ダイソン株式会社
James Dyson Award 2024 エントリー期間: 2024年3月6日から7月17日
国内最優秀賞受賞者には5,000ポンド(約87万円)¹、国際最優秀賞受賞者には30,000ポンド(約520万円)¹の賞金授与と、自身のアイデアを多くの人に届ける機会を提供
これまでに400人以上の若き発明家を表彰し、総額100万ポンド以上(約1億7000万円)を投資
James Dyson Foundationが運営する国際学生デザイン・エンジニアリングコンペであるJames Dyson Award(以下JDA)の募集を本日開始しました。本アワードは、エンジニアリング、デザインを学ぶ学生や卒業生にとって、世界規模の課題を解決するアイデアを、世界に発信できる機会です。加えて、国内最優秀賞受賞者には5,000ポンド(約87万円)、国際最優秀賞受賞者には、30,000ポンド(約520万円)が提供されます。エントリー期間は2024年3月6日から7月17日までで、全世界同時にエントリーの募集をしております。
若き発明家のアイデアこそ、世界に影響を与える大きな可能性を持っている
本アワードは、医療現場での問題や環境問題など、グローバルな課題の解決に取り組む作品を募集しています。過去の受賞作品には、紛争地域から負傷者を救出するためのオフロード救急車トレーラー(The Life Chariot / https://www.jamesdysonaward.org/2023/project/the-life-chariot/ ) や、視覚障害のある人が安心して横断歩道を渡るための歩行者用信号認識プロダクト(AISIG / https://www.jamesdysonaward.org/2023/project/aisig )、重力を使わない点滴カプセル(The Golden Capsule / https://www.jamesdysonaward.org/2023/project/the-golden-capsule )などが含まれています。 2005年に開始した設立されたこのコンペは、これまでに400人以上の若手発明家を表彰しており、総額100万ポンド以上(約1億7000万円)の投資をしています。過去の国際最優秀賞受賞者の内3分の2以上が、受賞後自身のアイデアを実装化することで成功を収めています。
ジェームズ ダイソンはこのアワードに関して以下のように述べています。
「世界には、世の中の様々な問題を解決する人が必要です。毎年、このアワードは、医療や環境問題を解決するアイデアを持つ若いエンジニアに投資をする機会を与えています。彼らの斬新な発想がサステナブルな材料の開発や、エンジニアリングで人々の生活をより良くする方法を見出す突破口に繋がるのです。今年も新たな発明に出会えるのを楽しみにしています!」
過去の受賞者の成功
受賞による国際的なメディア露出と賞金の獲得により、過去の受賞者の多くが成功を収めています。2009年の国際最優秀賞受賞者であるYusuf Muhammad氏は、Automistを開発しました。これは、従来のシステムよりも水の消費を10倍少なくするメカニズムを使用し、家庭内での火災を鎮めるための装置です。現在、Yusuf氏は13,000台以上の導入を実現し、アメリカでの展開を見据えて国際認証を取得しています。彼は「このアワードを受賞したことで、私は大きな自信と成功へのスタートを切ることができました。会社を立ち上げ、世界中の家を保護し、命を救う製品を作っています。JDAは、自分のアイデアを世界に発信する素晴らしい機会です。」と述べています。
他の受賞例:
-Prolo (2019年国際TOP20受賞 – 日本) : 子供用自転車のヘルメットとロックの連動システム。親の目の届かないところでも、子供に確実にヘルメットを着用してもらうことを目的としています。
https://www.jamesdysonaward.org/ja-JP/2019/project/prolo
-mOm incubators(2014年 国際最優秀受賞 – イギリス): 低コストの、折りたたみ可能で携帯可能な乳児保育器で、ウクライナで赤ちゃんの命を救うのに成功しています。
https://www.jamesdysonaward.org/news/mom-wins-2014-james-dyson-award/
-E-coating (2023年 サステナビリティ賞 – 香港): 廃ガラスを再生して作られた素材で、エアコンなどの電力消費量を削減する、1つで2つの問題を解決する環境に優しいソリューションです。
https://www.jamesdysonaward.org/2023/project/e-coating/
James Dyson Award 2024 開催概要
募集課題: 問題解決のアイデア
応募締切(日本時間): 2024年7月17日(水) 午前8時
応募対象: 18歳以上のプロダクトデザイン、エンジニアリング(工学)、、工業デザインを専攻する学生(専門学校、高等専門学校、短期大学、大学、大学院)や卒業・修了して4年以内の方
応募方法: JDA ホームページ にてユーザー登録後、必要提出物を所定フォーマットに入力して応募
賞および賞金:
審査のプロセス:
-国内審査: 応募作品は、外部の審査員とダイソンのエンジニアによって、まず国内レベルで審査されます。各対象国では、国内最優秀賞受賞者と国内準優秀賞受賞者が選出されます。
-国際TOP20審査: 国際審査では、ダイソンのエンジニアが、各国の国内審査を通過した作品より、国際TOP20を選出します。
-国際最優秀賞審査:最終審査では、ジェームズ ダイソン自身が国際TOP20作品から国際優秀賞受賞者を選出します。
