株式会社EBRU
日本国内に眠る活用されていない着物は約20兆円。活かされずに失われる着物文化を未来と世界へ届けるグリーティングカードを株式会社EBRUが展示会にて初お披露目
株式会社EBRU(本社:東京都荒川区、代表取締役:佐藤 怜)は、11/7(木)と8(金)、合同展示会・商談会「東京くらしのフェスティバル2024」にて日本の伝統文化と想いを伝えるグリーティングカード「吉祥花伝(きっしょうかでん)」を初展示発表いたします。展示会の会場では、時を経た色とりどりの着物生地と、和紙の色彩の色目が息を呑む美しさを観て触れることができます。
古くは平安時代から始まり、日本を代表する文化として職人による技巧と美意識の結晶として数々の名品が生まれてきた着物。日本国内に眠る時を重ねた着物は約20兆円(取得価格ベース)※1 と言われていますが、多くはタンスの奥深くに仕舞われ、活用されることはありません。着物は、現代では和服として晴れの日の特別な衣装となり普段着ではなくなりました。海外からも人気である日本の伝統文化、着物は高く評価される一方で、現代日本人の日常の中で着られることはほとんどありません。しかし、タンスの奥深くに眠る着物は日本刺繍や友禅、紬といった伝統技術と天然素材の正絹等で作られた、貴重で価値の高い古き良き日本の文化そのものです。
※矢野経済研究所「きもの産業白書(現・きもの産業年鑑)」
吉祥花伝(きっしょうかでん)
着物文化を伝える新たな試みとして、このたび株式会社EBRUは時を重ねた着物をほどいた生地「古裂(こぎれ)」が中に封入されたグリーティングカード「吉祥花伝(きっしょうかでん)」を発表いたします。グリーティングカードは西洋諸国で今も昔も慣習として親しまれているコミュニケーションの文化です。日本では衰退する紙文化ですが、世界では2兆円※2 規模もある現在でも成長し続けている市場です。
こうした背景とともに過去と未来、日本と海外を繋ぐ新しい文化の橋渡しとして吉祥花伝は誕生しました。額縁のようなカード本体には吉祥柄をエンボス加工で施した越前和紙を用いています。手仕事で作られた上質な着物の風合いをまるで絵画のように楽しむことも、大切な人に贈ることもできます。本物の明治~昭和期の着物を手で一点ずつほどき、生地に戻したのち、手仕事のバトンを繋ぎグリーティングカードに仕立てています。
※2 株式会社グローバルインフォメーション「グリーティングカード市場:タイプ、製品、流通チャネル別-2024-2030年の世界予測」
どちらも長寿を願う意味をもつ波と鶴柄
願いを込めた吉祥柄
着物に描かれた多様な吉祥柄。吉祥花伝に使う着物生地は、全国から鶴亀や梅といった吉祥柄のみを厳選しており、ひとつひとつの柄に、長寿や健康といった着る人に向けた願いが込められています。そのため贈る人に合わせた吉祥柄を選ぶことで、大切な人へ想いを伝えることができます。
幸福や富貴を象徴する牡丹柄
幸せを願う気持ちは世界中すべての人が持つ感情であり、グリーティングカードによって吉祥柄に込められた想いを、歴史を超えて国を問わず届けます。海外で発展し現代まで続くグリーティングカードに大切な人へ贈る言の葉を添えて、想いを形にします。
ブランドロゴに配された松喰い鶴も日本の吉祥柄を代表するもので、海外の方にも日本人にとっても日本を象徴的に感じさせます。
贈る人を想いながら選ぶグリーティングカードは、1点ずつ生地や柄の配置が異なるため、吉祥花伝との出会いは一期一会です。
100年後も受け継がれる
製作のために集められた着物の多くは、かつては着用する人や祝い事のために紡がれてきた明治~昭和期の着物です。現代は安価で扱いやすい生地が主流となり、伝統技法で作られた着物は時代や文化の変遷に押し流され、日の目を見ることなく仕舞われ消えていく運命です。
現代では再現しがたい伝統の染色技術や、手織りによる着物の生地をより身近に日常的に楽しむことができないか。まだ機械技術が乏しかった頃に人の手によって丹精込めて紡がれてきた四季を楽しむ心、願いを込めた吉祥柄、華やかな日本の景色。緻密な手仕事が時代を超えて生き残るという確信があるからこそ、現存する着物生地を新たな形にしました。着物だけでなくグリーティングカードに使われている和紙は、洋紙に比べ保存性が大変強く1000年持つとも言われており、文化や想いを受け継ぐために適した世界に誇るべき紙です。未来の世界の誰かにこの想いが届くように、様々な人の手を渡って新たな持ち主に受け継いでいってもらいたいという願いを込めています。
