株式会社資生堂
資生堂の総合美容施設「SHISEIDO THE STORE」(シセイドウ ザ ストア)は、独自の時間軸、5つの季節~芽吹きの季節・新緑の季節・花ひらく季節・結実の季節・蓄えの季節~を設定。現在、結実の季節を展開しております。
《ウィンドウディスプレー》
今年1月から、中央通りと花椿通りにそれぞれふたつずつ設けた「SHISEIDO THE STORE」のウィンドウディスプレーのアートディレクションを、日本の伝統的な美術や工芸、また歴史や哲学を取り入れながら、独自の視点で現代アート作品を発表しているミヤケマイ氏が手がけています。
「結実の季節」を制作したのは、現代アートの諸泉茂氏と工芸作家の満田晴穂氏。実りの秋にふさわしい、内省的で豊かな作風が魅力。秋らしい知性と落ち着きがビル全体を包んでいます。
涼しさ、暖かさという体感を視覚化するアート
中央通りに面した正面エントランス両脇のウィンドウの作品を手がけた諸泉氏は、夏の気配を感じるガラスの温度計を用いて、温度に反応する水銀柱の動きで、自然の変化を視覚化する作品を発表。水銀という金属を五色に着色した温度計を、色ごとに並べ、温度で見せた五本の水平線。私たちが体感する季節の変わり目を、銀座の一瞬の風景として記憶に留めます。また、それぞれのウィンドウ内に設置した温度記録用装置が描く過ぎ去っていく日々の軌跡を、オートマチックドローイングに見立てています。
緻密な自在置物に聴く、微かな秋の声
花椿通りに面したふたつのウィンドウには、多くのコレクターを魅了する満田氏の自在置物の昆虫を配しました。右のトンボの世界から左のクツワムシの世界へ、晩夏から初秋という微妙な季節の動きが表現されています。自在置物とは甲冑職人の技術から派生した伝統的な金属工芸品。鉄や銅、合金を用いて昆虫や魚、鳥、甲殻類、龍など生物や架空の生き物を写実的に表現するだけでなく、胴体、脚部や触覚の節まで精緻につくり、実物のように動かせるのが特徴。テクノロジーと美が凝縮した工芸品は、ごく小さな存在にも関わらず、道行く人の視線を惹きつけます。
中央通りと花椿通りの4つのウィンドウを楽しんだら、ぜひ4階の「SHISEIDO THE TABLES」へ。エレベーターを降りたホール前のセレクトグッズショップに設けた、小さなギャラリーコーナーでは、ミヤケ氏自身やディスプレー参加作家の作品を、テーマに合わせてセレクトし展示販売。現在諸泉氏の作品を2点展示販売しています。
▼ミヤケマイ
アーティスト。日本の伝統的な美術や工芸の繊細さや奥深さに独自のエスプリを加え、過去と現在、未来までをシームレスにつなげながら物事の本質を問う作品を制作。骨董、工芸、現代アート、デザインなど既存のジャンルを超えて活動している。大分県立美術館(OPAM)、水戸芸術館、Shanghai Duolun Museum of Modern-Art、POLA美術館などでの展示及び、現在 東アジア文化都市2018金沢 『変容する家』2018年 9月15日 – 11月4日金沢21世紀美術館と釜山市立美術館のグループ展『ボタニカ』2018年 8月24日 – 2019年 2月17 日にて展示中。2008年パリ国立美術大学大学院に留学。作品集に『膜迷路』(羽鳥書店/2012年)、『蝙蝠』(2017年)など。京都造形芸術大学客員教授。
http://www.maimiyake.com
▼諸泉茂
1954年神奈川県生まれ。1979年多摩美術大学彫刻学科諸材料専攻卒業。1998年より「Psi」を結成しパブリックアートに参加。1999-2001年FUJINO国際アートシンポジウム企画運営。2010年台北当代芸術館にて個展開催。作品集『℃』出版。2012年「Aqua-Ignis」に作品を常設(三重県)。国内外で個展・グループ展を多数開催するほか、フィールドワークを行う。
http://moroizumi.art.coocan.jp/MOROIZUMI/MOROIZUMI-Top.html
▼満田晴穂
1980年鳥取県で生まれ、千葉県我孫子市で育つ。2002年東京藝術大学美術学部工芸科入学。在学中に自在置物師・冨木宗行氏と出会い、自在置物作家を目指す。2006年同大学卒業。2008年同大学美術研究科修士課程彫金研究室修了。国内外で個展・グループ展を開催。2018年9月14日より東京・銀座の和光ホールにて開催のグループ展「融合する工芸?見つけた伝統のアシタ?」に参加。
