認定NPO法人D×P
3人に1人が借金経験あり、そのうち7割以上が生活費用のために借金をしていると回答
孤立するユース世代の支援を行なう認定NPO法人D×P(ディーピー)(大阪市中央区、理事長:今井紀明 以下D×P)は、13~25歳に向けたLINEを使った進路・就職・生活相談サービス、「ユキサキチャット」を運営しています。今回、ユキサキチャット登録者の13~25歳を対象に「若者のお金の使い道についてのアンケート」を実施しました。
調査結果では約4割が「借金をしたことがある」と回答し、またその借金の目的が食費や日用品の購入など「日常生活を過ごすため」と回答した人は7割にものぼりました。家庭に居場所がないなどの様々な事情を抱える若者たちは「当たり前の日常」を送ることさえままならない状況です。
これまでもD×Pではそんな若者たちへの食糧支援を実施し、23万食以上の食糧を提供してきました。そして昨今の円安・物価高も影響し、食糧支援を求める声は年々増加しています。特に年末年始は公的な支援機関が休業に入り、若者の孤立・孤独・貧困は深刻化する傾向にあるため重点的な支援が必要です。
これを受けD×Pは、クラウドファンディングサービス「READYFOR」にて、全国の若者への食糧支援を提供するために「年末年始に孤立する若者からのSOS|緊急食糧支援2024 冬」を開始しました。5,000万円を目標に、2024年10月16日(水)から12月20日(金)まで支援を募ります。
「若者のお金の使い方についてのアンケート」調査トピックス
1.借金経験のある18歳以上の7人に1人が1ヶ月の収入が「0円」と回答。収入10万円未満が6割。
2.約4割が借金経験ありと回答。18歳以上でみると半数が借金の経験があり。
3.借りたお金の使い道の1位は生活費の補填(家賃や光熱費、食費)。また、5人に1人が医療費の支払いに使用しており、病気と借金の二重苦になっている状況が判明。
4.5割が自身の収入減少を背景に借金をすることになったと回答。また半数以上が複数回答をし、複数の困難を抱え借金をせざるを得ない状況が見受けられる。
5.返済への不安を感じた人が7割以上、借金をしたことでさらにアルバイトや仕事を増やさなければならなくなったり、生活が苦しくなったと感じる人が5割と、借金では若者の生活は改善されない状況が判明。
調査結果
1.借金経験のある18歳以上の7人に1人が1ヶ月の収入が「0円」と回答。収入10万円未満が6割。
ユキサキチャットには不登校や貧困などそれぞれの事情を抱えた若者が登録をしています。その中でも、親を頼れず自分のアルバイトだけで生計を立てている方も多くいます。
本調査でも借金経験のある18歳以上の25.5%は学生・予備校生であるものの、他の方は社員・バイト・無職等の状態です。国の家計調査によると1人暮らしの生活費は昨今の物価高の影響もあり月平均で167,620円(※1)とされていますが、本調査の結果では月の収入が10万円未満の人が60.5%にものぼっていることから、厳しい家計状況に置かれていることが伺えます。
(※1)政府統計の総合窓口(e-Stat)「家計調査 家計収支編 世帯人員・世帯主の年齢階級別1世帯当たり1カ月間の収入と支出(2023年)」(総務省統計局)
▲1ヶ月の収入に関する回答(n=147)
2.3人に1人が借金経験ありと回答。18歳以上でみると半数が借金の経験があります。本アンケートの回答者は13~25歳と若者世代ですが、有効回答数のうち約4割が借金をしたことがあると回答。また18歳以上の回答で見てみるとおよそ半数以上が借金の経験があることがわかりました。
3.借りたお金の使い道の1位は生活費の補填(家賃や光熱費、食費)。また、5人に1人が医療費の支払いに使用しており、病気と借金の二重苦になっている状況が判明。
借りたお金の使い道として一番多かったのは「生活費の補填」で、およそ8割が回答しました。食料や日用品など、生きていくための当たり前の生活用品を購入できない状況にある様子が伺えます。
