SwissPrimeBrands株式会社
スイス高級時計産業の聖地で作られる高級時計ブランド
スイス高級時計産業の聖地で生まれた高級時計ブランド「ローマン・ゴティエ」。その伝統的な高級時計作りを体験していただく招待制イベント「マスタークラス」を東京にて開催。ロンドンに続く二か国目の開催となった今回の「マスタークラス」において、顧客の方々に、ローマン・ゴティエの時計の美しさの根幹である「スイスの伝統的な手作業による時計部品の仕上げ」を体験していただきました。
スイス高級時計産業の聖地・ジュウ渓谷の高級時計ブランドである「ローマン・ゴティエ」。創業者であるローマン・ゴティエはスイスの伝統的な高級時計作りの継承者であり、同時にエンジニアのバックグラウンドを活かした理論的なアプローチを、伝統的な時計作りと組み合わせることで世界の時計愛好家から高い評価を得ています。2013年には時計界のオスカーともよばれる「ジュネーブウォッチメイキンググランプリ」において、男性複雑時計部門のグランプリを受賞しました。すべての時計はムーブメントも含めてローマン・ゴティエ本人により設計され、彼の指揮の下、自社工房にて仕上げまで行われます。極めて高いレベルの仕上げを有するのが特徴で、年間生産本数は約60本です。2018年夏、スイスの伝統的な高級時計作りを体験していただく招待制イベント「マスタークラス」を東京にて開催いたしました。世界ではロンドンに続く二か国目の開催です。ブランドの最高責任者ローマン・ゴティエと共に、金属加工の魔術師との評価をもつ職人、シルヴィー・デヴォーが来日し、招待客の皆さまに昔ながらの工程を丹念に仕上げていく高級時計作りの神髄を体験していただきました。
写真:ジュネーブウォッチメイキンググランプリ男性複雑時計部門グランプリ受賞作品
「ロジカル・ワン」(18Kホワイトゴールドモデル:本体価格18,000,000円)
写真:バーゼルワールド2018新作
「インサイト・マイクロローター」(ADLCブラックチタンモデル:本体価格9,000,000円)
写真:プレステージHMS裏側の仕上げ。各部品の美しい面取りが特徴。
「プレステージHMS」 (18Kホワイトゴールドモデル:本体価格9,000,000円)
今回、「マスタークラス」にて職人指導の下、招待客の皆さまには「スイス、ジュウ渓谷における伝統的な手作業による時計部品の仕上げ」を体験していただきました。ローマン・ゴティエの時計は、高い加工精度(±2ミクロン(1000分の2ミリ))を誇るのですが、時計の仕上げの美しさを追求する上で、どうしても人間の手で行わなければならない箇所も存在します。その象徴とも言えるのが、パーツの面取りです。現在、高級時計作りにおいて一般的に行われている面取りは、回転する砥石に部品を押し当てて行われているのですが、丸みを帯びた断面や、内側の鋭角部分の面取りは人間の手でしか実現しえないのです。今回の「マスタークラス」において、その「手作業の面取り作業」の一部工程を体験していただきました。
写真:「ロジカル・ワン」に使われているブリッジと呼ばれる部品。面取りの断面が丸く、内側の鋭角部分も美しく仕上げられている。
当日、招待客の皆さまに体験していただいたのは、ローマン・ゴティエの三針時計「プレステージHMS」のムーブメントに使われているブリッジの一つの面取りです。ローマン・ゴティエの時計に使われている部品の中でも、形状としてはシンプルな部品です。(以下、写真撮影:吉江正倫)
写真:今回使われた道具。左端に写る青い粉がダイアモンドペースト、その隣の木がスイス高級時計作りに伝統的に用いられてきたジャンシャン(リンドウの一種)
写真:今回使われたブリッジ(仕上げ前の状態)
面取りは大きく5つのステップに分かれます。
プロの職人が全てのステップを経て、この小さなパーツ1つに面取りを施すのに約8時間要します。
Step 1: 側面の面取りする部分に黄色く、色をつける
– ブリッジの側面に並行の線を引きます。
Step 2: スチールのやすりで丸みを帯びた面取りを行う
– 面取りの面がフラットではなく、丸みを帯びています。
– この工程には手で面を削り出し、磨く作業、受け石を置くほぞ穴を手で磨く作業や、フラット部分にハンドフロスティングを施す作業が含まれます。
Step 3: アルミナを用いた仕上げ
-アルミナを使い、面を整えます。
Step 4: エメリーペーパーを用いた仕上げ
– エメリーペーパーを先端につけた研磨を行い、さらに面を整えます。
