毎日フル回転の40代。ちょっぴり〝疲れたな〟と思ったときは、〝母〟も〝妻〟も全部お休みして元気を取り戻す旅に出てみませんか? そんなゆったりした時間を過ごせる湯宿が、世界遺産である「白川郷合掌造り集落」の玄関口にオープン! 人と人との繋がりを大切にする白川村の風土に触れ、合掌造りを模したエントランスに足を踏み入れると、そこはまさに非日常の空間。木のぬくもりが私たちを包み込みます。そんな「天然温泉 ゆるりの湯 御宿 結の庄」に、STORYライターが実際に泊まって感じた魅力をレポートします。
2019年2月に世界遺産「白川郷合掌造り集落」から車で5分の地にオープンしたのは、地元の人々との繋がりを大切にする〝結(ゆい)〟という文化にあやかった「天然温泉 ゆるりの湯 御宿 結の庄」。一歩足を踏み入れると、新しさの中にある懐かしい雰囲気に、思わず気持ちがタイムスリップ。
お風呂は大浴場と、無料の貸切露天風呂が2つ。貸切風呂は陶器風呂の「星雲の湯」と檜風呂の「天雲の湯」があり、どちらも目の前に広がる自然の景色が心を落ち着かせてくれます。私の一押しは大浴場にある露天風呂。昼は山と空の大きさを感じながらリラックスできるし、夜は月明かりで照らされた稜線や積もった雪にうっとり。無色透明のお湯は柔らかな肌当たりで、天井から吊るされた和紙照明の優しい光と自然を感じながら、つい長湯をしてしまいます。
お楽しみの夕食は飛騨の郷土料理を中心とした会席料理で、美しい小鉢が並ぶ前菜の膳から、地元の名物のすったて汁、新鮮なお造り、そして飛騨牛、美濃恵那豚、大黒しめじなど地野菜もふんだんに使った野趣鍋など、この土地ならではの素材の旨さを存分に引き出したこだわりのひと品ばかりでした。
おつまみはなんと缶詰のみというちょっと珍しいナイトバー。でも、缶ごと直火で炙って熱々にしたオイルサーディンは、満腹の1日を締めるビールにぴったり。カウンターとテーブル席があるので、一人でしっとり飲むのも良いけれど、女子同士ワイワイ飲むも楽しそうだなと思いました。
〝和〟の趣きが感じられるお部屋には、低めの和ベッドが置かれるなど〝和〟の設えと〝洋〟の快適さが兼ね備えられているので、文句なしの満足度。自分好みの枕を選べる「枕処」もあり、心地よい眠りを約束してくれます。私もベッドに入った瞬間は覚えているのですが、すぐに深い眠りに落ちてしまったみたい……。気づけば朝になっていました。
白川郷の風情を感じながら、名湯と美味に癒された「天然温泉 ゆるりの湯 御宿 結の庄」で過ごした時間は格別でした。宿の方に聞くと、雪の時季もいいけれど、新緑の時季も魅力的とのこと。女子旅、家族旅、親子3世代でも愉しめる湯宿だと思ったので、ぜひ一度訪れてみてください。
天然温泉 ゆるりの湯 御宿 結の庄
〒501-5625 岐阜県大野郡白川村飯島908-2
平日1泊2食付き~、サービス料込み・消費税別
¥21,500~
(お問合せ・ご予約)TEL:05769-6-2005(9:00~20:00)
撮影/山田英博 取材・文/篠原亜由美