「しもしも〜?」の決め台詞とともにバブリーネタで一世を風靡した、お笑いタレントの平野ノラさん。
学生時代は全国大会優勝経験をもつ“バレー部キャプテン”という意外な一面も。
32歳で遅咲きの芸人デビューを果たし、42歳で母となった今も、笑いと子育てという2つの舞台を全力で駆け抜けています。
シリーズ最終回となる第3回では、高齢出産に至るまでのリアルな葛藤、出産・育児の日々、そして46歳の今、人生の“アップデート”について語っていただきました。
(第3回/全3回)
1978年生まれ、東京出身。ワタナベエンターテインメント所属。31歳で本格的に芸人の道に進み、肩パッドにバブルメイクで昭和の空気を再現した“バブリーネタ”で大ブレイク。近年はテレビ出演はじめ、バレーボール教室、片付け本の執筆など多彩に活動し、42歳で第一子を出産。家庭と仕事の両立を自然体で楽しむ等身大の姿が、多くの共感を集めている。
★ 高齢出産は「産んだあと」が大変だった
★ デジタルに頼らず、“今”を一緒に楽しむ
★ 自分らしさ全開の娘に、毎日驚かされてます
★ 娘に教えられた「まいっか」の大切さ
★ 娘からも学びながら、アップデートを続けていく
「ちゃんと着地できた」と思えたから、産みたいと思えた
芸人としてデビューしてからは、とにかく仕事が楽しくて、39歳で結婚はしましたが、子供をつくることは考えていませんでした。でも、40歳を過ぎてから「今なら人生を楽しみながら子どもを迎えられるかも」と思えるようになったんです。ちょうどコロナ禍になって仕事が落ち着いたこともあり、焦らず、自分のペースで準備を始められるかなと。 病院には行かず、まずは体を整えることから始めました。冷え性だったので“温活”に取り組み、夫にはマカと亜鉛を飲んでもらい(笑)。しんどくならないように排卵日に合わせて話し合って妊活して、ありがたいことにすぐ授かることができました。
高齢出産は「産んだあと」が大変だった
妊娠初期は食べづわりで、すごく太ってしんどかったけど、安定期に入ってからは穏やかな時間を過ごすことができました。“出産までにやりたいことリスト”をつくって、ミュージカルを見に行ったり、三つ星レストランに行ったりと、幸せな時間を過ごせました。出産当日は、自然分娩の予定が帝王切開に。無痛分娩にしなかったことを激しく後悔しました。また、高齢出産は産んだ後が本当に大変なんです。若い子たちは、出産直後でも「ちょー余裕だったぁ」って言ってたけど、私はそんな余裕はまったくなかったです。 そして、育児はやっぱり体力勝負。自分は2ヶ月で仕事復帰したけれど、身体も痛いし、娘ともっと一緒に居たくて…。そこで母と夫と「チームバブ子」を結成して、みんなで育児を回していました。LINEグループで連携しながら、全員で助け合うスタイルに。夫にも1ヶ月育休を取ってもらい、育児を一緒に覚えてもらいました。
デジタルに頼らず、“今”を一緒に楽しむ
子どもは今4歳。保育園も楽しく通っていて、活発で甘えん坊。重たいけど、まだ抱っこもしてます(笑)。寝る前は私のTシャツの中に入って“ママのお腹の中”ごっこが日課。
なるべくスマホに頼らず、しりとりやトランプなど、一緒に遊びながら過ごすことを大切にしています。便利な世の中だからこそ、「考える力」を育てたい。片づけひとつでも「何分で終わらせようか?」と子どもに決めさせて、自分で考えさせるようにしています。
そのためには、私自身もいろいろ考えないといけないので、いい脳トレになっています(笑)。
自分らしさ全開の娘に、毎日驚かされてます
娘は活発で、表現力豊かで、そしてはっきり自分の意見が言える子。公文に通っていても、でっかい声で先生に“宿題やってませーん!”って宣言してたり(笑)、親子遠足でも、周りの子が我慢しながら動物を膝に乗せて撫でているのに、「ママ、もう終わりにしたい」としっかり伝えてきたり。ちゃんと“自分”を持っていて、空気に流されないところがあるんです。
今はひらがな遊びやすごろく、トランプも大好きで、負けると本気で泣いて悔しがる、ちょっと負けず嫌いな一面も。だけど、それも「悔しい」という気持ちをしっかり味わってる証拠で、成長だなって感じます。時々「私に似てるね」と言われるけど、自分にはなかった自由さや大胆さもあって、「すごいな〜!」って思わされることばかりです。
娘に教えられた「まいっか」の大切さ
ある日、私が育児でいっぱいいっぱいになってしまい、イライラしていたら、娘が「まいっか」って言ってくれたんです。その時、自分が完璧を求めすぎていたことに気づかされて、「そうだよね、そんなに頑張んなくていいんだ」と思えて涙が出ました。 今は、リモコンがなぜか自分のカバンに入っていることに気づいても、タンブラーを持ってきたのに、中身が空っぽでも「まいっか」と思えるように(笑)。年齢を重ねて忘れっぽくなったり、昔ほどシャープじゃなくなった部分もあるけど、「今の自分でいい」って思えるようになりました。自分を受け入れて、楽しみながら、笑って生きていけたらいいなと思っています。
娘からも学びながら、アップデートを続けていく
最近は子供向けの“バレーボール教室”でバレーを教えたり、初めて映画で“演技”に挑戦したりと、今後も型にハマらず多彩に活動していきたいと思っています。美容も好きなので、今は“ながら美容”を楽しんでいます。シートマスクしながら子供とかるたをしたり、白玉点滴を打ちながら歯医者の治療を受けたりしているんですが、手をかけた分だけちゃんと返ってくることも楽しみのひとつです。 これからも「まいっか」の精神で、肩の力を抜いて。挑戦することを忘れずバブリーに生きていけたらと思っています。
シャツ 17,900円(ソークロース./DINOS CORPORATION)、ピアス 16,500円(ナチュラリ ジュエリ/ NATURALI JEWELRY 新宿高島屋店)、パンツ スタイリスト私物
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撮影/沼尾翔平 スタイリスト/奥田ひろ子(有限会社ルプル) 取材/沢亜希子





















