続「A Fragrant Life」*韓国話*
リニューアルする前のSTORY webで好きな香りや韓国話&香港話を書いていたのですが、新しいwebも軌道に乗ってきたので再開します!
1回目は日本で公開になる韓国映画の話です。韓国映画と言うと「血、汗、涙」(by BTS)が身上、どっぷりそれに浸るのもいいけれど、今年はしんみりじんわり心に来る映画がいくつかあります。その1作目が『ワン・デイ 悲しみが消えるまで』。
なんと言っても主演がキム・ナムギル、ですね。NHKで放映されたドラマ『赤と黒』(2010年)の時、STORYスタッフにもファンが増え「ナムギル会」が結成されたほど(ナムギル会は今も活動中)。その後、キム・ナムギルさんは兵役を経てドラマで復帰(2013年)した後は、映画中心に活躍されておりました(1980年3月13日生まれなので37歳です)。もともと悲しい役、というか最後死んでしまう役が多くて、大女優チョン・ドヨン先輩と共演し2015年カンヌ映画祭にも出品された『無頼漢 乾いた罪』はもう……見終わってから無言でうつむいて帰る、みたいな……。もちろんかっこいいんですよ! しかし心穏やかに見られる映画のナムギルさんにも会いたいじゃないですか。そういう時に、この映画が登場してくれました。
あらすじは書きませんが、ナムギルさんの役は保険会社社員です。フツーな役、新鮮でしょう。奥さんとのやり取りや、仕事に疲れた雰囲気や、リアルな感じがツボです。ここでのナムギルさんの演技は肩の力が抜けていて自然。だからこそ感情の機微がより伝わります。今までのように目の演技に力が入っておらず、かえって、悲しみ、諦め、自嘲、後悔、愛しさなどの多彩な心情が目に現れているようです。この映画にはファンタジー要素があり、それに振り回されるナムギルさんもキュートで、ユーモラスな魅力も満載です。
〇キム・ナムギル鑑賞のポイント〇
つくづくすばらしいプロポーション
疲れて呆けていても鼻筋がきれい
子供と遊ぶ姿も似合っていて
さらに涙のシーンは鉄板!
この映画は、登場人物が内面に抱える傷や痛みを声高に叫ばないところがいいんですね。生きること、死ぬこと、魂、慰安、などについてほんわりと考えさせます。ラストは見た人がそれぞれ違った受け止め方をすることでしょう。暑い夏に涼しい映画館で、ゆるゆると癒されていただきたいです。
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『ワン・デイ 悲しみが消えるまで』(原題:어느날)
監督:イ・ユンギ 出演:キム・ナムギル、チョン・ウヒ、ユン・ジェムン、他
7月29日(土)シネマート新宿、シネマート心斎橋ほか全国順次公開
配給 ファインフィルムズ
映画HP:http://www.finefilms.co.jp/oneday/
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*編集I
ビューティ担当25年の間に出合った好きな香りと、毎日を「香しくする楽しみ(主に韓国話と香港話)」をご紹介します。