海と日本プロジェクト広報事務局
2024年2月4日(日) 開催地:鳥羽市立海の博物館
一般社団法人日本昔ばなし協会と日本財団が取り組む「海ノ民話のまちプロジェクト」は、2024年2月4日(日)、三重県鳥羽市にて鳥羽市の菅島を舞台に制作したアニメ「海女のトモカヅキ」の上映会とフィールドワークを開催いたしました。
このイベントは、次世代へ豊かで美しい海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環で実施しています。
イベント概要
海女に伝わる民話「海女のトモカヅキ」のアニメを鑑賞
冒頭で、海ノ民話のまちプロジェクトとはどういう取り組みをしているのか説明をした後、海の博物館の平賀大蔵館長が、日本でもっとも海女が多い三重県の鳥羽・志摩地区の海女の生活とその歴史について説明しました。そして、今回のアニメにもなった「トモカヅキ」という妖怪について、各地で残っている伝説を語りました。この後、参加者らは「海女のトモカヅキ」のアニメを鑑賞しました。大きなアワビを手に入れるために無理をしてしまった海女が海に引きずり込まれる様子に、子どもたちからは「怖かった」などの感想が聞かれました。アニメ上映後には、再び平賀館長から、「トモカヅキを見て生きのびた人もいるし、命を失う人もいる。命を大切に、無理をしないというこの戒めは、海女だけでなく、陸で仕事をする人たちにも共通する」と、この民話の持つ学びについて説きました。
海女の生活と歴史、そして装束にある模様などを学ぶ
フィールドワークでは平賀館長と今回の民話の舞台にもなった鳥羽市菅島で海女を営む小寺めぐみさんが講師となり、海の博物館にある「海女に関する展示」を見学しました。アニメの中では海女が漁に使う道具に描かれいた星型の模様についても展示があり、星型の模様が「セーマン」と呼ばれる魔除けで、海女は頭巾や道具などにこの模様を付けて潜ることで、身を守っていることについて説明を受けました。
また、海女は捕りすぎないことで未来に海の豊かな資源を残すために、漁に出る期間が短く設定されていること、大きさが一定以下のアワビは海にかえしていることなど、古くから伝わる持続可能な漁の手法について学びました。最後に参加した子どもたちは、今日の学んだことについて絵日記を書いて、理解を深めました。
参加者の声
「持ってきたアワビを取ったら引きずり込まれるところが怖かった」
「海女さんが一所懸命捕ってきてくれたものをありがたいと思って食べたい」
「怖かったけどすごく面白くて、イベントも楽しかった」
今回の作品(海ノ民話アニメーション)の視聴URL
タイトル「海女のトモカヅキ」
視聴URL https://uminominwa.jp/animation/57/
<団体概要>
団体名称 :一般社団法人日本昔ばなし協会
URL :https://www.nippon-mukashibanashi.or.jp/
海ノ民話のまちプロジェクト
「海ノ民話のまちプロジェクト」は、海と深く関わりを持つ日本という国の「海との関わり」と「地域の誇り」を、子供たちに伝え語り継ぐプロジェクトです。日本中に残された海にまつわる「民話」「伝承」を選定し、
次の世代を担う子供たちから、さらに次の世代へと語り継ぐ機運醸成を図ります。この活動を多くの方に知っていただき、「海」との関わりを考える機会にしていただくために活動しています。
公式HP https://uminominwa.jp/
Youtube https://www.youtube.com/channel/UCi0_5K6G1yYKYgBL9AFjeGQ
Twitter https://twitter.com/uminominwa
日本財団「海と日本プロジェクト」
さまざまなかたちで日本人の暮らしを支え、時に心の安らぎやワクワク、ひらめきを与えてくれる海。そんな海で進行している環境の悪化などの現状を、子どもたちをはじめ全国の人が「自分ごと」としてとらえ、海を未来へ引き継ぐアクションの輪を広げていくため、オールジャパンで推進するプロジェクトです。
https://uminohi.jp/