国際NGOプラン・インターナショナル
孤立し生きづらさを抱えている女の子たちに寄り添う支援
国際NGOプラン・インターナショナル(所在地:東京都世田谷区 理事長:池上清子 以下、プラン)は、2023年1月31日(火)より日本国内における「女の子のための居場所・相談」プロジェクトを本格稼働し、寄付募集を開始します。
プランは、85年以上にわたり世界75カ国以上の「現場」と「仲間」とともに培ってきた経験に基づく豊富な知見を、日本国内で生きづらさを抱えている女の子たちの支援活動に活かすべく、「女の子のための居場所・相談」プロジェクトを2020年以降パイロット事業として実施してきました。世界中の国々で、分断や格差、差別や偏見などさまざまな課題が生み出されている昨今、日本でも、これまで潜在的にありながらも表面化してこなかったジェンダーに関するさまざまな課題が可視化されるようになりました。
この度、満を持して本格化する本プロジェクトは、貧困や虐待、ドメスティック・バイオレンス(DV)、いじめ、性的搾取など、現代社会が生み出す問題に苦しみ、家庭や学校、社会から孤立を深め生きづらさを感じている女の子一人ひとりに寄り添い、彼女たちが前向きな人生を歩めるよう後押しする支援です。
有資格者によるきめ細やかなサポート
プランの活動の特長は、教育、生計向上、子どもの権利や保護、性と生殖に関する健康と権利といったそれぞれの分野で専門の知識を備えたスペシャリストが深く関与し、当事者である子どもや女の子、地域住民とともに地域が最も必要としている支援を見極め、ニーズに即した効果的な活動を行うところにあります。
これは、「女の子のための居場所・相談」プロジェクトにおいても同様です。支援を必要とする女の子たちに、社会福祉士、精神保健福祉士、臨床心理士、助産師といった有資格者がしっかりと向き合い、当事者である女の子や女性たちの声を活動内容に反映させながら、きめ細やかな対応のもと、女の子たちが本来持っている力を発揮し、主体的に人生を選んでいけるよう後押しします。
公益財団法人プラン・インターナショナル・ジャパン理事 村木 厚子からのメッセージ
海外から日本に来られた方から、日本には子どもの貧困、虐待という問題があるようには見えないと言われます。日本人の私たちにとっても、それは目を凝らさないと見えてきません。でも、日本にも支援を必要としている子がたくさんいます。とりわけ、女の子の状況は深刻です。コロナ禍で女性・若者の自殺が増えたことはその表れでしょう。
そんな中、長年途上国で女の子のエンパワーメントに取り組んできたプラン・インターナショナルが国内の女の子たちの支援に乗り出すことで、多くの方に身近に困難を抱えた女の子がいることを知っていただけたらと思います。女の子が自分の人生を主体的に選択できる社会を私たちの足元から一緒に創っていきましょう。
コロナ禍で顕在化した女の子の課題
日本では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミック発生以前より女性の貧困が問題となっており、平成24年版「男女共同参画白書」によると、20代女性の貧困率は15%を超えていました。そのため、国内においても持続可能な開発目標(SDGs)の目標1「貧困をなくそう」の達成は、目標5「ジェンダー平等を達成しよう」とともに取り組むべき課題として掲げられていました。
その後2020年4月に、プランが15歳~29歳の女の子と若年女性を対象に実施した、新型コロナウイルスの影響に関するオンラインアンケートでは、回答者のうち94.2%が何らかの不安を感じており、特に「女性である」という理由から、家事・育児の負担増加、失業等の経済的な影響への不安、DVや性暴力の被害への不安、さらにマイノリティ女性が受ける差別や困難への懸念があることが明らかになりました。
【参考資料】新型コロナウイルスの影響に関する女の子と若い女性の声アンケート集計結果(PDF:603 KB)
https://www.plan-international.jp/news/girl/pdf/200512_survey.pdf