鳥取県
鳥取県は、一般より公募した「青谷弥生人(あおややよいじん)」のそっくりさん&名前の結果を公式YouTubeチャンネルの生中継にて発表しました。
鳥取県では2000年に鳥取市の青谷上寺地遺跡(あおやかみじちいせき)で発掘された人骨をもとに弥生時代後期(約1800年前)の男性を顔を復元しました。2021年10月に復顔が公開されるやいなや、SNSなどで「誰かに似ている」と話題に。県が行った自薦によるそっくりさん募集には215件、名前募集には626件が集まり、合計すると「やよい」と読める841件となりました。
■そっくりさんに選出され、「とっとり弥生の王国」初代国民に認定された10名
そっくりさんに選ばれた10人には、初代国民として「とっとり弥生の王国」の国民認定証が交付され記念品として「弥生人も食べていた!?とっとりジビエのセット」が贈られました。さらに2022年5月頃に開催予定の「青谷弥生人」大集合ツアーにて、そっくりさんグランプリを決定します。
■1800年の時を経て、ついに名前が決定。「青谷 上寺朗」に。
さらに、「青谷弥生人」の復顔像もついに名前が決定。鳥取県内在住の木村 恵さんの応募作品「青谷 上寺朗」が最優秀賞に選ばれ、鳥取市青谷町の書家・柴山 抱海(しばやま ほうかい)氏による命名書も披露されました。
なお、優秀賞には、「上寺地 弥八(かみじち やはち)」、「ヘラケズリック・トライヤー2世」、「割斗 小顔雄(わりと こがお)」の3点が選ばれています。
■惜しくも受賞を逃したそっくりさんの中から特別賞も
惜しくも選外となりましたが、AI判定による”そっくり度”も高く、印象的で、工夫を凝らしたそっくりさん1組と3名には特別賞として、国民認定証と「鳥取県特産品セット」が贈られました。
【審査方法】
●そっくりさん
App Factory株式会社が開発したアプリ「そっくりさん」を使用して、AIによる「そっくり度」の客観的な数値化を行い、「そっくり度」の高い上位20名をそっくりさん候補とした上で、3名の審査員による採点を実施。合計点の高い上位10名をそっくりさんに決定した。
審査員:譽田 亜紀子(フリーライター)、伊吹 春香(イラストレーター)、
圓井 昌枝(青谷上寺地遺跡の近くにあるカレーの名店「コーヒー&カレー五島」店長)
●名前
事務局による1次審査で「青谷弥生人」にふさわしい、印象に残る、39点を選び、審査会にて審査員による二次審査を経て、最優秀1点、優秀賞3点を決定した。
審査員:岡本 花梨(青谷高等学校 2年生・生徒会長)、石田 竜太(青谷高等学校 2年生・生徒会副会長)
棚橋 恭子(とっとり弥生の王国調査整備活用委員会委員・ヴィオラ奏者)
西村 裕子(とっとりNOW編集長 )、木本 美喜(鳥取県地域づくり推進部長)
■東京・新橋のアンテナショップで期間限定展示が決定!
そっくりさん&名前決定を記念し、2月2日(水)~6日(日)の期間、東京・新橋のアンテナショップ「とっとり・おかやま新橋館」にて、「青谷弥生人」のそっくりさん写真パネル、命名書(写真)を展示いたします。
場 所:とっとり・おかやま新橋館
1階 プロモーションゾーン
住 所:東京都港区新橋一丁目11番7号 新橋センタープレイス
電話番号:03-3571-0092
公開期間:2022年2月2日(水)~6日(日)
公開時間:10:00~閉店まで(20:00) ※最終日は17:00まで
入場料金:無料
公式HP:https://www.torioka.com/
■「青谷弥生人」とは? ~人骨とDNAの研究から約1800年前の弥生人の顔の復元に成功
2000年に鳥取市の青谷上寺地遺跡で大量に出土した弥生時代後期(約1800年前)の人骨のうち、3個体の頭蓋骨に当時の人の脳が残されていることがわかりました。弥生人の脳は国内で初めての発見です。
鳥取県では、国立科学博物館の監修を受けながら、頭蓋骨の形態やDNAの分析結果をもとに「青谷弥生人」の復顔像を制作。遺伝子情報も反映した弥生人の復顔は全国初の試みです。
■復顔像の製作過程
1.頭蓋骨のレプリカを組み立てる。2.骨の欠けた部分を補い、骨に貼り付ける粘土の厚みを示した棒を取り付ける。3.粘土で咀嚼(そしゃく)筋をつくる。4.眼球をはめ込み、表情筋をつくる。5.皮膚をつくる。6.粘土原型の完成。7.粘土は長期間保存できないため、プラスチック(FRP)に置換する。粘土原型をシリコンで型取って雌型をつくり、雌型にプラスチックの材料を流し込んで成形(写真は雌型を外したところ)。8.プラスチック製模型に着色、植毛して完成。
復顔原型制作:戸坂明日香(京都芸術大学 文明哲学研究所)
■国史跡青谷上寺地遺跡とは
鳥取県鳥取市青谷町(あおやちょう)に弥生時代前期の終わり頃(約2400年前)から古墳時代前期(約1700年前)にかけて営まれていた集落遺跡です。弥生時代の歴史を考える上でとても重要な遺跡として、平成20年に国の史跡に指定されました。
山陰地方を東西に結ぶ山陰自動車道の建設に伴って発掘が行われ、弥生時代の人々が活動の拠点としていた微高地から、北陸地方から運び込まれた石材で製作された玉やデザイン性に優れた木器や骨角器など、弥生時代の人々が製作、使用していた様々なものが発見されました。中国で製作された銅鏡や朝鮮半島で製作された鉄器など、当時の貴重な交易品も出土しており、日本海交易の拠点として賑わっていたと考えられています。
令和元年には、土器、石器、鉄器、木器、骨角器など様々な出土品1353点が国の重要文化財に指定されました。令和5年秋には重要文化財に指定された出土品などを展示公開する施設がオープンする予定です。