今話題の湊かなえさんの同名小説を原作にしたPrime Videoドラマ『人間標本』。壮絶なテーマと先の読めない展開が特徴の作品に、西島秀俊さんはどんな思いで臨んだのか。作品づくりの裏側や、配信ドラマならではの魅力、若手キャストとの時間について語っていただきました。
今まで一度も演じたことのないテーマに惹かれました
――イヤミスの女王とよばれる湊かなえさんの小説『人間標本』のドラマ化。西島秀俊さんは主役・榊史郎を演じていらっしゃいます。
このドラマは〝親の子殺し〟というテーマをモチーフにした湊先生の作品が原作なのですが、まず小説を読んで、全く予想できないような展開が二転三転と繰り広げられていくことに驚かされました。今まで一度も演じたことのないテーマにチャレンジしてみよう、という思いで作品に臨みましたが、実際、撮影に入ると、やはりとても難しかったです。
――今回の『人間標本』では若い世代の共演者が多いですよね。
ドラマや映画というのは若い世代のものだと思っています。(市川)染五郎くんはじめ、伊東(蒼)さん、そのほかにも5人の若い俳優たちと共演しました。それぞれが自分はこのシーンでこういうことがやりたい、という明確な意見を持っていて素晴らしかったです。彼らが映像の中で体現する演技が今のメインストリームであり、一緒に演じていて楽しかったです。
できるだけ子どもと一緒の時間を過ごす時間を持ちたい
――配信作品は地上波のドラマや映画とは違いますか。
映画であれば普通は2時間から2時間半。この長さでは収めきれない物語もありますが、配信作品であれば表現できるのが魅力のひとつです。今回のストーリーも、登場人物それぞれの視点を描きながら、真実を明かしていくためにはある程度の話数が必要でした。また、題材的にも配信だからこそ実現できた作品ではないかと思います。
――今回の作品では父親役を演じていらっしゃいますが、西島さんが考える理想の親子像はどんな形でしょう。
難しいですよね…本当の理想像がどういうものなのかは、正直わからないです。ただ僕自身を振り返ると、人生の大きな決断を、自分が真剣に考えた結果であるならば認めてくれる親でした。もちろん、決断したことに対しての責任は自分で負う、という前提ではありますが。自分も子どもが持つ力を信じて、できるだけ自由に生きてもらいたいと考えています。あとは理想ということとは少し違うかもしれませんが、できるだけ子どもと一緒の時間を過ごせればと思っています。
――幅広い役柄を演じる西島さんの作品選びの基準はどこにありますか。
ひとつは監督でしょうか。もちろんそれ以外にもいろいろあります。今回の作品もそうですが、やったことのないテーマや、新しいことにチャレンジできればと思っています。昨年独立したことで、僕自身が直接作り手の方と会って話をする機会が増えましたし、相談しながらも自分自身でやることが増えたことで、人としても経験を積んでいる気がします。その中で、僕が若い頃に先輩方から多くのものをいただいてきたように、若い世代や社会に対して自分ができることが何かあれば、と思っています。
――この作品、どんな方におすすめですか?
ミステリーやサスペンスが好きな方はもちろん、まだ原作を読んでいない方は、まず作品を観て最後のドンデン返しを楽しんでいただければと思います。また、才能あふれる若い俳優たちがたくさん出ていますし、彼らは間違いなく次世代を担っていく存在です。これからの若い俳優を探している方にも見ていただきたいです。みんな本当に素晴らしいので楽しんでください。
撮影/堺 優司 取材/西道 倫子