吉祥花伝は本物の着物から作られる
1点ずつ手仕事で製作されている吉祥花伝
本物の日本文化を手軽に伝える
吉祥花伝は、様々なシーンで活躍するグリーティングカードです。日本から海外に行く際の日本の歴史文化と個人の想いを込めたギフトとしても、訪日観光客の日本の想い出として帰国後にも日本での体験を思い出すお土産として最適です。日本の文化を海外の方が知ることによって、多様性を持つ相互の理解へと繋がります。また現代に活きる本物の素材を使うことで、文化の継続と発展に寄与できます。
こだわりの和紙、職人と工房
出雲民藝紙 工房の様子
吉祥柄が配された和紙額縁のカードと封筒には素材や加工にもこだわり、カード本体の繊細で複雑な吉祥柄のエンボス加工を実現したのは、1500年の長い歴史を持ち、お札や賞状などに使われる強くてコシのある紙を作り続けてきた越前和紙です。耳付きのカードが人の手の温もりを感じさせます。付属の封筒は故・人間国宝 安部榮四郎の流れを汲む手漉きの出雲民藝紙を使用。和紙に触れると驚くほどの柔らかさが特徴的で、気持ちを込めて贈るグリーティングカードを包む封筒に最適です。緋色・黄蘗(きはだ)色・萌黄色・勿忘草(わすれなぐさ)色の4色が配されています。歴史を持つ古裂と、現代日本の全国の職人技との共演によって、伝統を贅沢に味わい尽くすことができます。海外の方にも手に取ってもらいやすくするために、封入されている吉祥柄に関する解説も日英で解説を添えています。
吉祥花伝 – Japanese Blessing Kimono Greeting Card –
吉祥花伝 – Japanese Blessing Kimono Greeting Card –
着 物 :絹・木綿ほか / 全国各地 / 明治~昭和期
カ ー ド :越前和紙(機械漉き・手処理)/ 福井県越前市
エンボス加工 / 福井県鯖江市
封 筒 :出雲民芸紙(手漉き)/ 島根県出雲市
「東京くらしのフェスティバル2024」にて初お披露目
合同展示会・商談会「東京くらしのフェスティバル 2024」 におきまして、吉祥花伝を実際に手に取って見ることができます。展示会では実際の商品を体験していただけるブースをご用意し、吉祥花伝の開発・美術担当者から詳細なご説明をいたします。昨今のインバウンド需要に対し、日本の技術と共創して作られる吉祥花伝をぜひ展示会にてご覧ください。
東京くらしのフェスティバル2024
日時:令和6年11月7日(木)午前10時~午後5時
11月8日(金)午前10時~午後4時
場所:東京都台東区花川戸2-6-5
東京都立産業貿易センター台東館6階(株式会社EBRU ブース位置04)
株式会社EBRU
写真左から取締役 先山絵梨・取締役 田邊樹美・代表取締役 佐藤怜
吉祥花伝を企画・製造・販売する株式会社EBRUは、金沢美術工芸大学工芸科を卒業した元同級生である3名で2021年に設立。大学卒業後、一度は就職や進学でファッション、特殊メイク、陶磁器という別々の分野で経験を積みます。各現場で市場の縮小や後継者不足、さらに素晴らしいものづくりをしているにもかかわらず、つくり手に利益が還元されない厳しい現実を目の当たりにした3名は、再び集結し「株式会社EBRU」を創業。
文化芸術の継続と発展を目標に掲げ、もの作り・歴史への造詣と感性を活かし製品企画から製造までを行っています。海外での経験を持つメンバーによってインバウンドニーズや輸出(EU・アメリカ・アジア)も手がけています。吉祥花伝の企画製造のほか、アートと音楽、ファッションを一度に楽しめる、従来のワイヤレスイヤホンのイメージを覆すイヤホンブランド「EARMIND」を運営。プロダクトは一貫して日本の工芸作家や職人と共創してハンドクラフトで作られています。
その他に各々が工芸をベースとしたアーティストでもあるため、EARMINDの運営と並行し様々なアートワークの制作事業やワークショップ運営も行っています。大学時代からアートユニット「EbRu」としても活動をしてきた3名は、トルコの伝統技法のマーブリングを用いて文具、アクセサリー、陶磁器、革製品を制作し全国で展示販売を行ってきました。起業前の2020年に欧州最大規模のファッションコンペティション「International talent support 2020」でワイヤレスイヤホンを題材にした作品でSwatchアートワーク賞を受賞しています。