H&M
リサイクルの簡易化を実現する単一素材の使用や溶解可能な糸、海洋に漂うペットボトルゴミから生まれたリサイクルポリエステルなど、革新的な技術や素材を採用したウィメンズ&メンズウェア・コレクションを、12月9日(木)より新宿店、および公式オンラインストアで発売。同コンセプトの初展開となる関西エリアでは、心斎橋店にてウィメンズ・コレクションを展開。古着回収されたブレザーを再利用した日本限定アイテムの発売も。
H&Mは、Innovation Stories(イノベーション・ストーリーズ)の第4弾として、「サステナビリティと喜び」をテーマとしたコレクション「Circular Design Story Collection(サーキュラー・デザイン・ストーリー・コレクション)」を発表します。本コレクションは、ファッションの持つ力や楽しさを称えるとともに、より循環的なデザイン戦略と、素材の根本的な可能性を示すものです。それぞれのアイテムは、華やかなハイファッションの精神や、若々しい活力、楽観的な感覚で、既存のサステナブルなファッションに対する視覚的な固定概念に挑戦するものです。本コレクション・アイテムは12月9日(木)より、日本限定アイテムを含むウィメンズウェア52型および、メンズウェア28型を含む全80種類を、新宿店限定および公式オンラインストア(hm.com)で展開するほか、同コンセプトとして初展開となる関西エリアでは、心斎橋店にてウィメンズ・コレクションのみを発売します。
H&Mマガジンページ
URL:https://www2.hm.com/ja_jp/life/culture/inside-h-m/circular-design-story.html
キャンペーンページ(11月30日 午前9時公開)
URL: https://www2.hm.com/ja_jp/free-form-campaigns/2094-circular-design-story-w.html
また、本コレクションの発表を記念して、歌手のNormani Kordei(ノマーニ・コーディ)、モデルのGigi Hadid(ジジ・ハディッド)、Kaia Gerber(カイア・ガーバー)、TikTokクリエーターのWisdom Kaye(ウィズダム・ケイ)らによるコレクションのプレビューを予定しています。リサイクルポリエステルを使用したピンクのスパンコール・ドレスや、廃棄物から作られた繊維を使用した最先端のテーラリングなど、それぞれがコレクションから独自のルックを生み出している様子は、彼女たちの公式インスタグラムアカウントにてご覧いただけます。
コレクションについて
「Circular Design Story Collection」は、先進的なアイデアと革新的な素材に焦点を当てた、H&Mのサステナビリティにおける画期的なイニシアチブであるInnovation Stories(注1)の最新作です。「持続可能性と喜び」をテーマに、最先端のリサイクル素材や再生可能素材をふんだんに使用した各アイテムを、長く使用するための方法に重点を置いています。本コレクションは、生産形態における循環型のアプローチに対するH&Mのコミットメントを強調するものです。また、各洋服に付属しているQRコードを読み取ると、公式オンラインサイト(hm.com)上のTake Care(テイクケア)ページに特設されている下記リンクに飛び、各製品がどのように循環型を考慮してデザインされているかをご覧いただけます。
「Take Care」ページ
URL: https://www2.hm.com/ja_jp/sustainability-at-hm/our-work/the-latest/2094-the-future-is-circular.html
Innovation Storiesは、サステナブルなファッションへの変革をより一層推し進めるもので、シリーズとして発表する各コレクションでは、未来のファッションを象徴するような、サステナビリティにおける最先端の取り組みに光を当て、イノベーションをさらに次の段階へと押し上げることを目的としています。
本コレクションアイテムは、サーキュレーター(注1)と呼ばれるデザインツールを採用してデザインされており、これによりH&Mのデザインチームは、予想される耐用年数から素材やデザインにいたる戦略まで、衣服の制作プロセスのすべての段階における循環型のアプローチを考慮することが可能になります。サーキュレーターは、H&Mグループがサーキュラー・エコノミー(循環型経済)を目指し、2040年までにクライメイト・ポジティブになるという目標を達成するために開発されたものであり、2025年までにH&Mのすべての製品をこのツールでデザインすることを目標としています。
