STORY世代に大きな影響を与えてきた作家、村上春樹のベストセラー小説『ねじまき鳥クロニクル』が舞台化され、2020年2月に上演されることが決定しました。
演出・振付・美術を手掛けるのはイスラエルの奇才インバル・ピントとアミール・クリガー、そして新進気鋭の日本人演出家・藤田貴大も参加。
音楽は現在放送中の『いだてん』の音楽を手掛けている大友良英。
今の演劇、ダンス、音楽界をリードする面々が揃いました。
主人公の岡田トオル役は成河と渡辺大知のWキャスト。
女子高生の笠原メイ役は門脇麦。
そして…
現在放映中のTVドラマ『ルパンの娘』(フジテレビ系)で、毎回いきなり登場、歌って踊り出すミュージカルシーンを繰り広げる謎の人物・円城寺輝役で今大ブレイク中の大貫勇輔も鍵となる重要な役で出演します。
そんな大貫さんに、新しい舞台への意気込みを伺ってきました。
―『100万回生きたねこ』(2013年)に次いで、ダンスの世界でも有名なインバル・ピント演出作品に出られるのは2回目となりますね。
インバル・ピントさんは世界的に活躍されている振付家ですし、ダンサーとしても俳優としても、また一緒に仕事ができるのは感慨深かったです。
そして成河さんとも舞台『アドルフに告ぐ』(2015年)で共演してから、ずっと彼の舞台を観てきて、常にすごいなと感じていて。こうして再び共演が叶ってうれしいですね。
―村上春樹作品は初挑戦となりますね。
どんな作品になるのかまだ想像もつかないのですが、先日、『海辺のカフカ』(演出:蜷川幸雄 主演:寺島しのぶ)を観て、村上作品には独特な世界観があると感じました。
『ねじまき鳥クロニクル』をイスラエル人であるインバル・ピントさんがどう解釈されるのか楽しみです。
『100万回生きたねこ』は、日本の代表的な絵本とインバルの世界がマッチしたものすごいフュージョンだったんです。今回はさらに日本人演出家の藤田貴大さんも入るということで、もっと複雑な掛け算が生まれる気がしています。原作のファンにとっても新しい何かを見出してもらえる作品になるとうれしいですね。
―ミュージカル、オペラという枠を超えた新しい作品、ということですが、大貫さんのダンスの見せ場も多そうで楽しみです。
ダンスもかなりお見せできるのではないかと思います。インバルのダンスにはピエロのような動きがあって、本来の僕のダンスのスタイルとは少し違うんです。僕は役を自分のほうに寄せてしまう癖があって。『メリー・ポピンズ』(2018年)でバート役を演じたときは、とにかく必死だったので特にそれが出てましたね。
その後に出演した『ロミオ&ジュリエット』(2019年)の死のダンサー役では自分とは距離をおいて演じることができました。今回は与えられた振付、役に自分が寄り添って行き、求められることに忠実に応える中で自分らしさを出していけたら、と思っています。
―大貫勇輔の初期からのファン、そして今放映中の『ルパンの娘』で新たにファンになった人たちも、また新たな一面を発見できそうですね。
『100万回生きたねこ』のときは主にダンサーとして入ってましたが、今回はもっと芝居の要素も多くなりそうですし、これまでにない新しい大貫勇輔を見せられると思います!
―『ねじまき鳥クロニクル』の時間、場所を超越した物語がどう料理されるか、期待に胸躍ります。ありがとうございました。
【大貫勇輔 プロフィール】
1988年生まれ。神奈川県出身。17歳よりプロダンサーとしてバレエ、ジャズ、コンテンポラリー、アクロバットといったジャンルの壁を飛び越えて活躍するダンサー・俳優。主な出演作品は、舞台『ロミオ&ジュリエット』、『キャバレー』、『100万回生きたねこ』、『マシュー・ボーンのドリアン・グレイ』、『ピーターパン』、『ビリー・エリオット~リトル・ダンサー~』、『メリー・ポピンズ』、ドラマ『高嶺の花』、『やすらぎの刻』等。現在放送中の『ルパンの娘』の円城寺輝役でブレイク中。
舞台「ねじまき鳥クロニクル」
2020年2月上旬~3月1日(日)
東京都 東京芸術劇場 プレイハウス
一般発売: 2019 年 11 月 2日(土)
チケット取り扱い:・ホリプロステージ https://horipro stage.jp
・ホリプロチケットセンター 03 3490 4949
原作:村上春樹
演出:振付・美術:インバル・ピント
脚本:演出:アミール・クリガー
脚本:演出:藤田貴大
音楽:大友良英
<出演>
演じる・歌う・踊る 成河、渡辺大知、門脇麦 、大貫勇輔、徳永えり、松岡広大、成田亜佑美、さとうこうじ、吹越満、銀粉蝶
特に踊る 大宮大奨、加賀谷一肇、川合ロン、笹本龍史、東海林靖志、鈴木美奈子、西山友貴、皆川まゆむ(五十音順)
演奏 大友良英、イトケン、江川良子
撮影:石田純子 取材/稲益智恵子