〝灘校出身〟高偏差値YouTuber「雷獣」が、悩める親たちに喝! 昨年STORY誌面初登場でリアルな受験体験が話題となった「雷獣」の連載。〝中受〟のプロが親世代の悩みに答えます!
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僕たちが【雷獣】です!
<左>かべさん
灘中・灘高からノー勉で一橋大学に入学。大学卒業後は大手広告代理店に勤務ののち、休職期間を経て退職。現在は自称「ニート」。
<中>喋ってなんぼ駒井さん
灘高から現役で東大文科1類に合格、卒業後は吉本興業へ。M-1連覇時期の令和ロマンのマネージャーを務めたのち退社。「演者になりたい」との思いで雷獣に加入。
<右>ベテランちさん
灘時代はクイズ研究会で過ごし、1浪ののち東大理Ⅲ(医学部)に進学。現在5留中。YouTuberとして活躍しつつ、気鋭の現代短歌の歌人としても注目を集める。
悩めるSTORY読者代表・渡辺由香さん

<今回のお題> 受験の山場を前に 親は仕事とのバランスをどう取るべき?
渡辺さん(以下、敬称略)
STORY読者の8割以上が仕事をしているという現在。自分の仕事と子どもの受験の両立は大問題なのですが、皆さんの親御さんはどんなスタンスでしたか?
雷獣全員
僕らが中受した頃と今は状況も違っていると思いますが、中受時代はオカンは専業主婦でした。
駒井
僕とかべのオカンは僕たちが中学に入ってから仕事復帰というか、仕事始めてましたけど。
渡辺
サポートは手厚かった?
かべ
僕の両親は塾の問題を一緒に勉強して解くのを楽しんでやってました。返却答案を細かく分析して、解き方は理解していて正しいのに途中で計算ミスしているとか、解いていく過程で書いた図の文字が小さかったり汚くてわかりづらいから数字の転記ミスが出て不正解になってるとか、ケアレスミスは徹底的にチェックして指摘してくれていましたね。
ベテランち
そういうミスは大人の方がわかるもんな。塾の先生はそこまでしないから親がやるのは有効。
かべ
ケアレスミスの指摘は子どももプライドを傷つけられることなく、もったいないことしたって悔しく思うから、結果としてやる気を奮い立たせられる方向につながった。
ベテランち
僕の親はかべの親御さんみたいに細かく答案見られる状況ではありませんでしたが、塾の資料の科目別のファイリングや車で送り迎えはしてくれてました。送迎は単純に子どもに時間と体力の余裕ができて、塾の勉強に集中できるから可能ならばした方がいいと思います。
渡辺
塾弁はどうですか?
駒井
僕はオカンにずっと作ってもらってた。遠くの校舎に丸1日拘束で行くときは、弁当時間に合わせてできたてのお弁当届けてくれたり。
かべ
僕もオカンの弁当食っていましたけど、コンビニ飯の奴を羨ましいって思ったこともあります。コンビニで自分で金払って飯選ぶという行為が大人っぽくてカッコよく見えた。小学生なんてそんな年齢っす。
ベテランち
「栄養と消化を考えて塾弁作ったわ」なんて言われたら親が自分に酔ってる感を察知して、正直子どもは冷める。その辺り子どもは親の想像以上に敏感ですから。別に弁当で成績上がるわけじゃないし。
渡辺
物質的なサポートより精神的なサポートが重要ですね。
ベテランち
オカンが精神的に追い詰められてメンヘラになったら子どもは戸惑って、親子関係が悪化します。それ最悪。やってあげるという感覚=親のエゴですから。オカンも自分の人生を生きるべき。
渡辺
娘はちょうど昨年の今頃、急に模試の成績が落ちて、スランプに。乗り越え方ってありますか?
ベテランち
成績が落ちる時は「勉強の仕方がズレてる」「勉強時間が足りない」「効率が悪い」などなんらかの理由が必ずあります。
渡辺
私は「緊張」で実力が発揮できていないと思って、模試慣れさせるために模試をたくさん受けさせてました。本番の午前・午後受験を想定した、1日2本模試とか。
かべ
それはいいですね。試験慣れして緊張に対する耐性がつく。
駒井
親が感知できるくらいのスランプって、子どもは当然わかっているから、親の想像以上に焦っていると思う。スランプという体験自体、人生初という子も多いと思うので親は「人生、こんなこともよくあるよ」ってどこまでも冷静に対応して、成績の波を乗りこなせる方向に持っていくしかない。
かべ
模試スランプって試されてるっていうプレッシャーや怯えからくるんですよ。僕は中受の勉強のスタートが遅かったこともありスランプがなかったのですが、それは常に「1点でも多く取りたい!」って気持ちが勝っていたから。親は僕の成績に対して無欲だったけど、気づかない間にそう育てられていたのかも。
渡辺
我が家は夫が起業していることもあり、娘には将来「起業家」になってほしいと思っているのですが、そのために今やらせるべきことは?
ベテランち
「起業家」はともかく親が子どもの将来の職業まで決めるのはリスキーですよ。灘は1学年200人で40人くらいが医者の息子なんですけど、医者親子の大喧嘩をたくさん見てきました。結果、そういう人は死んだ目をして医者になってる。そこで何かを捨てている感がするのは否めない。
駒井
旦那さん自身が親にどう育てられたことが起因して起業したのか、親自身が自分の人生見つめ直すのが第一では?「起業」って一般的にはまだまだ珍しいことですから、小さな頃から「起業も普通のことだよ」って刷り込んでフラットな選択として提示するだけでも精神的なハードルは下がる。
かべ
周囲を見ていても起業する奴って自主性半端ない。で、そうなるように育てるにはどうしたらいいかって考えると、無限に選択肢を与えて自分で選ばせ続けること。親が選択肢を狭めないってことに尽きる。
渡辺
親は子どもがやりたいことを応援して極めさせるってことが大切ですね。幸い、娘は今のところ素直に受け止めてくれています。
駒井
横槍入れるわけじゃないですけど、子どもが一生素直ってことはありえへんし、反抗期もあって当然なので、その辺りは今から忘れずに。
読者の質問コーナー
【回答】車での塾送迎と資料整理は必須。エゴを押し付けず親も自分の人生楽しんで。
【回答】成績に波があるのは当たり前。親は冷静に向き合うべし。
【回答】決めつけはリスキー。選択肢を与え続ければ親の姿勢を見て育つはず。
雷獣・Youtubeチャンネル
灘中・灘高卒業生で構成するYouTuber。チャンネル登録者数30万人。勉強法や神童伝説から大学受験までのネタは中受以外でも親必聴。
撮影/古水 良(cheek one)ヘア・メーク/本多遥香(ROI) 取材/安西繁美 ※情報は2025年12月号掲載時のものです。
