– エメリーペーパーは20ミクロン、9ミクロン、5ミクロン、3ミクロン、1ミクロンと使い分けています。
Step 5: ジャンシャンとダイアモンドペーストを使用したポリッシュ
– この地域で採れるジャンシャン(リンドウの一種)の茎からできた棒です。
– ローマン・ゴティエ自身が彼の後継者となる子供たちとともに、秋に茎を拾い集めます。
– 乾燥させた茎をポリッシュ用の棒にします。棒がカットされたとき、中の質感が、金属を削りすぎないため、ポリッシュにふさわしいものとなります。
写真:この日講師を務めたシルヴィー・デヴォーにより仕上げの施されたブリッジ(仕上げ後の状態)
写真:シルヴィー・デヴォーにより仕上げられた様々なブリッジのビフォーアフター。
それぞれ左側が面取りの仕上げが施されたもの。
今回面取りの行われた部品だけでも面取りに8時間要します。中には90時間要するものもございます。ローマン・ゴティエにおいて1人の職人の手により、1つの時計に使われている全てのパーツの面取りを含む仕上げが行われます。例えば、プレステージHMSは126の部品、ロジカル・ワンには350以上の部品が使われています。1つの部品を仕上げるのに数時間~数十時間要し、数百の部品が使われていることを考えると、ローマン・ゴティエの時計を完成させるのがいかに大変であるかを感じていただけると思います。
今回、日本の招待客の皆さまにローマン・ゴティエが継承するスイスの伝統的な高級時計作りに欠かせない面取りを体験していただきましたが、今後も様々なイベントを通じてスイスの伝統的な高級時計作りを日本の皆さまにお届けできればと思います。現在、ローマン・ゴティエの時計は、常時展示場所として下記の二店舗で実物をご覧いただけます。ぜひ、実物の美しさを店頭でご覧ください。
タカシマヤウォッチメゾン 東京・日本橋
〒103-0027 東京都中央区日本橋3丁目1−8
TEL:03(3211)4111(代表)
カミネ旧居留地店
〒650-0036 兵庫県 中央区播磨町49旧居留地平和ビル1F
TEL:078(325)0088
ローマン・ゴティエについて
ローマン・ゴティエ
2005年に誕生したローマン・ゴティエは、情熱に満ちた創業者ローマン・ゴティエ本人が指揮を執る、スイス・ジュウ渓谷に拠点を置く高級時計ブランドです。ゴティエは、スイスの時計製造の中心地であるこの絵のように美しいジュウ渓谷で生活し、学び、そして働くことで培ったノウハウを、オートオルロジュリ(高級時計製造)に対する妥協のないアプローチと結びつけることで、類まれなタイムピースを創出しています。これらのタイムピースは、その人目を引き付けるデザイン、革新的な自社製ムーブメント、そして極めて高いレベルの仕上げによって称賛されています。ローマン・ゴティエの時計の特別さは、年産約60本というわずかな生産本数からも保たれています。
ブランド創業者について
ローマン・ゴティエは1975年、スイスの時計作り発祥の地と言われるジュウ渓谷に生まれました。ローマンはこの地で、伝統的なオートオルロジュリへの情熱、機械学やエンジニアリングへの理解、そしてデザインに対する鑑識眼を養いました。技術学校で精密機構を学んだローマンは、その後1997年に精密機械のコンストラクターとしての資格を取りました。1年後、彼は初仕事として時計部品メーカーの機械プログラマー兼オペレーターの職に就き、その工場をヨーロッパ内で最も性能の良い設備の整った施設へと進化させました。ローマンは、自身の高級時計を一から創造するだけでなく、自らの高級時計ブランドを立ち上げることを固く決心し、2002年にMBAを取得しました。彼の修士論文は、自身のブランドの経営計画についてでした。3年間非公開で自身のタイムピース製作に取り組んだ彼は、2005年にローマン・ゴティエ ブランドを創設し、ブランドのファーストモデル「プレステージ HM」を、2007年のバーゼルワールドで披露しました。その後、次々とプレステージ HMS(2010年)、ロジカル・ワン(2013年)、ロジカル・ワン シークレット(2014年)、インサイト・マイクロローター(2017年)を発表。これらの作品群は、クラシカルで洗練された作品、現代的でカジュアルな作品、そして極めて優美な芸術的作品を網羅し、そのどれにも、最高の仕上げが施された自社製ムーブメントが搭載されています。2013年、時計界のオスカーと称されるジュネーブウォッチメイキンググランプリにて、ローマン・ゴティエの「ロジカル・ワン」は、男性複雑時計部門においてグランプリを受賞しました。