フランス・ブルゴーニュのレストランでミシュラン二つ星を6年連続獲得した濵野 雅文氏が日本に初出店した、わずか8席のフレンチレストラン「L’Unique labo (リュニック・ラボ)」が福岡にオープンしました。
店名の由来は「唯一無二= L’Unique」と「実験室= labo」を意味するもの。フランスで長年培った技術と九州の食材を融合させた、独創的な料理、芸術的な空間、魅せる演出が三位一体となった“食の舞台”を楽しめると話題です。
デザインホテルとして知られる「ホテル イル・パラッツォ」に併設されていたチャペルをリノベーションしたため、天井高6mを超える開放的な空間も素敵。内装の設えは、料理が最も美しく輝くために白一色で統一されており、一歩足を踏み入れた瞬間その世界観に引き込まれます。
空間デザインは、世界中の名だたるブランドのプロジェクトを手がけ数々の受賞歴をもつスイスのデザインチーム atelier oï(アトリエ・ オイ)が担当。「レストラン=舞台」というコンセプトのもと、キッチンを中心に据えたライブ感あふれる構造になっており、シェフが調理するシーンを間近で体感できるのが特長です。
柔らかな白のグラデーションに光が生む陰影で建築のフォルムを際立たせているのも見事。テーブル上にある照明は花、ウェイティングスペースは庭をイメージしており、庭で憩いながら花の下で食事を楽しむ雰囲気を醸しています。
椅子やソファ、サイドテーブル、サービスワゴンに至るまで、家具もすべて atelier oï によるオリジナルデザインという徹底ぶり。空間全体が一体となることで“食の舞台”への没入感が生まれています。
ワインは、ブルゴーニュを中心としたクラシックなラインナップに加え、安心院、菊鹿、都農など九州各地のワイナリーによる銘柄のみで構成する特別ペアリングもあります。
濵野 雅文(はまの まさふみ)
1975年、福岡県糸島市のトマト農家に生まれる。中村調理製菓専門学校を卒業後、東京「ラ・ロシェル」にて8年半修行。その後単身渡仏し、フランスの複数のレストランで修行後、Saint-Amour Bellevueにてオーナーシェフとして独立。2018年にはミシュラン二つ星を獲得し、2023年に日本に帰国するまで6年間二つ星を獲得し続ける。
「この度、約2年の構想を経て、L’Unique laboをオープンすることができました。フランスで過ごした20年間は、私にとってかけがえのない財産です。その経験を九州の豊かな食材と重ね合わせることで、フランス時代には生み出せなかった、新しい表情を持つフレンチを創り出してまいります。わずか8席のカウンターだからこそ、料理が仕上がる瞬間の温度や香りをそのままお伝えできる。そんな濃密な時間を、L’Unique laboで心ゆくまで体験していただけることを願っています」
料理もトークも上手いシェフの濵野氏。「サービスを含め、この空間すべてを楽しんでほしい。食べ終わった時に、舞台を見終わったかのような感動を生み出したいです」と語ってくれたのが印象的でした。食の舞台で唯一無二の時間を過ごしてはいかがでしょう。
福岡市中央区春吉3丁目13−1(HOTEL IL PALAZZO敷地内)
ランチ 12:00〜 / ディナー 18:00〜 *完全予約制
http://lunique-labo.jp/
取材/本條千春





