また、製品が長く、多く愛用されることを念頭に置いた、循環型ファッションの一環となる取り組みとして、本コレクションアイテムの一部をベルリン、アムステルダム、ストックホルムの一部のH&M店舗でレンタルできる施策も導入します。
日本限定アイテムについて
本コレクションには、ストックホルムにあるH&Mのアトリエと、古着回収サービスのパートナーであるI:CO(アイコレクト)との共同により、回収された古着のブレザーを使用した6都市限定のリメイクブレザーをウィメンズラインの一つとして制作しました。アップサイクルやリメイクへの賛辞を表現した本アイテムは、各都市(東京、パリ、ミラノ、ロンドン、ニューヨーク、ストックホルム)ごとに異なるデザインで展開されます。日本ではデジタルプリントが施されたボリューム感のあるフリル付きブレザーを新宿店にて発売します。
キャンペーンについて
「Just before the party starts(パーティが始まる前に)」と題された本コレクションのキャンペーンは、先駆的なフォトグラファーのRafael Pavarotti(ラファエル・パバロッティ)により撮影されました。このテーマは、準備をしている時のワクワクするような感覚や、ファッションを愛する人々の楽観性や個性を表現しており、ドレスアップしたり、ルックを選んだり、鏡の前でポーズをとったり、踊ったり、自由な姿を捉えています。
「H&Mと一緒に、サーキュラー・エコノミー(循環型経済)とポジティブな変化を重視したコレクションを作ることができ、とても誇らしく思っています。このコレクションは、実に多面的で豊かなもので、出かける準備をするときの高揚感や期待、ルックを選んで自分自身をスターにするという特別な感覚を感じることができるでしょう。(スタイリスト、クリエイティブアドバイザー、アイビー・カマラ)
「ファッションには、変化させる力、活気づける力、勇気力を与える力があります。今回のコレクションアイテムはどれもさまざまな着方ができるように作られていることから多目的に使用することができ、また共有したり、受け継いだり、後にリサイクルすることもできます。自分の服を大切にし、おしゃれを愛する人たちのための作品です。」(H&Mコンセプトデザイナー、 エラ・ソッコルシ)
コレクション詳細
商品型数:80種類
商品価格帯:2,499円~49,999円(全て税込価格)
発売日:12月9日(木)
展開店舗:新宿店、および公式オンラインストア(午前9:00より発売予定)なお、心斎橋店にてウィメンズ・コレクションのみ展開いたします。
コレクションのサステナビリティについて
(注1)サーキュレーター
今回のコレクションは、H&Mが開発中の新しいサーキュラー・デザインツール「サーキュレーター」の原則に基づいてデザインされています。サーキュラー・デザインツールは、H&Mの循環型への変革と、気候変動に対応するための道のりをサポートします。サーキュレーターは、デザイナーがデザインプロセスの中で循環型の選択をする、目的を持ったデザインを手助けするものです。 このツールは、現在試作版として公開されており、今後も継続的に開発されていくる予定です。H&Mでは遅くとも2025年までには、このツールの原理を用いてすべての商品をデザインすることを目指しています。これは、サーキュラー・デザインを採用し、実験、対話、試行錯誤を繰り返しながら新しい作業方法を開発することで、衣服の寿命を延ばすことに対する新しい考え方を開拓するという探求におけるH&Mでの最新のステップとなります。本サーキュラー・デザインツールは、エレン・マッカーサー財団*が定義したサーキュラー・エコノミー(循環型経済)の原則に沿って開発されています。H&Mは、このツールを広く業界に提供し、衣料品業界の循環型の変革を支援していきたいと考えています。
*エレン・マッカーサー財団
循環型経済を推進する英国の慈善団体で、企業、政策立案者、学術関係者と協力して、循環型経済のコンセプトを開発、推進しています。
コレクションに使用されている素材や技術について
「Circular Design Story Collection」の主なメッセージは、衣類から衣類への再利用プロセスです。これは、廃棄された衣類や布地を新しい生地に変えることでループを閉じ(廃棄物を出さずに循環させる)、ファッションが使用する資源に責任を持つことができることを示しています。これらの素材や技術の中には、これまでにもH&Mの以前コレクションで起用しているものもあり、優れたアイデアを継続して使用していることを表しています。採用できる素材を見出だした際には、継続的な関係性を築き、毎シーズン、新しいテストや製品、イノベーションを通して改善を重ね、前進することを目指して、業界全体を循環型ビジネスへと近づけるために、サプライヤーにフィードバックを提供しています。
REPREVE(R) Our Ocean(R)
