HAPPY WOMAN実行委員会
「今この瞬間を一生懸命輝けば、明日も輝くだろうし、明後日も輝ける」尾木ママこと尾木 直樹氏(教育評論家)が国際女性デーに熱い思いを届ける
「女性のエンパワーメントとジェンダー平等」を目的としているHAPPY WOMAN実行委員会(実行委員長:小川孔一 事務局:一般社団法人HAPPY WOMAN)は、8年目を迎える『国際女性デー|HAPPY WOMAN FESTA 2024』において、『国際女性デーセミナー|HAPPY WOMAN SEMINAR』を3月8日にウェスティンホテル東京で開催しました。
幸せに生きる力 ~ありのままに今を輝く~
ホワイトボードには、尾木ママの直筆で書かれた紙が貼り出されました。講演の要点をまとめたものでしたが、会場の広さに対しては小さかったようで、「これ、皆さんには見えないわよねえ。こういうの、自己満足って言うのよね」と言うと、会場は大爆笑。
そして尾木ママは、なぜ「幸福論」が求められているかについて解説してくれました。
「今、幸福になりたいと感じている人は日本だけでなく世界中にいて、アメリカの名門校・イェール大学でも幸福学の講座を開設したところ、8倍の受講者が殺到したっていうんですねえ。
それと同時に、『ウェルビーイング』という単語もとてもよく聞くようになりました。これは『ハピネス』にも似ているけど、それよりももっと継続的な、持続的に“いい状態”に自分を置くことを指しているんですね」
と、「ウェルビーイング」も「幸福論」と同じく、幸せを追求したいという現代人の心のあらわれではないかと、尾木ママは語ります。
そして、幸せの追求を考える上で切り離すことのできないテーマとして、<セミナー2>のテーマでもあった「自己肯定感」について、意外にも尾木ママは警鐘を鳴らします。
「『自己肯定感を高めよう』ってよく聞くでしょう。僕はこの言葉、ちょっと気をつけないといけないと思ってるんです。
なぜなら、自己肯定感には2種類あって、『社会的自己肯定感』と、心理学的に言うところの『絶対的自己肯定感』があるのね。で、学校なんかでは、社会的に認められることで肯定感を高めていくことをしがちなの。
たとえば、通知表にある数字だけを見て子どもを判断しちゃうと、『前は4だったのに今回は3だね』と、表層的な見方・価値観になってしまう」
と語り、「社会的自己肯定感」ではなく、「絶対的自己肯定感」を育むコツを教えてくれました。そのポイントは、家庭での「声がけ」です。
「どんなに成績は悪くても、『私は自分のことが大好き』と思えるような、絶対的な自己肯定感の高い子を育てるのは、家庭の力が 7割、8割じゃないかなと思います。
そこで大切なのは、結果ではなくてプロセスを見て褒めてあげること。たとえば数学の成績が前回より落ちたとしても、その子が努力した点を見つけて、そこを評価してあげるの。
『この前はテスト前でも遊んでることが多かったけど、今回は一日30分、ちゃんと勉強してたもんね』という感じ。家庭の役割は、こういう時にとっても大事だと思うんです」
コロナ禍で人とのつながりが断絶され、戦争が勃発し、地球温暖化からさらに進んだ地球沸騰期へーー。さまざまな不安の波が押し寄せる現代においても、尾木ママは希望を見出していると語ります。
「私はそれまで“ママ”じゃなかったけど、明石家さんまさんの番組ではじめてバラエティ番組に出たら、『尾木ママ』になっちゃった。勤め先の法政大学に『あんな教授はやめさせろ』ってクレームもたくさんきちゃって、もうクビになるかなって思ったら、大学の広告塔として頑張ってほしいと、定年も延長させてくれたの(笑)。人生はセレンディピティが溢れてて、ピンチがチャンスになることもあるのよ。
それと、今は『子ども新時代』が来ています。日本ではこども基本法ができて、こども家庭庁が創設されました。『こどもまんなか社会』を合言葉に、昨年発表された『子ども大綱』の中には、子どもに関わる政策を決定する時には必ず、子どもの声を聞かなきゃいけないという決まりもできた。
そんな子ども新時代の今、大人たちは、子どもの話しに『どうしたの?』と言って耳を傾けてください。聞き上手の大人が、子どものリーダーとして尊敬されます。ここに部下を持つ上司の方がいたら、それもおんなじよ(笑)」
そして講演の締めくくりに、テーマでもある「ありのままに今を輝く」について、こう語ってくれました。
「日本人は、『頑張れ』ってよく言うでしょう。でも、私はあんまり好きな言葉じゃなくて。
だって、今生きている人で、頑張ってない人なんていませんよ。だから、いつも僕は色紙にも『ありのままに今を輝く』って書くんです。今この瞬間を一生懸命輝けば、明日も輝くだろうし、明後日も輝ける。そうやって見通しがつくでしょう。
だから、子どもを認めて褒めてあげる。そうすれば、エンパワメントされますから」
最後には、尾木ママが現在携わっている包括的性教育にも触れ、「望まない妊娠や性暴力に対して学ぶことが、本当の意味でも男女平等につながる」ということも強く訴え、会は大盛況で終了しました。
パートナー
SDGs「目標5:ジェンダー平等を実現しよう」は他のすべての目標と不可分であると明記されています。ジェンダー平等はSDGsの実現になくてはならない横串です。
【協賛】チョコラBB/森永乳業株式会社/ウェスティンホテル東京/マリオット・インターナショナル他
【後援】 国連広報センター/国連開発計画(UNDP)駐日代表事務所/内閣府男女共同参画局/外務省/厚生労働省/東京都/グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン/日本商工会議所青年部 他
※「HAPPY WOMAN(R)️」および「HAPPY YELLOW(R)️」は一般社団法人 HAPPY WOMANの登録商標です。