今回の連載「麗しき皇室ファッションの世界」では、12月9日に62歳のお誕生日を迎えられる皇后雅子さまの2025年の装いを放送作家で皇室ライターの、つげのり子さんと読み解きます。こちらは今までの雅子さまのファッションを一挙にご紹介。
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雅子さま【祝・62歳】ブルーに宿る品格。2025年の装いを読み解く
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両陛下ともにゆかりのあるイギリスへの念願の公式訪問は、話題に。「両陛下揃ってのイギリスへの公式訪問とあって、天皇陛下のブルーのネクタイに雅子さまのスーツのお色を合わせられた、仲のよさが伝わる装いでした。雅子さまは、お若い頃から様々な色味のブルーをお召しになられるほど、ブルーが愛用カラー。この日は、訪問先のイギリス王室に愛される陶磁器のトップブランド、ウェッジウッドの代名詞、ジャスパー ペールブルーを思わせる配色のスーツを。訪問中は、白の装いが多かったのですが、到着された時はブルーを選ばれ、イギリスへの敬意をお召しもので表現されていたのだと思います」(つげさん)。ペールブルーに、アクセント的に白を効かせたスーツスタイル。縦のラインが強調される深いVのバイカラーのショールカラー、タイトスカート、また、スクエアなリボンのあしらいやクラッチで、エレガントなだけでなくスマートな印象に。
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天皇陛下の来県は即位前を含めて7度目となりますが、愛子さまは初めての来県。そういった意味でも特別な訪問でした。「公式な場での装いを、ご家族でお色をリンクされているのは恒例となりつつありますが、沖縄訪問での到着時では、色、デザイン、そしてヘアメークまでも双子のように合わせられていたのが印象的です。雅子さまはパンツスーツ、愛子さまはスカートスーツの違いはありますが、ライトブルーのテーラードカラーのスーツ、全身同系色でまとめられ、白いクラッチにパールのジュエリーと合わせられています。雅子さまは、同日に行われた供花の際にはスカートに着替えられて、よりフォーマルな装いになっていらっしゃいますが、空港では動きやすさを重視されパンツを選ばれているのでは? と感じています」(つげさん)。雅子さまのスーツは、2019年茨城県、2023年岩手県訪問でもお召しになっていたものだそう。物を長く愛用される雅子さまらしさが際立つスーツは、衿を少し立てられ、パールも大ぶりでマニッシュに着こなされています。一方、愛子さまは可憐な雰囲気。アイテムをリンクしながらも、個性を強調された意思のあるスタイルが素敵です。
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「到着時は、陛下の淡いカラーのジャケットに合わせて、ご自身は淡いグレーブルーの動きやすいパンツスーツスタイルでした。しかし、その後の国民スポーツ大会開会式には、佐賀県のイメージカラーであるシンフォニーグリーンのスーツに着替えられ出席されているので、非常に細やかな心配り、TPOを考えられてお召し物をきめられているのだなと改めて感じました(つげさん)」。両陛下が、毎年出席されるこの国民スポーツ大会の開会式は、場所を変えて開催しているので、両陛下にとって地方の方々と触れ合う貴重な機会。地域の様々な人々と歓談されるので、リラックス感を与える淡いカラーを選ばれていたのは雅子さまのご配慮なのかもしれません。
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写真:工藤 直通/アフロ
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「式典に出席される時も、その式典の歴史やイメージ、行われる場所など、事前にリサーチされお召しもので敬意を示される雅子さま。海づくり大会は、海にちなんで、毎年ブルーの装いで出席されています。2024年は、雅子さまがブルーの中でも特にお好きと感じられるロイヤルブルーのパンツスーツに、靴、クラッチと全身色を統一されていました」(つげさん)。ジュエリーは、パールの中でも洗練された印象のバロックパールのイヤリングとネックレス、そしてスーツはダブルのデザインと、トレンド感の強い装い。格式の高さがありながらも、雅子さまらしい知的なムードが目を引きます。
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国賓としてモンゴルを公式訪問された際の雅子さまの空港ファッションは、天皇陛下のネクタイの色とリンクされた淡いピンクのスカートのスーツスタイルでした。「スカートのスーツ、ハット、クラッチバッグ、一粒、一連のパールのジュエリー、そして手元にはグローブと、国際儀礼にのっとったスタイル。モンゴルにはピンクの岩塩など、ピンクのものが多くあります。ナーダムの開会式では、雅子さまは伝統衣装を意識された装いをされていましたが、最初に空港に到着された時のお召し物は、モンゴルを表すピンクのスーツでした。ぱっと色でメッセージが伝わる装いを意識されているのだと思います」(つげさん)。ハット、スーツ、クラッチ、グローブ、靴とすべてピンクと白で統一された洗練された印象。ともすれば甘すぎな印象になるピンクも、ジャケットのシャープなVカラーや、スカートのタイトなラインで、凛としたハンサムな雰囲気に。