パファー、ドレス、メンズのブレザーやショーツに使用されているリサイクルポリエステルには、海洋に流入する危険性の高い、廃棄されたペットボトルを原料とした繊維であるREPREVE(R) Our Ocean(R)を使用しています。廃棄物を活用することで、海洋保全にもつながり、また新たな資源の使用も抑えることができます。
Cycora(R)
アンバーサイクル社のCycora(R)は、古着や使用済み繊維の廃棄物を利用した素材で、黒地にストラップのディテールを施したウィメンズのパンツに使用されています。この繊維は、サステナブルな方法で調達された木材パルプと、廃棄されたプラスチックやカーペットの繊維など、廃棄物として埋め立てられたり焼却されたりする可能性のあるリサイクル困難な素材を原料としており、これらを使用して新しい高品質の糸を製造しています。これにより、廃棄物が焼却されたり埋め立てられることを防ぎ、また、新たな資源の利用の削減にもつながります。
TEXLOOP™ RCOT™
パーカーとトップスに使用されているTEXLOOP™ RCOT™は、製造工程で発生する廃棄繊維をリサイクルした素材です。廃棄された布地をGRS認証の高品質なリサイクルコットン、RCOT™へと再生します。元の繊維と同等の品質を保つことができ、再度リサイクルすることが可能となります。Texloop™では、リサイクルコットンの配合率が50%まで可能となり、他のオーガニックコットンや他の天然繊維と合わせて新たな布地が作られます。Texloop™によるコットンは土地や水を必要とせず、二酸化炭素の排出量も削減されます。
Vegea™
光沢のあるレザールックのジャケットやシューズに使われているVegea™は、ワインの製造時に廃棄されるブドウの皮、茎、種などの副産物を原料とした革新的なヴィーガンレザーです。廃棄物を削減するだけでなく、動物性の皮革製造に必須となるなめし工程も不要のため、水や化学薬品の使用量を大幅に軽減し、 環境への負荷を抑えることにつながります。
Resortecs(R)のスマートステッチ
ガラスビーズを取り付ける糸には、Resortecs(R)のスマートステッチを使用しています。これは溶解可能な縫い糸で、衣服のライフサイクルが終わったときに、簡単に衣服をパーツ毎に分解して素材を再利用したり、装飾を容易に取り外すことができ、リサイクル工程の簡素化につながります。その他の装飾品はパッチで取り付けられており、リサイクルの際には取り外すことができます。
ECONYL(R)
肌触りの良いシャギーセーターに使用されているECONYL(R)は、廃棄ナイロンから再生されたナイロンです。漁業用の網や、残布、カーペットなどの廃棄物を回収し、再生工程を経て元の純度のナイロン素材へとリサイクルされます。純正ナイロンと同様に無限に繰り返しリサイクルでき、廃棄物への解決策となると同時に、石油由来のナイロン素材と比較して、地球温暖化への影響を軽減することにもつながります。
Naia™Renew
オフホワイトのスリーピースに使用されているNaia™Renewは、サステナブルな方法で調達された木材繊維60%と、プラスチックごみをリサイクルしたもの40%から作られたセルロース繊維です。この製造方法によって、使用する木材資源を減らすことができ、環境への負荷を抑えることができます。
EcoVeroビスコース™
ピンクのジャカード織りシャツとパンツに使用されているEcoVeroビスコース™は、厳しい環境基準をクリアした環境に配慮した生産プロセスを採用し、認証済みのサステナブルに管理された森林の木材を原料とした天然由来の素材です。一般的なビスコース繊維と比較して、二酸化炭素排出量と水への影響を最大50%低減し、国際的に認められているEUエコラベル認証も取得しています。
Innovation Stories(イノベーション・ストーリーズ)について
2021年より展開しているH&M Innovation Stories(イノベーション・ストーリーズ)は、衣料品産業における革新的な素材、技術、製造工程に焦点をあて、シリーズにて展開するコレクションです。毎回異なるテーマを設けており、第一弾として発表した「Science Story(サイエンス・ストーリー)」では、最先端のサステナブル素材を起用し、第二弾の「Colour Story(カラー・ストーリー)」では、環境に配慮した染色方法を採用しました。第三弾の「Co-Exist Story(コーイグジスト・ストーリー)」では、動物由来の素材を一切使用せず、代わりにヴィーガン素材を起用し、PETA認証を得たコレクションを展開しました。そして今回第四弾となる「Circular Design Story(サーキュラー・デザイン・ストーリー)」では、より循環的なデザイン戦略と素材に焦点を当てています。