辰巳出版株式会社
80~90年代にかけて空前絶後の存在感を示した小泉今日子の多種多様な楽曲群や音楽性にフォーカスし、圧倒的な魅力、楽曲の素晴らしさについて再検証する一冊『小泉今日子の音楽』が辰巳出版から発売されました。
1982年のデビューから1990年代までを中心としつつ、さらに2013年『潮騒のメモリー』に至るまで、シングル(計39枚)・アルバム(計21枚)をリリースされた年代順に辿ります。また、担当ディレクター・田村充義さんをはじめ、当時のスタッフへの綿密な取材によるさまざまなエピソードも満載に、音楽業界や作家陣など、楽曲の背景にも触れつつ意欲的に解説していきます。
●「はじめに」より
小泉今日子は歌手であり、女優であり、作詞家であり、エッセイストであり、演出家で
あり、プロデューサーであり、自身が設立した「株式会社明後日」の社長でもある。
現在も精力的にマルチな活動を続けるキョンキョンだが、その出発点はアイドル歌手であり“音楽”だ。音楽活動は彼女の多彩な活動のひとつにすぎないが、原点はそこにある。
1982年3月、小泉今日子は『私の16才』でデビューした。私は当時15の高校1年生。以降、同世代としてリアルタイムでその活動を見て楽曲を聴いてきた。
トップアイドルとなった彼女は、先鋭的なアーティストや作家たちと組み、ジャンルに
とらわれない数々の名曲を世に送り出し、やがて時代を象徴するアイコンとなっていった。
今は、過去の楽曲や動画を簡単に聴いたり観たりできるので、若いキョンキョンファンも増えている。後追いで曲を聴いた平成生まれ世代と話すと「小泉さんってこんなことを80年代にすでにやってたんですか?」と驚いている人も多い。クリエイティブ精神の塊であり古びていない小泉今日子の楽曲は、絶対にもっとちゃんと聴かれるべきなのである。
一方「『私の16才』と『なんてったってアイドル』と『Fade Out」がどうしても1つにつながらないんですけど、間に何があったんですか?」という声も。ごもっとも(笑)。
過去の楽曲を聴く際に、当時の時代背景も含め“1本の線”でシングル・アルバムを発売順に解説した、通史的な楽曲ガイドがあるといいのに……という要望も聞いた。
このサブスク時代、気軽に手に取れて、当時を知らない方でも楽曲の背景や時代性が把握できる本が必要だと強く感じた。リアルタイム世代の方もきっと新しい発見があるはずだ。私が本書を執筆した理由は、まさにそこにある。
本書では、小泉今日子の担当ディレクターを長年にわたって務めた田村充義氏にロングインタビューを行い、その曲が生まれた背景や、制作過程などについてあらためて詳細に伺った。
この貴重な証言とさまざまな資料によって、デビューから田村氏が担当を離れるまでの間にリリースされたシングル38枚、アルバム21枚を、「孤独」「変革」「頂点」「進化」「邂逅」「回帰」の6期に分けて解説。このワードは各時代の代表曲と、本人の状況にもリンクしている。特に作詞家・作曲家・編曲家のチョイスについては重要なので、あえて詳しく記した。当時の主要なJ-POPの作家たちが多く関わっていることに驚かれると思う。また、2013年のシングル『潮騒のメモリー』も加え、当時私が感じた空気感も含め綴ってみた。
本書は既存のアイドル楽曲に飽き足らず、新しい地平を切り拓こうと試みた歌手とディレクターによる“戦いの歴史”でもある。ぜひ、曲を聴きながらお読みください。
●シングル39枚+アルバム21タイトル完全収録
まさに「小泉今日子の音楽」のすべて!
<SINGLE>
私の16才、素敵なラブリーボーイ、ひとり街角、春風の誘惑、まっ赤な女の子、半分少女、艶姿ナミダ娘、クライマックス御一緒に、渚のはいから人魚/風のマジカル、迷宮のアンドローラ/DUNK(男区)、ヤマトナデシコ七変化、The Stardust Memory、常夏娘、ハートブレイカー、魔女、なんてったってアイドル、100%男女交際、夜明けのMEW、木枯しに抱かれて、水のルージュ、Smile Again、キスを止めないで、Good Morning-Call、夏のタイムマシーン、快盗ルビイ、Fade Out、学園天国、見逃してくれよ!、La La La…、丘を越えて、あなたに会えてよかった、自分を見つめて/1992年、夏、優しい雨、My Sweet Home、月ひとしずく、BEAUTIFUL GIRLS、オトコのコ オンナのコ、Nobody can,but you、潮騒のメモリー
<ALBUM>
マイ・ファンタジー、詩色の季節、Breezing、WHISPER、Betty、Today’s Girl、Flapper、今日子の清く楽しく美しく、Liar、Hippies、Phantásien、BEAT POP、ナツメロ、KOIZUMI IN THE HOUSE、Ballad Classics II、 No.17、afropia、Bambinater、TRAVEL ROCK、オトコのコ オンナのコ、KYO →
●CONTENTS
●著者プロフィール
チャッピー加藤
1967年生まれ。愛知県出身。上智大学卒業。構成作家、コメンテーター、ラジオDJ。歌謡曲と野球をこよなく愛し、アナログのシングル盤を5000枚超所有するコレクターとしても知られる。著書に『昭和レコード超画文報1000枚』(303BOOKS)がある。
●商品概要
タイトル:小泉今日子の音楽
著者:チャッピー加藤
体裁:四六判/本文256ページ
定価:1,760円(本体1,600円+税10%)
発売日:2024年7月31日
発行元:辰巳出版株式会社
ISBN:978-4-7778-3109-8
●販売先URL
Amazon:https://www.amazon.co.jp/dp/4777831094
楽天ブックス:https://books.rakuten.co.jp/rb/17894645