日曜劇場『ザ・ロイヤルファミリー』で、乗馬ライセンスを取得してのぞんだジョッキー役で一気に注目を集め、その柔らかな風貌で老若男女からファンの多い高杉真宙さん。
13歳でスカウトされたのを機に俳優デビューして16年、30歳を前に俳優としても
成熟した姿をみせる高杉さんが今回挑んだのは、“家族”を描く映画。
高杉さんが演じたのは、幼い頃に弟を失い、空想の世界で生きるようになった母のために大人になるまで“嘘の手紙”を書き続けるという優しい性格の青年、主人公の山吹。
柔らかなムードのままに、そんな山吹の優しさを携えながら、
どこかキリリと潔さも伺わせる高杉さんの内面に迫ってみました。
僕の思う“優しさ”とは 「NO」をハッキリと伝えること
今回、僕が演じた主人公の矢吹は、“優しいから”とつけ込まれ、
「YES」「NO」がハッキリ言えず、憧れる年上女性からも
体よく利用されてしまう。
だから、山吹は「優しい」という言葉が嫌いだったんじゃないかな、と思うんです。
本当の“優しさ”って何でしょうね……。
僕も、自ら率先して動くタイプではないから山吹と共通する部分はあるけれど、
僕自身は、イイことは「イイ」、イヤなことは「イヤ」とハッキリ言うタイプ。
そこは、僕と山吹が大きく異なる点かもしれません。
社会の中では、イヤなことは「イヤ」と大きな声で言わないと
気づいてもらえないですし、仕事をする上では言わないことが
優しさではないと思っているんです。
僕は、個人事務所になり、今4年になるのですが、
チームゆえに、スタッフには違うと思うことはビシッと言います。
でも、厳しいことを言うのって、本当は言う本人も傷つくんですよね……。
だから、面倒だなと思うことも正直あるし、言われることをイヤだと思う人もいるから、
何度もは言いません。
でも、一度は「NO!」ということにしています。
それが、いいチームを作るための“優しさ”だと、僕は思っています。
どうにもならない壁こそ、 よく寝てよく食べることで乗り越えて
独立した後は、「大変だな」と思うこともたくさんありました。
これまでは「守られていたんだな」と実感しましたし、自分は知らなかったけれど、
本当に多くのことをやってもらっていたんだな、と思います。
例えば、どのように仕事が生まれて、どんな会社が関わっているのか、そして、
どのようにお金が発生しているのか、これまでよくわかっていなかったことが
ハッキリと見えてきました。
それと共に、責任も感じるようになりましたね。
そして、仕事を客観視できるようになって、関わっている人に感謝するようになった。
その結果、人に優しくなれているように感じています。
山吹が、物置に立てこもった子どもに対して、「大人になってもどうにも
ならんことがある」と語りかけるシーンで、そんな時山吹は
「空想で犬をなでる」と言いますが、
僕が“どうにもならん壁”にぶかった時は、とにかくよく寝て、よく食べます(笑)。
やっぱり、食欲って生きることに純粋に直結していると思うんです。
それをないがしろにするのは、すごくもったいない。
だから、一日仕事を終え家に帰ってホッとした時、自分自身に「頑張ったね」と
ご褒美をあげるんです。
僕は、スイーツに目がなくて。
最近はコンビニスイーツも美味しくて大好きで、1週間のうち何回かは買って
食べています。この時間が、最高に幸せ。
僕は、お酒を飲まないので、お酒代わりに炭酸水を飲んで
「1日が終わったー!」とホッとするんです(笑)。
寝食のバランスを自分自身で整えること、
それこそが、結局はストレートに心の健康と幸せに繋がるだと思います。
『架空の犬と嘘をつく猫』
出演:高杉真宙
伊藤万理華、深川麻衣、安藤裕子、向里祐香、ヒコロヒー
安田 顕、余 喜美子、柄本 明 ほか
監督:森ガキ侑大
長男の山吹は、弟を失い、空想の世界で生きるようになった母のため、“嘘の手紙”を書き続けてきた。母、父、姉、祖父、祖母――それぞれが不都合な真実から目をそらしたまま寄り添い合う羽猫家で、山吹はただひとり、家族と向き合いながら成長していく……。家族の小さな違和感や沈黙の中に積み重ねられる嘘と、それをほどいていく過程に、じんわりとした温かさと希望が宿る物語。
1月9日(金)公開 配給: ポニーキャニオン
撮影/遠藤優貴 スタイリスト/菊池陽之介 ヘアメイク/堤紗也香 取材・構成/河合由樹









