連載「私たちのCHALLENGE STORY」を担当しているライターの孫 理奈です。昨日は成人式でしたね。眩しい晴れ着やスーツを着たフレッシュな成人達の姿を昨日は街でたくさん見かけました。お子さんが成人式を迎えた方々、本当におめでとうございます!
実は三男のケインも生きていたら成人式でした。連休中に突然、家に大きな花束が届きました。それはケインの小学校の担任だったT先生からでした。成人式だから御前にお花をお供えしてくださいと書いてあり、ケイン宛にメッセージも入れてくださっていました。「ケインさんありがとう! いつも大きな空から温かく励ましてくれてありがとう! これからもずっとみんなを見守っていてくださいね」。
「もうすぐ成人式だな~。二十歳なんだな」と何となく心のどこかでは思っていましたが、思い出す悲しみに直面できず気持ちが逃避してしまっていたので、家族以外の方が覚えていてくださったこと、そしてケインに声をかけてくださったことに思わず涙が溢れてしまいました。
本当に良い先生で、ケインが入院中「少しの時間でも学校へ行きたい」と言うほど学校が大好きだったのも先生のお陰でした。T先生はその後、定年を迎えられましたが、「ケインくんから最後に本当に大切なことを教わりました」と言ってくださり、私たち家族も感謝でいっぱいです。
昨日は特にスーツ姿に目が行き、大騒ぎしている成人たちを見て、「もしケインに障がいがなかったら、あんなふうにはしゃいだりしていたのかな」と、普段の車椅子姿ではない成人したケインを想いました。そういう妄想は初めて。でもやっぱり車椅子のケインが私の中ではしっくりくるのです。それが当たり前だったし、ケインが障がいを受け止めて頑張っていた姿を私も誇りに思っていたから。きっと天国で仲間達との成人式を祝ったことでしょう!
夜は私の母からケインが大好きだったお赤飯も届きました。お赤飯が大好物で、病院にも持ち込んでベッドでこっそり食べていたほど。一粒一粒、美味しそうに噛みしめて食べていたケインの姿が目に浮かびました。昨日はケインも一緒に食べたよね。美味しかったね!
「ケイン、成人おめでとう。今は家ではパパとママだけになり、話す人が誰もいないときもあって寂しいよ。ケインとずっとお喋りしていたあのころは幸せだったな。小さいときから大人なケインだったけど、本当に大人になったね! これからもケインの分までみんなで頑張るからね。愛してるよ」。