの掲載も多数。8月に初の著書となる「元気なうちから始める!こじらせない『死に支度』」(主婦と生活社)を出版。
第3回 嫁は少しでも冷静に。仕切り役ではなく、あくまで補助役をしっかりと
◯葬儀社は慌てて決めなくてもよい。 家族が悲しみに暮れているようなら嫁が電話を
7割強の方が病院で亡くなります。亡くなったら家族はまず、葬儀社を呼んでご自宅、またはどこかほかの場所にご遺体を運ばなければいけません。多くの方は病院から教えてもらった葬儀社に電話をかけていると思いますが、葬儀社は指定ではありませんので、どこでもいいのです。昔はスマホもなく、その場で何社か調べて検討することは難しかったですし、調べるといっても電話帳しかないので上から順番にかけるしかありませんでした。でも、今はネットでさっと調べて電話をかけることができます。夜に亡くなった場合、大きな病院では翌日の朝か昼くらいまで待ってくれるところがほとんど。何も決まっていなければ【2~3カ所に電話をかけ、だいたいの希望を伝え、葬儀費用を聞いてから決めても遅くはありません】。後で“こんなに高いの?”とならないためにも、費用は重要項目。
お嫁さんが率先してかける必要はないと思いますが、ご家族が悲しみに暮れているような状態でしたら、「私が電話してみましょうか?」と言ってあげるとありがたがられると思います。
◯喪主の意思を尊重するも、損をしそうだなと思ったときに 一言ヒントを、がベスト。 よく葬儀社の話を聞いてメモなどをとる
亡くなった当日や翌日から、すぐにたくさんの事を決めなければなりません。葬儀社の方の説明を聞き、棺、遺影の写真、祭壇の花、香典返し、通夜振舞いの料理など細かいところまですべて決めていきます。そこで「これは、こうしましょう」という仕切りはお嫁さんに必要なく、【ご家族が円滑に決められるような役割】が求められます。
ご家族の方は気が動転しており、話もなかなか耳に入ってこないことが多いので、お嫁さんは、【よく話を聞いて大事なところはメモしておく】といいと思います。そうすると後々「葬儀社の方はこう言っていましたよ」など的確なアドバイスができます。また、決め事の途中で「どうする?」となってしまったときは、「これにしましょう!」と言うのではなく「お義父さん(お義母さん)っ て何色が好きだったんですか?」とか「好きな花は何でした?」など、【決めやすいヒントを出してあげるとベスト】。“そういう基準なのね”と思ってもらえる一言が言えれば完璧です。
そのほか、話し合いが行き詰まったときにオススメするのは【どれが一番よく選ばれていますか?】という言葉。多くの方が選ぶのには理由があるので、迷ったときは葬儀社の方にこれを質問してみてください。最後に金額に関してですが、葬儀費用について「安くして」とは言いづらいものです。その場合「ここの部分の値段はなんとかなりませんか?」など細かい項目について相談すると、良いアドバイスをいただけるかもしれません。
第4回へ続く……Coming Soon