<JDA2024 国内審査員>
緒方 壽人氏 デザインエンジニア/Takram ディレクター
東大工学部からIAMAS、LEADING EDGE DESIGNを経てTakramに参加。月面探査車の意匠コンセプトから、メーカーの製品開発、ショップや展覧会のディレクションまで、デザイン、エンジニアリング、アート、サイエンスを行き来し領域横断的な活動を行う。近著に『コンヴィヴィアル・テクノロジー』。
「JDAのテーマは一貫して「問題を解決するアイデア」です。昨今、社会全体や長期的な未来に目を向ける俯瞰的な「鳥の目」を持たなければ解決出来ないような課題はますます多くなっています。しかし そこには同時に自分自身や身近な誰かが今直面している問題に目を向ける当事者としての「虫の目」 もまた大切です。既存の概念にとらわれない多様な問題発見の切り口と、それを解決するエンジニアリングのアイデアがたくさん応募されることを期待しています。」
川上 典李子氏 デザインジャーナリスト
デザイン誌「AXIS」編集部を経て1994年に独立。企業やデザイナーの取材、執筆を行うほか、2007年より21_21 DESIGN SIGHT アソシエイトディレクターとしても活動。「London Design Biennale 2016」日本公式展示キュレトリアル・アドバイザーを始め国内外でのデザイン展の企画にも関わっている。武蔵野美術大学 工芸工業デザイン学科客員教授。長岡造形大学、桑沢デザイン研究所非常勤講師。
「JDAは若手エンジニア、デザイナーの革新的なアイデアを募り、熱意を称えて支援する国際的なアワードです。提案を広く世界に伝えられる機会でもあり、受賞者からは多くの起業家が誕生してきました。受賞者間のネットワークなどJDAならではの魅力も備えています。まずは、どのような課題や問題点に目を向けるのか。解決に向けた検討の過程と社会実装への道筋も重要です。社会をより良いものへと変えていけるのは、一人ひとりの姿勢と創造的な活動にほかなりません。本年も多くの皆さんがチャレンジしてくれることを期待しています。」
八木 啓太氏 デザインエンジニア/Bsize(ビーサイズ株式会社)代表取締役
2011年、ハードウェアスタートアップBsizeを設立。同年、世界で最も自然光に近いLEDデスクライト“STROKE“を上市し、たったひとりの家電メーカー「ひとりメーカー」として話題に。NHK連続テレビ小説「半分、青い。」で「ひとりメーカー」公証として制作協力。現在は、AI・IoT技術を応用した見守りロボット BoTシリーズを展開。JDA2006入賞。その他受賞歴に、Good Design賞、Red Dot賞、iF賞 等。
「JDAは、自らのアイデアを具現化し、発展させ、ひいては社会実装していく為の、またとない機会です。
実際に、過去の国内外の応募作品の多くが、その後、量産化やサービスローンチに成功し、社会問題の実効的ソリューションとして発展を続けています。
私自身、学生時代にJDAで受賞したことが、のちに弊社Bsizeを創業するきっかけにもなりました。
ぜひ、皆様の創造的挑戦のマイルストーンとして、JDAに応募をされること、そしていつかそのプロダクトのユーザーとなる日を楽しみにしています。」
菅原祥平 ダイソン社 デザインエンジニア
ダイソン初の日本人デザインエンジニア。2017年より英国マルムズベリーのNPI(New Product Innovation)所属。Floorcare部門にてdigital slim, Omni-glide, gen5detect やその他掃除機製品の開発に関わった後、現在はHaircare部門にて製品開発に携わる。自身も2014年のJDAで国際Top20を受賞。
「デザイナー、エンジニアなど、ものづくりに関わる職業は様々ありますが、自分たちの作るものを通して世界をより良くしようという想いは共通しています。“あんなことが出来たらいいな“ それを実現しにいくのが私たちの役割です。プロトタイプ第1号は上手くいかなかったかもしれません。しかし大抵そういうものです。そこから学びどう改善するかが大切であり、私たちはその過程に興味があります。皆さんが感じているプロジェクトへのワクワク感と、現在どの段階にあるのかを是非教えてください。」
参考資料:
1 賞金参考金額: 1ポンド=174円 受賞発表時の為替相場に応じて換算予定
2 グローバル応募受付締切時間(PST): 7月17日(水) 夜中
ジェームズ ダイソン財団(James Dyson Foundation)
2002年に英国で設立されたジェームズ ダイソン財団は、現在では英国以外に、米国や日本、シンガポール、フィリピン、マレーシアといった世界中の国々で、デザイン、テクノロジー、エンジニアリング教育事業をサポートしています。ジェームズ ダイソンとジェームズ ダイソン財団はこれまでに慈善目的で1億4,000万ポンドを超える寄付を行ってきました。これには、インペリアル・カレッジ・ロンドンにダイソン スクール オブ デザイン エンジニアリングを設立するため行った1,200万ポンドの寄付や、ケンブリッジ大学にダイソン センター フォー エンジニアリング デザインおよびジェームズ ダイソン ビルの設立に向けた800万ポンドの寄付が含まれます。
ジェームズダイソンアワード(James Dyson Award)
ジェームズ ダイソン アワード(https://www.jamesdysonaward.org/ja-JP/)は、同財団が毎年開催しているデザインコンペティションで、デザインおよびエンジニアリングを学ぶ学生を対象としています。 2005年の開始以来、同賞は世界中で400以上の発明を支援し、その商業化をサポートする資金を提供してきました。