http://m-haruo.com
《店内音楽》
音楽家・蓮沼執太氏制作による店内音楽。それぞれの音が独自の空間と時間を持ち音同士が互いに影響を与え合い、生減盛衰によって循環していくイメージ で制作。メロディー、リズム、ハーモニーと呼ばれる西洋音楽の仕組みを意識せず、音楽に空間性を持たせております。また、五季音として、それぞれの季節を表わす音が展開され、季節が変わるごとに音楽が変化していくような流動的な音楽です。
▼蓮沼執太
1983年東京都生まれ。音楽作品のリリース、蓮沼執太フィルを組織して国内外でのコンサート公演をはじめ、映画、演劇、ダンス、CM 楽曲、 音楽プロデュースなど、多数の音楽制作をする。また「作曲」という手法を応用し物質的な表現を用いて、彫刻、映像、インスタレーションを発表し、個展形式での展覧会やプロジェクトを活発に行っている。
《SHISEIDO THE TABLES》
食や知を通し内側から美を探求する、資生堂の総合美容施設SHISEIDO THE STORE4階のカフェ&コミュニティスペース。「FOODS」「GOODS」「BOOKS」3つのシーンを常設。季節を四季ではなく五季と捉え、オケージョンに合わせた食事やオリジナルイベントを開催。訪れる人が自分本来の美しさを取り戻すためのご提案をします。
五季膳 3,500円 土・日・祝日15組限定 要予約
農家の人たちが自家採種をして育ててきた古来種野菜を中心に「種、根、葉、花、実」という「野菜の一生」を調理して5つの器へ盛り付けた一汁三菜。甘み、ほろ苦さ、土の香りなど野菜の個性をおたのしみください。
白味噌のクレーム・ブリュレ 季節の果実添え 1,000円
SHISEIDO THE TABLESオリジナルの白味噌をかくし味に使ったクレーム・ブリュレに、洋ナシと生姜と黒糖のメレンゲをトッピングしました。
※食材は仕入れ状況によって変更する場合もございます。
《BOOKS》
SHISEIDO THE TABLESでは、世界中の美しい本をセレクトし、季節ごとに様々な切り口でご紹介していきます。結実の季節のブックセレクションは「拡張するファッション」がテーマです。
瞬間的に生まれては消えていくファッション。それは奇抜で独創的な世界を創り出し、驚きに満ちたパンクな美を表現する一方で、エレガントでやさしい表情としても振る舞います。大胆かつ先進的なデザイナーたちが遺した、クリエイティブで贅沢で完璧な美のビジョンは、今なお色あせることはありません。
セレブリティを変幻自在に着飾ったポップでシックな絵本、リアリティと奇想とトリックに満ち溢れたメイキャップ集、東西の粋な文化に彩られたお洒落感覚を披露する極上のエッセイ集など、時を超えて表現される拡張するファッションを、世界のビジュアルブックからご紹介いたします。
《SHISEIDO THE STORE》
資生堂の総合美容施設「SHISEIDO THE GINZA」は、「SHISEIDO THE STORE」(シセイドウ ザ ストア)と 店名を新たにし、長年の研究や蓄積に裏付けられさらに進化し続ける「知見」、「技術」、「ブランド価値」、「文化的価値」を体現した資生堂 本店として2018年1月19日(金)にグランドオープンしました。
「SHISEIDO THE STORE」は、銀座を訪れる国内外のお客さまに対し、資生堂が培ってきた美のソリューションを 総合的に提案する唯一の施設です。今回 1 フロア増床し、多様化するお客さまのニーズに応えるべく、化粧品販 売に留まらず、エステティックやヘアメイクアップなどの美容サービスとフォトスタジオでの撮影サービス、個室で の美容レッスン、カフェ機能をもったコミュニティスペース、美容セミナー等のコンテンツを用意しました。それぞれの分野の美容 のスペシャリストが、お客さまの「日ごろの美に関する悩み」から、「特別な日のためにかなえたい美」まで、さまざまなライフスタイル、オケージョンに寄り添った美容ソリューションを提案し、一人ひとりの最高の美しさを実現します。