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2023年12月、皇后陛下御誕生日につき上皇、上皇后両陛下に御挨拶のため仙洞御所行幸啓。(C)JMPA
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「日本赤十字社の名誉総裁を務める雅子さま。日本赤十字社の赤い勲章が映えること、また季節に沿ったものをという思いで、マリンカラー配色のスーツを選ばれたのではないでしょうか。ご体調を崩されてからは、淡い色のスーツでご出席されることが多かったのですが、こんなにも鮮やかなロイヤルブルーのお召しものを選ばれるのは久しぶりの印象です。少しずつお元気になっていることを感じられます」
小物やジュエリーを含め、ロイヤルブルーと白で統一され、勲章の赤が引き立つ着こなし。
格式高い中にも、昔から愛用されているバイカラーのアイテムに雅子さまらしさが感じられます。 -
「国土緑化運動の中心的な行事である植樹祭にちなんで、天皇陛下のネクタイの色ともリンクされた、苗木を連想させる若葉色のスーツでご出席された雅子さま。2021年はグリーン、2022年2023年は水色と毎年、豊かな自然を想像させるお色を選ばれています」
ハット型のお帽子、バイカラーのスーツ、タイトシルエットのスカートと、雅子さまの定番スタイルですが、ノーカラーや飾りボタンという変化球が新鮮なアクセントに。また、イヤリング、ネックレスのパール、そしてボタンと、正面からみるとサークルのデザインが並び、優美な雰囲気が強調されています。 -
2024年7月、日本学士院第114回授賞式にて。(C)JMPA
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2024年10月、「第20回ヘルシー・ソサイエティ賞授賞式」にて。(C)JMPA
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「2024年度の国民文化祭の開催地は岐阜県。〝清流の国〟に合わせて大河の流れを想起させる、ロイヤルブルーのお召しものを、天皇陛下のネクタイの色に合わせて選ばれたのではないでしょうか」
ハット、インナー、ジャケットのサイドに同色のレースが重ねられ、見える角度によって雰囲気に変化のあるデザインが素敵です。寒色系のアイシャドウをのせられている目元も印象的。 -
「普段は飾りのないシンプルなハット型のお帽子をお召しになることが多い雅子さま。「全国豊かな海づくり大会」の第1回開催地だった大分県での2度目の開催となった今回は、原点に戻り改めてこの大会の開催意義を考えるという意味で、跳躍している魚を思わせるような飾りのついたお帽子を選ばれたのかもしれません」
天皇陛下のネクタイのストライプの配色とリンクされた、海を思わせるバイカラーの雅子さまのスーツ。
そしてスクエアトウのパンプスや、かっちりとしたクラッチバッグで、淡い水色も甘くならず、エレガントながらも凛々しさのある雅子さまらしい装いに。 -
2024年6月、英国ご訪問時のバッキンガム宮殿晩餐会記念撮影にて。 写真提供/東京写真記者協会
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2024年6月、英国ご訪問時、バッキンガム宮殿晩餐会へ。 写真提供/日本雑誌協会
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2024年6月、英国ご訪問時の歓迎式典にて。 写真提供/東京写真記者協会
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2024年6月、英国ご訪問時の歓迎式典にて。 写真提供/東京写真記者協会
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2024年6月、英国ご訪問時、天皇陛下の母校オックスフォード大学マートン・コレッジ植樹式にて。 写真/宮内庁提供
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2024年6月、英国ご訪問時、天皇陛下の母校オックスフォード大学マートン・コレッジ植樹式にて。 写真提供/東京写真記者協会
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雅子さまの園遊会での和装デビューとなった、平成6年の春の園遊会/提供 朝日新聞社
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雅子さまの園遊会での和装デビューとなった、平成6年の春の園遊会/提供 朝日新聞社
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(C)JMPA
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(C)JMPA
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2023年10月15日、国民文化祭開会式に出席された雅子さま。(C)JMPA
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