また若者の生活に欠かせない携帯電話やWi-Fiなどの通信費に使用したと回答した方が3割、また病気を抱えている方もおり、医療費への支払いに使用している状況も見られました。
4.5割が自身の収入減少を背景に借金をすることになったと回答。また半数以上が複数回答をし、複数の困難を抱え借金をせざるを得ない状況が見受けられる。
お金を借りた背景や周囲の状況については「自身の収入が減少していた」と回答した人が約5割でした。
厚生労働省の調査(※2)では「児童のいる世帯収入」を100としたときに「母子世帯年収」は49.2、「父子世帯年収」は74.5という結果で、ひとり親家庭の生活が苦しい状況が見えてきます。本調査でも、ひとり親家庭であることを背景にお金を借りている方が35.3%にのぼりました。
また、D×Pには病気で働けなくなり収入がなくなった若者の声も頻繁に届きますが、本調査では「自身の病気・通院」を背景にお金を借りた方が33.3%という結果になりました。
また2人に1人が複数回答をしており、借金をする背景は1つではなく家庭環境や自身の病気、収入減少などあらゆる困難が複雑に重なっている状態です。
(※2)「令和3年度全国ひとり親世帯等調査」と「令和3年国民生活基礎調査」より
5.返済への不安を感じた人が7割以上、借金をしたことでさらにアルバイトや仕事を増やさなければならなくなったり、生活が苦しくなったと感じる人が5割と借金では若者の生活は改善されない状況が判明。
借金をして実際に感じたこととして最も多かったのが「返済できるか不安」という回答でした。また「アルバイトや仕事を更に増やさなければならなくなった」や「生活がより苦しくなった」という回答も5割以上あり、借金は若者の生活状況の根本的な改善方法にはならないことがわかる結果となりました。
▲「お金を借りて困ったこと」に対する回答(n=156)
■調査概要
調査エリア:全国
調査対象者:13~25歳の男女
回答方法:アンケート回答フォームへの入力
回答者数:420名
クラウドファンディングプロジェクト概要
・タイトル「年末年始に孤立する若者からのSOS|緊急食糧支援2024 冬」
・URL:https://readyfor.jp/projects/dxp-sos-nogasanai2024
・目標金額:5,000万円
・募集期間:2024年10月16日(水)~12月20日(金)23時 65日間
・資金使途:1.食糧支援:一人あたり約30食をすぐに届ける2.現金給付:相談者のニーズに合わせて利用可能3.スタッフの採用・人件費:多くの若者からの相談に対応するために
・形式:寄付金控除型 / All in形式
※All-in形式は、目標金額の達成の有無に関わらず、集まった支援金を受け取ることができる形式です。
認定NPO法人D×Pおよびユキサキチャットについて
経済的困難、中退、虐待など、さまざまな困難な環境下にあるユース世代(13歳~25歳の若者)の孤立を解決するために活動しています。繁華街とLINE相談で彼らと出会い、困った時に頼れる人とのつながりをつくります。公的機関だけでは補いづらい部分をカバーするため、民間からセーフティネットをつくり、多様な機会(人・企業・地域)を活かしつなぎ、世の中にまだない機会をつくります。
主に1.大阪ミナミの繁華街での居場所事業の設立・運営2.LINE相談事業「ユキサキチャット」の運営の2つの活動を行っています。特にユキサキチャットは不登校・中退・家庭内不和・経済的困難など、さまざまな困難を抱えたユース世代がLINEで進路や就職相談ができる窓口。25歳までの若者を対象に生活困窮の相談も受けつけています。特に経済困窮する若者には、現金給付や食糧支援を実施しています一
HP:https://www.dreampossibility.com/
【本件に関するお問合せ先】
認定NPO法人D×P 広報担当:岩井
電話:06-7222-3001
メールアドレス:dp.prfr@dreampossibility.com